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MAST Asia 2015を見てきた~MAST is a MUST!

2015-05-16 | 博物館・資料館・テーマパーク

パシフィコ横浜で行われたMAST Asiaを見てきました。

"MAST is a MUST!"

というのがHPの最後の文句だったりして、考えることは皆同じと思ってしまうわけですが、
mastというこの展示会は、アメリカの支援によって防衛省が主催する防衛見本市で、
経産省や自衛隊が支援して、現行の防衛グッズ?を一同に展示しているわけです。

防衛グッズ?そりゃー武器兵器のことだろ?

と思ったあなた、主催が平和国憲法下専守防衛を旨とする防衛省であることにご注目ください。
武器兵器といっても、地雷そのものや銃の類は展示されておりません。
もちろん地雷(機雷含む)や銃を自衛隊もまた防衛のために運用しているわけですが、 
見終わって思ったのは、やはり主催国のニーズに対応したものか、展示商品の大きな部分を
海底探査器や機雷発見のための器具が占めているということです。

今回、関連企業を経営されている方が

 「ブログのネタにもなると思いますよ」

と、この開催を教えてくださったので、行ってみることにしました。



というわけで横浜である。
この日はいきなり真夏日となって、ただでさえホットだったのが、
イベントへの期待で熱気もムンムンです(あーつまんない定型句)


パシフィコ横浜に来るのは生まれて初めてです。
同じ日、別のホールでは「アジア栄養学会議」というイベントをやっていました。

アジア栄養学会議・・・・少し見てみたい。




わかりやすく支援団体(というか主催?)は向こうで受付、のお知らせ。
自衛官用に「制服着替え用の別室」も用意されていました。
彼らはここまでわざわざ私服で来て、イベント会場に入るために制服に着替えるみたいです。

国防を担う軍人が普通に制服で街中を歩いたり電車に乗ったりできない国って?
と思うんですが、まだまだ当分こういう風潮は無くなりそうにないですね。

この入り口からいきなり入っていこうとすると、

「招待状はお餅ですか」

と尋ねられたので、持っていないというと、受付で名刺を求められました。
ていうかわたし、地球防衛協会の名刺しかないんですけど・・。

ところが、本イベント的には地球防衛協会顧問というのは十分な肩書きのようです。
受付の青年が独自に「地球防衛協会」を英訳してこんなIDを作ってくれました! 



うふふ、なんだか意味ありげでそれらしい人みたいではないの。
おまけに彼はこれを渡す時に、流暢な巻き舌英語で高らかに内容を読み上げてくれました。
なんというか、こんなところでもお得感満載です。

さあそれでは、この胡散臭い()名札をつけて、いざ会場へ!




おっと、その前にこれをいただくのを忘れてはいけません。
書類やパンフレットなどを入れるために用意された布バッグ!

普通こういうのはせいぜい紙袋だとおもうのですが、なんとスポンサーが
ロッキードマーチンという超大物であるせいか、扱っているものの単価が高いせいか(笑)
販促グッズにも手を抜いておりません。
今回は自衛隊といっても海自の主催という形になるので、自衛隊旗がデザインされてます。



裏側には参加企業のロゴが。
やはり一番出資している企業が一番上に名前を載せていますね。

さて、わたしはたまたま教えていただいてなんとなく行ってみただけなので、
何がどう展示されているのか全く予備知識なしだったのですが、
会場に入るなり、



US-2の大きな模型がお出迎えしてくれたのですっかり瞳にお星様状態です。

「ああ、US−2が!来て良かったあああ」



しっかりパンフレットも記念にいただいてまいりました。
US-2といえば、インドに販売するという話が先日あったと思うのですが、
これについては日本とインドの間で若干意見の食い違いがあって、
日本としては輸出したいのだけど、インドは3機くらい買ったら、
あとはライセンス生産をしたいという意向なのだということです。

日本とアメリカもそうやっている飛行機は多いし、別にいいのでは?
と思ったのですが、インドはさらにそれを輸出したがっているということで、
素人から見ても、それはちっと図々しくないか?と思ってしまうわけですが。

川西だって並大抵でない苦労と犠牲を払って今日のUS-2を造ったんだし。



パンフを見て初めて知ったのですが、US-2って、海水を汲み上げることもできるんだそうです。
右下の写真は、そうやって貯めた水を消化活動に散水しているところ。
消防飛行艇の場合、20秒水上滑走するだけで15トンの水を汲むことができます。

「猿沢池にも降りることができる」

というくらい、局地着水の能力に優れているのですから、たとえ山火事でも
付近の湖と現場を往復して消火することができるというわけですね。

エンジン換装によってパワーアップできるので、EEZ内はもちろん、
大きな行動可能範囲で離島保全、海洋管理など、多様化が期待されています。

 

そしてその横には、「いずも」が!
モニターで流している映像は、就役の式典のものだったと思います。

ところでUS-2は外国に販売するという今後の目的があるわけですが、
日本が「いずも型」をどこかに売るという話は今後もないはずなので、
なぜ見本市に「いずも」が飾ってあるのかという気もしますが、
これも会社の技術力をアピールするという意味なんでしょうか。



この模型は小西製作所という大阪の会社が製作しています。
博物館のや、こういった用途のために船舶模型を作る会社で、
愛好家が自分で作るパーツを買うような模型会社ではありません。

おそらくこういう模型は一台30万円クラスだろうと聞いたことがあります。
改めて小西のHPで調べてみたら、一応パーツ売りもしているのですが、
完成品になると1/200の金剛・愛宕が55万円、「大和」だと同じスケールで100万円以上。

あと百万越えは1/200の「長門でした。
空母型は戦艦より安くなりそうですね。構造物が少ないので。



やっぱり艦載ヘリの尻尾、はみ出してる・・・。
ところで、このエレベーターに乗ったことのある人の話によると、
「ひゅうが」と違って、このエレベーターの動きはかなり粗く、
がくっ、がくっ、という感じで稼働するそうです。

観艦式の「ひゅうが」はあのエレベーターで人を一気に輸送していましたが、

おそらく「いずも」はここに見学者なんか載せないでしょうね。

落ちそうだし。




「いずも」の近くにあったIHIのブースにはこのような不気味なものが(笑)

これについては見ていたら会社の方が説明をしてくださいました。

これは無人海洋システムの「洋上中継器」だそうです。

母船から放たれたこれは、これをもう少しスマートにした形のやはり黄色い
「AUV」を、海面直下を航走させながら管理するものです。
子分のAUVに集めさせたデータを集めて、衛星を通じて母船に情報を伝える、
というものだと(言っておられたように)思います。


複数の無人機を運用することで、広い海域を短時間で効率よく探索できるんですね。

このノーズを見て、航空機のドローンを思い出したのですが、
なぜドローンって皆こういう形の下さがりノーズをしているんでしょうか。



「ふゆづき」「ましゅう」「おおすみ」「しょうなん」・・

「ふゆづき」ですぐおわかりのように、ここは三井造船のコーナーです。



入るなり馴染みのあるものばかりだなあと思ったら、それもそのはず。
会場の入り口近くには「JAPAN」ブースばかりが集まっていたのでした。
つまり防衛省の展示ということです。

場内には海自の自衛官が見られましたが、若い人(2尉クラス)が多く、
自衛隊の中でも技本などに勤務しているのではないかという雰囲気でした。



これ、なんだと思います?
後ろの説明には「アンフィビアス・ヴィークル」とあるように、「水陸両用車」です。
検索してみたら軍事ニュースのサイトに記事が上がっていました。

JMUの防衛装備品開発・製造部門であるJMUディフェンスシステムズは
MAST ASIA 2015の会場で、水陸両用車(Amphibious Vehicle)の模型を展示した。

展示された水陸両用車は、同社が陸上自衛隊向けに開発し、製造した
94式水際地雷敷設装置をベースに自社開発しているもので、基本的な車体レイアウトは
94式に準じているが、94式水際地雷敷設装置が4×4の車輌であるのに対し
6×6となっており、不整地を含む路上での走行能力が向上していると思われる。

車体は装甲化されていないが、必要に応じて増加装甲の装着も可能とされている。
ペイロードは6t程度で、人員であれば28名程度の輸送が可能と見られる。
浮航時は94式水際地雷敷設装置と同様、左右のフロートを倒して浮力を向上させる。

航行時の推進システムは、94式水際地雷敷設装置(プロペラ)と異なり、
2基のウォータージェットを使用する。

シーステート3での運用が可能とされているが、会場で公開された試験時の映像では、
限りなくシーステート4に近い海面での浮航が行われていた。

同社は水陸両用車の用途として、水陸両用部隊用の輸送や
大規模災害の救援などを想定しており、防衛省に提案を行なっている。
また離島の多い国や地域での需要を探ることも視野に入れている。


というものです。
どこかで見たことがあるなあと思ったら朝霞のりっくんランドでした。
あのとき、機雷を積む場所に隊員を乗せて、大震災に出動したという話を聞きましたが、
この「両生類」も大規模災害を想定しているようです。



水から上がってくるところ。
なんかシュールです(笑)



ブレーキテスト中。


 
聞いた話によると、これは防備の点でイマイチなので、揚陸、たとえばですが、
ノルマンディ上陸作戦レベルには使えない、という問題があるらしいです。

日本が運用するならいいんじゃないか?という気もしますが、
離島奪還などという最悪の場合も想定するのが国防というものですから・・。




上から

「きりしま」「いせ」

海賊対処「パシフィック・ヴィーナス」

洋上給油

とあり、ロゴは

Defence Technology Foundation

これは「防衛技術振興財団」のことらしいですが、HPにあった住所を
拡大していったら、なんと

皇居宮殿長和殿

に行き当たりました。
いいのか。 



防衛計画の年次に建造された航空機の一覧。


こちらは掃海艇ですね。
掃海艇が「~しま」という命名基準になったのは1970年代からのようです。

というような雑学にまたくわしくなってしまったmastでした。




続く。


 



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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
降りかかる火の粉は払わねばならぬ (佳太郎)
2015-05-16 17:48:00
これも最近の法案に関係する一連の流れの中の方針と言うか、流れと言ったもののひとつなのでしょうかね?
最近首相官邸前がきな臭いことになっているようで…
戦争反対と言っても自衛の戦争は否定していないですし…降りかかる火の粉は払わねばならないですけどね…払わなければやけどしてしまいます。
もう二度とこの国を焦土にしてはいけないのですよ。
どうやら官邸前のデモをしている人の中に隣国の半島国家の太鼓を持ち込んでいる人がいるようです。プラカードの字も拝んでみたいものですね。

しかしインド、とほほですな…
DDH一隻¥43,000より (ロビ)
2015-05-16 18:14:02
エリス中尉

MAST行かれていましたか。気にはなってたのですが平日だし関連法人勤めでもないし参加は無理だと割り切ってましたが、中尉のレポートが拝見できて感激でございます。

購読しているJshipsと言う艦艇雑誌に小西製作所が毎号広告を出していて、ひゅうが型の最安値が1/500サイズ組み立て式でタイトルのお値段です。
ケース付きの完成品だと¥82,000。
さらに大きい1/200サイズだと組み立て式で¥280,000、完成品は¥567,000となっております。


エリス中尉のご自宅に護衛艦隊インテリアを導入される際のご参考に。
出来れば (雷蔵)
2015-05-17 05:28:38
防衛グッズというより「装備品」くらいでお願いします(笑)
いいなあ。 (鉄火お嬢)
2015-05-17 22:17:21
これ行きたかった。地球防衛協会、ネームバリューありますね。私もこっちの地元のに入ろうかと考えたことありますが、基地のない地方なので~(T^T)東郷会会員じゃ入場ムリだったかしら。
いや、 (エリス中尉)
2015-05-18 00:01:56
行けたと思いますよ。東郷会会員。
きっと受付のバイリンガルお兄さんが

「ジャパン・インペリアル・ネイビー・アンド・アドミラル・トーゴー・メモリアル・アソシエーション」

とかなんとかそれらしい名前をでっち上げてくれたと思います。
おお、カタカナないし横文字にしたら (鉄火お嬢)
2015-05-18 23:34:12
~アドミラル・トーゴー・メモリアル・アソシエーション!
東郷会と漢字で書くより、防衛関係イベントにウロチョロしても違和感ない、もっともらしさが一気にアップ!

それにしても「遼寧」こんな縁起でもないフネ、縁起担ぎまくる中国がよく買ったもんです。日露戦争で大日本帝国海軍に沈められた「ワリャーグ」の名前を受け継ぐ、つまり海上自衛隊にしてみれば「もいっぺん沈められたいかっ?」箱絵がデジャヴになれなければ良いが‥‥‥(笑)

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