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CRISIS ON BOOKSHOP SHELFS

2022-12-06 | 漫画

ヴィレッジブックス 出版事業終了のお知らせ

アメコミ読みにとっては小学館集英社プロダクションに並ぶ二大巨頭のひとつであり、
ミステリ好きにとってはコージーミステリー翻訳でなじみのあった出版社、
ヴィレッジブックスが出版事業を畳む、という報が
昨日飛び込んでまいりました。

3年に及んでいるコロナ禍と、ロシアのウクライナ侵略。
それらによる生産・物流コストの増大(紙価の値上がりも大きい)に、
なにより書店で実際に本を手に取るという行為の減少。
出版業界に逆風が吹き荒れる中、
そんなに大きい市場とはいえない海外作品の翻訳出版、を中心としていた
ヴィレッジブックスとしては特に厳しいものであったと思います。

JIVEから邦訳アメコミ事業を引き継ぎ、
「バットマン:ダークビクトリー」から邦訳を開始。
「ニューアベンジャーズ:ブレイクアウト」から「シージ」まで
アベンジャーズ再結成からシビルウォー、暗黒期を経た再興までを
膨大な出版量(通販限定作品も含む)でカバーしたり、
「スパイダーバース」「ウルトラマン」などの話題作に
翻訳実現自体が大ニュースであった「クライシス・オン・インフィニット・アース」等の
DCの節目節目で訪れる”クライシス”の数々の邦訳…と
最近の話題作から過去の名作までをカバーしてくれていたわけですが
小プロとマーベルの独占契約などもあり、近年は苦しい状況も見えていました。

しかし、質の高い翻訳や確かな作品セレクトは
映画でキャラクターを知ってちょっと深く踏み込んでみたい、という人や
私のような小プロX-MENでアメコミに入ってきた世代も満足させるものでした。
(小プロの刊行が止まっていた時期、支えてくれていたのはJIVEとヴィレッジでした)

撤退は残念ですし、これによって数々の名作の邦訳がさらに手に入りにくくなるわけですが
その遺伝子はどこかにかならず受け継がれる日がくる…と信じて、
その日を待ちつつ、名作の数々を再読していきたいと思います。

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