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砂むし温泉とイタリアン

2012-03-30 | つれづれなるままに

     

引き続き鹿児島訪問記です。
勿論メインは知覧の特攻平和会館ですが、ことのほか楽しみにしていたのが、砂むし温泉。
地熱を含む砂に首まで埋まって蒸され、体の芯まで温まる「蒸しサウナ」。
なんでも、全国ではここ指宿温泉のオリジナルらしい。

この白水館のお風呂は体育館くらいの大きさのフロアにさらに上階には露天風呂コーナーと、
広大なものですが、お風呂と中でつながっている廊下を進んでいくと、そこは砂むしコーナー。
砂むしを申し込むと、(1000円)入り口で砂むし専用の浴衣を渡されます。
下に何もつけずに着て、のれんをくぐると、そこは男女兼用のウェイティングコーナー。

長いベンチが数脚並べてあり、四人ずつ座り、前が空くと詰めて移動していきます。
我々が行った時は日曜の夕方で、いわばピーク。
ベンチに座りきれず、脇の部屋も待つ人用に使用されていました。

八人が横たわることのできる砂場が全部で七面。
この日は全面フル稼働でした。

二人三人組で来る人が多いので、時々余った場所のために
「一人だけのご利用の方はいませんか」
と呼んでくれるのですが、このおかげでわたしは二〇人くらいごぼう抜きしました。

木の高いマクラの上にタオルを乗せて、平らにされた砂の上に横たわると、
砂かけ係が浴衣の裾をぴんと下に引っ張って、合わせ目から砂が入らないようにしてくれます。
この砂かけ係は「この道数十年、半生を砂をかけることに賭けた男」みたいな年配の人は
一人しかおらず、あとはアルバイトのような若い青年ばかりでした。
危険なスコップ状のものではなく、毛のないデッキブラシのようなもので砂をかけていきます。
これ、結構な重労働だと見た。

あとで家族と語り合ったのですが、全員感想はただ一つ。

砂が重い。

皆さん。
土砂崩れの事故で埋まったとかいう事例や、昨夏起こった
「仲間が砂浜に掘った落とし穴に落ちて砂に埋もれて亡くなった」という事故、
なぜ砂くらいかき分けて逃れられなかったのか、と思っていませんか?

体の上に10センチかけられた砂ですら、重くて深呼吸もできないんですよ。
そう言った事故もむべなるかなと納得しつつ、重さに驚きながら10数分。
係の人は
「10分から15分が目安です」
というのですが、しばらく埋まっていると、じんわりと温まっていく砂は気持ちよく、
その重さも慣れればなかなかおつなもので、あっという間に時間が来てしまいました。
苦しくなければ何時間でも埋まっていることは可能なのですが、
この日は前述のように待っている人が多く、それでなくても
たくさんの人たちに埋まっているところをガン見されている状態なので、15分で出ました。

砂にまみれて立ち上がり、のれんをくぐってすぐにあるシャワーのところに全てを脱ぎ捨て、
シャワーで砂を落として、あとはお風呂を楽しみます。

埋まっている間に、カメラマンがやってきて写真を撮ってくれます。
申し込むと、赤い傘と日付の札を砂に立てて、(確かに何もなければ殺風景かも)
チェックアウトの時にわたしてくれるのです。
息子とToが撮った写真が、これ。



まあ、息子は反抗期ですから・・・。

この後岩盤浴をしたり露天風呂でボーっとしたりして、あっという間に夕食の時間。
今日は、ホテル内のイタリアンレストランに行きました。



広尾にアクア・パッツァというイタリアンレストランがあるのですが、そこのシェフのお店。

 

新鮮な生野菜をたくさん使うのがアクア・パッツァ風。
支配人は「葉っぱばっかりでなんだか馬になった様な気がしますが」
とおっしゃっていましたが、都会人はこういうの好きなんですよ、と。

メインの黒毛和牛のステーキは美味しかったですが、量が多くて食べられませんでした。
白身魚は案の定素材が今一つ。
イタリアンやフレンチで白身魚を美味しいと思うことってあまりないんですよね。
あえて言えば、呉の大和ミュージアムの近くの小さなカフェが今までで一番でした。

 

パスタは、ニョッキ。
餃子のように中に具が入っていました。
そう言えば歯触りも餃子っぽかったな。

デザートは紅茶ゼリーと桜のアイスクリーム。
全コース通じて、私が一番評価したのがこのアイスクリーム、Toはパンでした。

・・・・・・・。

しかし、温泉旅館ですから、宿泊費には朝食、夕食代が含まれています。
和食の懐石がでてきたら当たり前のように思うのですが、イタリアンのコースが出てくると
「なんだかタダで食べているみたい・・・お得かも」
とつい錯覚してしまいます。錯覚ですが。

この日は観光しまくって疲れ切ってしまったのと、次の日の朝、朝日を観ながら砂むしをしたい!
と思ったので早々に就寝することにしました。

昨日はたたみに一人、ベッドに二人が寝たのですが、今日はお願いして、
和室に川の字にお布団を敷いてもらいました。

電灯を消して豆球にすると、なんと。
天井にこのような光が浮き上がっています。




このお部屋は「萩の間」だからなのです。
粋ですね。