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帰ってきたアメコミ入門 その3

2015-04-20 | 漫画
お久しぶりでございます。
アメコミ入門、3回目です。

前回がマーベル映画編、ということで
今回はDC映画編、でございます。

DCはかなり前からタイムワーナーグループの一社であり、
グループを代表する映画会社・ワーナーブラザースの力によって
ヒーロー映画に関しては、マーベルより先行していた時期もありました。
「スーパーマン」「バットマン」の映画の成功が、世界に「アメコミ」を印象付けた側面もあります。
・・・しかし、シリーズを重ねるごとに・・・というのがどうしても見えてしまう部分も。

マーベルがマーベル・シネマティック・ユニバースを中心に展開して大成功を収めたことで、
現在DC側も「ジャスティス・リーグ」での結集を目指した仕切り直しを行っております。
そのスタートとなるのが「マン・オブ・スティール」です。
アメリカンコミック最初の「スーパーヒーロー」であるスーパーマンの物語を
「父と子」「自分探し」という視点を軸において、
画面・物語ともに彩度を抑えた内容で見せる今作から
ついにヒーロー共演が実現する「バットマンvスーパーマン
(予告編では出ていませんが、この2者以外のヒーローの登場も・・・)
ヴィランたちの狂演となるであろう「スーサイド・スカッド」・・・とシリーズが続いていく予定です。

さて、今までのDCヒーローの映画の主なところを見ていきますと
(戦前の連続活劇は抜かしていきますね)
「スーパーマン」が「MoS」までで6作、
「バットマン」が「ダークナイトライジング」まで8作、
後は単発作品、となっております。

まずはスーパーマンから。
滅びた星の最期の遺児、宇宙からやってきた善良な田舎者が
都会で冒険や恋に出会う物語・・・であるわけですが
まず、クリストファー・リーブ主演のシリーズが1~4までございます。
その中で「2」が監督による別編集版の存在がありまして、
そこから続くのがブランドン・ラウス主演の「スーパーマン・リターンズ」・・・という
ちょっぴりややこしい展開になっていたりもするわけですが、
これに関してはまず最初の「1」を見れば「スーパーマン」というキャラクターの持つ
パブリックイメージがすとーんと頭に入ってくるかな、と思われます。
(できれば「MoS」はその後に見てほしいんですよね・・・)
外伝的な「スーパーガール」はお好みで(こちらもドラマ化の予定が出てますね)
あと、関連キャラとして「スティール」も映画化されているのですが、DVD化されていません・・・
(元NBAのスーパースター、シャキール・オニール主演。当時ビデオ化はされていたのですが)

最初の1冊、としておすすめの原作本は「スーパーマン・フォー・オールシーズン」を。
スーパーマンのパブリックイメージ、というものがよくわかる一冊であり
暖かで優しい世界から冷たい都会へと出ていったスーパーマンの最初の1年が描かれています。
リセット後の世界でのヒーローとしての目覚めを描く「アクションコミックスVol.1」もいいかも。


続いてバットマン。
都会で犯罪者を狩る夜の狩人であり、世界最高の探偵。
しかしその肉体は何の超能力も持たぬ、ただの人間。
その彼を動かすのは、幼き日に目の前で命を奪われた両親と、犯罪への復讐心。
そんな彼の前に立つのは、狂った世界の犯罪者たち・・・と
スーパーマンとは正反対の世界に生きるヒーローであります。

「ダークナイト」までの映画・原作に関しては以前がっつり語ったので(
そちらを読んでいただけるとありがたいです。

さて、原作邦訳なんですが・・・かなりの冊数が出ていまして
その中から最初の1冊はどれにすればいいのか、を考えると
今ならリセットされた世界で、デビュー後最初の活躍を描いた「イヤーゼロ」か
リセット前の世界での最初の2年を描いた「イヤーワン/イヤーツー」、
バラエティと歴史を楽しみたい方は「アンソロジー」の3つのどれか、をおすすめしたいと思います。

・・・「BMvSM」のバットマン(「デアデビル」も演じたベン・アフレック)の元ネタは
「バットマンの最終回」という扱いもされていた「ダークナイト・リターンズ」っぽいのですが。

あと、関連作として「キャットウーマン」がハル・ベリー主演で作られていますが
出来としてはそうとう辛いものがあり、原作とは設定も異なるのでお好みで。
(ちなみに、キャットウーマンが主役の邦訳コミック「キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ」は
「バットマン:ロングハロウィーン」「ダークビクトリー」の外伝作という位置づけです)

この2作以外のヒーロー映画、なのですが
・・・ワーナーという映画会社がバックにいたわりには、実はほとんど進んでいなくて
宇宙を舞台にした「グリーンランタン」(こちらは再映画化予定)
西部開拓時代の復讐のガンマン「ジョナ・ヘックス」に
オカルト探偵「コンスタンティン」(最近ドラマ化もされましたが・・・)
ホラーヒーローである「スワンプシング」が2本、という状態。
それだけBIG2の存在が大きい、ということでもあるのですが、
マーベルの多彩さには大きく水を開けられた現状ではあるので
ここからの映画化予定ラッシュはけっこうすごいことになっております。
「ワンダーウーマン」「フラッシュ」「アクアマン」「シャザム」・・・と
続々ヒーローが毎年2作ペースで映画化されていく模様です。
シャザム」「フラッシュ」は邦訳本も出ており、アメコミ入門にはぴったりな
正統派ヒーロー作品となっていますので、予習も兼ねておすすめです。

さて、DCコミックスには「ヴァーティゴ」という
青年誌的なラインのレーベルがありまして、
こちらは大人向けのハードな作品やファンタジー色が強い作品が揃っています。
さらにアラン・ムーア(後述します)の個人レーベル、とも言うべき
「アメリカズ・ベスト・コミックス」というラインもあります。
これらの作品の映画化、も実は多いのがDC映画の特徴であります。

まず、犯罪映画として映画化された
「ロード・トゥ・パーディション」に「ヒストリー・オブ・バイオレンス」。
前者はトム・ハンクス主演、後者のほうは邦訳コミックも出ております。

そして、「V・フォー・ヴェンデッタ」「リーグ・オブ・レジェンド」
「ウォッチメン」(正確にはDCコミックスから出てるのですが独立性的にこっちに)に
前述した「スワンプシング」などは、すべて共通の原作者によるコミックの映画化作品です。
その名前は前述したアラン・ムーア。イギリス人です。
イギリスのマーベルコミックスでライター(原作者)としてデビューした彼は渡米後
途中参加の「スワンプシング」を担当1話目で今までのストーリーを一旦畳み、
2話目で設定の根本からひっくり返す、という荒業を見せます。
(邦訳が出ている「サーガ・オブ・スワンプシング」はこの設定変更からの収録です)
イギリス時代から書かれていたファシズムに支配されるイギリスを舞台にした
謎のアナーキスト・Vの物語である「V・フォー・ヴェンデッタ」は
そのビジュアルイメージ(ガイ・フォークスの仮面)が現実のハッカー集団・アノニマスに引用されたり
「リーグ・オブ・レジェンド」として映画化された(本人は納得していませんが)
「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」は
ヴィクトリア朝時代の文学作品キャラたちがチームを組んで、
大英帝国を脅かす超常の存在と戦うという作品(文学作品への趣味の悪いジョーク含む)、
(他社からの出版ですが)ジョニー・デップ主演で映画化された「フロム・ヘル」は
切り裂きジャック事件の「真相」に衒学的な多大な情報量と、幻覚的な魔力で迫る作品です。

そして、アメリカンコミック史上最大の傑作と呼ばれる「ウォッチメン」。
ヒーローの登場によって歴史が変わったアメリカで起こった元ヒーローの殺人事件から始まった
戦争と平和、そして選択の物語は一部改編がありながらもほぼ原作に忠実に映画化され
(映画化までに権利関係での問題や幾度となく訪れる頓挫もあったのですが)
コミックも後に(ムーア無関係で)出た前日譚を含め、すべてが翻訳されています。
多大な情報量に重いストーリーとハードルの高い作品ではありますが
映画を見られた方は是非コミックのほうも手に取っていただきたいと思います。

あと、ムーア作品の世界に惹かれた方はこれら映画原作(すべて邦訳されています)に合わせて
バットマンとジョーカーの物語「バットマン:キリング・ジョーク」や
「創作」という「魔術」の物語である「プロメテア」なんかも読まれるといいのではないでしょうか。

以上、DC映画からのアメコミ入門・・・といいつつ後半はアラン・ムーア紹介になってしまいましたが
ぜひコミックの世界への入り口への手がかりにしていただければ、と思います。

次回はマーベル・DC以外の会社の映画化作品について書ければ、と思います。

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