ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

工作船とリコッタチーズのパンケーキの日 

2012-04-30 | つれづれなるままに

   
昨日は全くいいお天気でしたね!
大型連休に入って、どこも混んでいると分かっていても、ついお出かけしたくなるような。
エリス中尉は、横浜の赤レンガ倉庫に行ってきました。

ここに、ディカプリオも常連というニューヨークのグリル、billsがあると聞き、
(と言っても今日初めて知った名前でしたがw)行ってみることになったのです。



赤レンガ倉庫の敷地は、緑のふんだんにある公園になっており、そこからはいかにも横浜!
って感じの、こんな景色が見えます。
今日は、ドイツビールのフェアをやっており、もの凄い人出。
芝生の上でピクニックとしゃれこむグループもたくさんいました。
最近、こうやって皆が幸せそうにしている光景を見ると、心から嬉しくなるわたし。
だって、ねえ・・。



向こうに見えるのは、ベイブリッジです。
早めのお昼を食べるつもりで11時に到着したところ(予約不可)、
「今からですと2時45分以降の予約が取れます」

・・・三時間待ちってことですか。

なんと、あまりに人気なので、人数制限しているんですね。
ここは、リコッタチーズのパンケーキと、スクランブルドエッグが名物なのです。
3時間待つということになってしまいましたが、そのために来たんだし、お天気もいいから
その辺を散歩しながら待ちましょう、ということになりました。

ところで、「リコッタチーズのパンケーキ」と、全くこの世の対極にあるような「北朝鮮工作船」が、
なぜタイトルになっているか、ですが・・・・・。
3時間近くの時間つぶしを余儀なくされた我々が、埠頭に歩いていくと、そこには、
おお、まるで絵に描いたようにおあつらえ向きのブログネタが。

冒頭の写真、海上保安庁の巡視船、6500トン(くらい)の、「しきしま」です。
因みに、船体に書かれたPLH31のHですが、ヘリを搭載できるというクラスを意味するそうです。

うーん、それにしても、フネというのはどうしてこのように美しい完璧なフォルムをしているのか。
写真を撮りながらふと眼を転じると、そこに格納庫のような建物が。

「工作船展示館」

ほお、これは、子供の工作した船のモデルかなんか?
工作船って、北朝鮮の?なわけないか。
と、何気なく中に足を踏み入れてみたところ。

orz  まじでした

皆さん!ここにね、展示してあるの。
北朝鮮の工作船が!
善男善女が、美しい気候を楽しむ、この観光地の一角に。
海上保安庁の巡視船とバトルを繰り広げた結果、自爆沈没した実物の工作船がぁっ!

 

こんな感じです。
右画像は、ここに小型ボートが収納されていた、船腹内。

2001年12月22日、鹿児島沖で、海保の巡視船「いなさ」は、不審な船を発見。
追跡することなんと7時間、停船命令、威嚇射撃にも応じず、海面に証拠物らしきものの
投機を始めたため、「いなさ」は予告の上、船尾に向けて射撃。



そのときの弾痕です。
場内では一部始終を映像で観ることができるのですが、人命に影響の無いように、船尾に
向かって射撃することを告知してから行いました。

巡視船二隻で挟み撃ちにしようとしたところ、船橋後部で毛布のようなものに隠れていた数名が
いきなり巡視船に対し自動小銃により攻撃をしてきました。

この攻撃により、巡視船「あまみ」の乗組員三名が負傷し、船橋内のレーダーも破壊されたため、
巡視船は正当防衛射撃を行い、三分としないうちに工作船は自爆と思われる大爆発を起こし、
沈没したということです。



そのとき銃撃に使われたと思われる、ロシア製の銃。

後日引き揚げられた遺体は金日成の顔バッジをつけており、これが北朝鮮の工作船で、
麻薬などを在日韓国人の男の手引きで暴力団に輸送してきたものだということが分かっています。
(乗組員は死亡、手引きの男と暴力団組長は検挙済み)

館内には、やはり公園内を散策していてぶらっと入ってきた散歩の客が、
いきなり水を浴びせられた面もちで展示に見入っていました。
ニュースでこのようなことをいくら見聞きしても、それは遠い世界の出来事に過ぎませんが、
こうして銃痕も生々しい工作船そのものを目の当たりにすると、日本の海の守りが、いかに
重要な国防であるかが、いやというほど分かる仕組みです。

というより何より、怖い!



その時の工作船と巡視船の戦い。

ちょうど今、尖閣の問題で、海防という事柄に関心が集まっている中、実にタイムリーに、
海保の活動について知ることができたこの日の見学者は、ラッキーだったと言えるかもしれません。

出口で一人500円ばかりの寄付をさせていただいたとき、
「ここにこういうものがあることを、知らない人の方が多いよね。もっと皆見るべきかもね」
「啓蒙という意味でもね」
などと話していると、横にいた職員の方が、わたしたちに、

「よろしかったら、皆に宣伝して下さい・・・。
海保は、宣伝にかけるお金がないんですよ」


宣伝しましょう!わたしのこのブログで!
と後半は心の中だけでお約束して、ついでに少しインタビューさせていただきました。
えー、現在、尖閣付近には、常時巡視船が二そうずつ海域をパトロールしているそうです。
こういう任務は、交代で行われ、一度出撃?したら、二週間帰って来られないそうです。

今尖閣付近はああいう状態だし、保安官達も緊張の連続であるのは当然ですが、
海保職員の家族も、毎回彼らが無事で帰ってくるまで気が気じゃないだろうなあ。

何しろ、こういう方々が、命をかけて日本の海を守ってくれているわけです。感謝。

なのに、全く民主党のバカどもときたら!(怒)



いい時間つぶしどころか、全く有益な時間だったわ、と満足しながら、それでも、お茶を飲み、
さらにウィンドショッピングなどして、ようやく2時半になったので、billsに行きました。
それでもしばらく外で待ちましたが、その時に店に来た人たちが
「次のお席は6時からの御案内になります」
と入り口で言われて、すごすごと帰って行くのを多数目撃しました。



期待が募るなあ・・・。
このbillsのオーナーは、オージーで、ニューヨークに店を出し人気となった
「アメリカンドリーム」の実現者です。
ニューヨークのセレブリティをとりこにしてきたそのお味とは・・・・。





綺麗な形のときに写真を撮るのを例の如く忘れて、お見苦しい画像で失礼します。
これがリコッタチーズのパンケーキなんですが、驚き!
アメリカのパンケーキなのに、全く甘くないの!
うっすらとかかったメイプルシロップと、上のバターに甘味がついているだけ。
アメリカ人なら「味が無い!」って暴れ出すレベルのあっさり味なのだけど、
やはりニューヨーカーというのは先端を先取りする者の自負があるから、
これが最先端の味!と言われれば「クール!」と砂糖なしの味を取り入れてしまうのでしょうなあ。

甘味が欲しければ、着いてくるメイプルシロップをどばっとかければいいのですが、
それをすると「ただのパンケーキになってしまうから、かけない方がいい」(TO談)そうです。

もう、サラダを加えたこの二皿で、お腹はいっぱいになっていたのですが、やはりデザートは
別腹!ってことで、無理やり二品頼んでみました。


苺のパンナコッタ。
これも、アメリカ人の嗜好を知っているものから見ると、薄気味悪いくらい甘さ控えめ。
苺の酸っぱさの方が甘さより勝っているくらいです。



運んで来られた途端、周りの人々の注目を集めまくっていたデザート、「パブロワ」。
パブロワ、って、あれかしら。
踊り終わるなり倒れて、医師が診察したら「もう三〇分は前にこと切れていた」って、
伝説になった、あのバレリーナかしら。
瀕死の白鳥を模しているのかしら。
メレンゲはいいとして、このカエルの卵みたいなパッションフルーツは少し見た目が、
などと様々な思いを巡らせつつ一口・・・・・・わたしは一口でギブアップでした。

まあ・・、メレンゲ、ってそもそもお砂糖の塊り(+白身)ですから・・・。

「これはアメリカっぽいよね。甘くてやたら大きくて」
「うん、日本人なら四人で一個で十分」

それにしても、雰囲気といい、お味といい、ニューヨークとほとんど同時に、同じ味が、
何の苦労もなく味わえる素敵な国、日本。

この豊かさを、日本人に生まれたがゆえに、何の疑問の無く享受することのできるわたしたち。
しかしこのような豊かな国であらばこそ、そのおこぼれにあずかろうして侵入してくる
周辺国の面々もいるわけで。

この同日に見た北朝鮮の工作船。それに乗っていた(全員遺体で発見された)工作員。
そして、同じ世紀を生きながら、ハリウッドスターの好物を同じように口に運ぶ日本人たち。
両者を分ける運命のあまりに残酷な差異に、つい

「日本に生まれてきてよかった・・・」

と、ただそうとしか思えない自分が、わずかに後ろめたく感じた日でした。