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ハルク:グレイ

2017-11-15 | 漫画
「何から聞きたい?」

「君が話したいことからでいい。両親とか 父親とか」

「そのことなら前にウンザリするほど話しただろう?」

「"A"はApple・・・みたいにABC順に話してくなら、最初はもちろん・・・」


ガンマ線爆弾の実験場に入り込んだ少年、リック・ジョーンズを救うために
爆心地に飛び込み、ガンマ線を大量に浴びた科学者、ブルース・バナー。
その副作用は、感情の昂ぶり、そして夜の訪れとともに
怪力無敵の巨人、ハルクに変身してしまうことでした。

ブルースを愛するベティ・ロス、
その父であり、ガンマ線爆弾実験の責任者、
そしてハルクを執念深く追う将軍、サンダーボルト・ロス。
命を助けられた恩義から、ブルース/ハルクと行動をともにしようとするリック。

そして、ブルースとしてもハルクとしてもベティを愛しているブルース。

ここで描かれるのは、まだハルクが「緑」になる前の、
まだ善悪もあやふやの「灰色」の時代。
改めて語られる彼の「始源(オリジン)」と、語られていなかった戦い、
そして、これまでの『カラーシリーズ』がそうであったように、
ブルース/ハルクとベティの「愛」の物語。


本国刊行順としては3作目であり
(「デアデビル:イエロー」、「スパイダーマン:ブルー」、
今作、「キャプテン・アメリカ:ホワイト」の順)
邦訳としては4作目の刊行となったジェフ・ローブ&ティム・セイルの『カラーシリーズ』の今作。
結婚式を目前にしてベティを喪ったブルースが友人である精神科医のドク・サムソンを訪ね、
初めてハルクになった時期を回想する・・・という物語となっており、
冒頭に引用した会話のように、各章題は「A is Apple」「B is Boy」・・・と
アルファベットとそれを頭文字にする単語となっています。

1962年の「インクレディブル・ハルク」#1では灰色だったハルクは、翌月の#2では緑色になっており
今作はその間の物語、と位置づけられているわけですが、
逃亡者ハルクと追跡者ロス、そしてその間に挟まれたヒロインベティの物語だけでなく
公式にはこの後で出会うことになっているあのヒーローとハルクの戦闘もあり。

そして、最後にブルースがたどり着いた結論の苦さと、
白と黒の世界に表れた「色」の演出が見事、な作品であり、
これまでのカラーシリーズ邦訳3作を読まれた方はもちろん、
マイティ・ソー:バトルロイヤル」で改めてハルク/ブルースというキャラの魅力に気づいた方に
手に取っていただきたい一冊、です。


ハルク:グレイ


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