パーキンソン病友の会新潟県支部の定期総会に参加しました.例年,個別医療相談や病気に関する講演を担当させてもらっていますが,今年は若年性パーキンソン病の患者さんおふたりとのトークショーでした.初めての試みでどんなことになるのかしらと少し心配でしたが,まさに杞憂で,とても楽しい時間を過ごしました.話題になったのは大きく分けて3点で,抗パーキンソン病薬の飲み方,主治医とのつきあいかた,良いリハビリ方法の3つでした.とても参考になったのでご紹介したいと思います.
1.抗パーキンソン病薬の飲み方
興味深かったのは,内服のタイミングと食べ物の影響についてでした.内服のタイミングは「空腹時に内服すると早く吸収され早く効く一方,効果が切れるのは早い.逆に,食後に内服するとゆっくり吸収されて効き始めには時間がかかるが,効果は長くつづく」傾向があることはよく知られています.でも場合によってはその中間の食事中に内服するという方法もあること(なるほど,両方の中間になるということかな).
また薬との組み合わせで注意する食べ物として例に上がったのは,アボガドとバナナ.知らなかったので調べてみると,アボガドに含まれるビタミンB6(ピリドキシン)はL-DOPAの分解を促すそうで,たくさん食べ過ぎると効果が落ちることもあるようです(アボガドの食べ過ぎに注意).またL-DOPAは酸に溶けて吸収されるので,グレープフルーツやレモン,みかんなど柑橘類とかジュースと一緒に取るのは吸収を促しますが(季節,季節の柑橘類を探すのは楽しいとのこと),バナナやバナナジュースは相互作用のためL-DOPAの血中濃度を下げてしまい,症状を悪くしかねないようです.
2.主治医とのつきあいかた
診察室に入るのは一人が良いか家族と一緒が良いか,診察室で言いたいことをすべて言えずに残念に思うことがあるがどうしたら良いか,いうご質問がありました.前者については病気のことをご家族にも理解していただくことはとても大切なことなので,毎回でなくてもよいので一緒に入っていただくことが良いのでは,後者については主治医に伝えたいことを日頃メモに取っていただいて,それを持参することが良いのではとお伝えしました.その他,主治医とゆっくり話をするには診察予約の最後の順番にしていただくと良いとか,主治医にオフの症状を見ていただくことも時に大切であるというお話もありました.
3.リハビリテーションについて
ノルディックウォーキングとカラオケが良いという話になりました.ウィキペディアによるとノルディックウォーキングは2本のポール(ストック)を使って歩行運動を補助して,運動効果をより増強するフィットネスエクササイズの一種で,もとはクロスカントリーの選手が,夏の間の体力維持・強化トレーニングとして,ストックと靴で積雪のない山野を歩き回ったのがはじまりだそうです.背筋が伸びるし,オフの際にも歩きやすくなるなどの効用があるようです.リハビリ用のポールがあり,ポールの長さの調節が必要であること,肘が90°の角度になるようにすること,着地は踵からつくことなど実演もありました.またカラオケはパーキンソン病の症状のsmall voice(小声)にはとても有効だそうです.とくにAKBやラップなど(!)少し早口の歌も効果が高いとのこと.元気も出そうですしね.
トークショーの後に,腰痛とむずむず脚症候群についての講演とブレインバンクのご案内,そして個別医療相談をさせていただきました.和やかで終始笑顔が絶えない楽しい午後となりました.
最後にとても役に立つ本とホームページをご紹介します.
オン・オフのある暮らし―パーキンソン病をしなやかに生きる
今日のゲストのおひとかたを含む,若年性パーキンソン病の3人の素敵な女性たちがご自分の経験をもとに情報をまとめた本です.病気とのつきあいかた,暮らしの工夫,衣服の工夫,食べ物,書く話す,お出かけ・趣味,運動,薬,介護など情報満載で患者さん,家族,医療関係者にもオススメです.
明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ
患者さん,家族の情報スペース.充実しています.
ノルディックウォーキング(happyさんのブログです)
1.抗パーキンソン病薬の飲み方
興味深かったのは,内服のタイミングと食べ物の影響についてでした.内服のタイミングは「空腹時に内服すると早く吸収され早く効く一方,効果が切れるのは早い.逆に,食後に内服するとゆっくり吸収されて効き始めには時間がかかるが,効果は長くつづく」傾向があることはよく知られています.でも場合によってはその中間の食事中に内服するという方法もあること(なるほど,両方の中間になるということかな).
また薬との組み合わせで注意する食べ物として例に上がったのは,アボガドとバナナ.知らなかったので調べてみると,アボガドに含まれるビタミンB6(ピリドキシン)はL-DOPAの分解を促すそうで,たくさん食べ過ぎると効果が落ちることもあるようです(アボガドの食べ過ぎに注意).またL-DOPAは酸に溶けて吸収されるので,グレープフルーツやレモン,みかんなど柑橘類とかジュースと一緒に取るのは吸収を促しますが(季節,季節の柑橘類を探すのは楽しいとのこと),バナナやバナナジュースは相互作用のためL-DOPAの血中濃度を下げてしまい,症状を悪くしかねないようです.
2.主治医とのつきあいかた
診察室に入るのは一人が良いか家族と一緒が良いか,診察室で言いたいことをすべて言えずに残念に思うことがあるがどうしたら良いか,いうご質問がありました.前者については病気のことをご家族にも理解していただくことはとても大切なことなので,毎回でなくてもよいので一緒に入っていただくことが良いのでは,後者については主治医に伝えたいことを日頃メモに取っていただいて,それを持参することが良いのではとお伝えしました.その他,主治医とゆっくり話をするには診察予約の最後の順番にしていただくと良いとか,主治医にオフの症状を見ていただくことも時に大切であるというお話もありました.
3.リハビリテーションについて
ノルディックウォーキングとカラオケが良いという話になりました.ウィキペディアによるとノルディックウォーキングは2本のポール(ストック)を使って歩行運動を補助して,運動効果をより増強するフィットネスエクササイズの一種で,もとはクロスカントリーの選手が,夏の間の体力維持・強化トレーニングとして,ストックと靴で積雪のない山野を歩き回ったのがはじまりだそうです.背筋が伸びるし,オフの際にも歩きやすくなるなどの効用があるようです.リハビリ用のポールがあり,ポールの長さの調節が必要であること,肘が90°の角度になるようにすること,着地は踵からつくことなど実演もありました.またカラオケはパーキンソン病の症状のsmall voice(小声)にはとても有効だそうです.とくにAKBやラップなど(!)少し早口の歌も効果が高いとのこと.元気も出そうですしね.
トークショーの後に,腰痛とむずむず脚症候群についての講演とブレインバンクのご案内,そして個別医療相談をさせていただきました.和やかで終始笑顔が絶えない楽しい午後となりました.
最後にとても役に立つ本とホームページをご紹介します.
オン・オフのある暮らし―パーキンソン病をしなやかに生きる
今日のゲストのおひとかたを含む,若年性パーキンソン病の3人の素敵な女性たちがご自分の経験をもとに情報をまとめた本です.病気とのつきあいかた,暮らしの工夫,衣服の工夫,食べ物,書く話す,お出かけ・趣味,運動,薬,介護など情報満載で患者さん,家族,医療関係者にもオススメです.
明るく生きるパーキンソン病患者のホームページ
患者さん,家族の情報スペース.充実しています.
ノルディックウォーキング(happyさんのブログです)
リハビリではダンス系もいいと思います。
目下水泳に取り組んでいますが、水から出たあとヘロヘロになり、ここをクリアするのが課題です。
主治医には私はA4一枚に報告書を書いていってますが、相談の密度は高くなりますね。口では言いづらいお礼だの泣き言も書くと簡単に表現るのがいいですね。