光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

世界初300GHz帯でのビームフォーミングと高速データ伝送に成功 ~端末への超大容量データ瞬時転送の実現に向けた要素技術の確立~

2023年06月20日 | 新技術開発

 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と、国立大学法人 東京工業大学(東京都目黒区、学長:益 一哉、以下「東工大」)工学院 電気電子系の岡田健一教授らは、2030年代の6Gに向けて300GHz帯のフェーズドアレイ送信モジュールを開発し、ビームフォーミングを用いた300GHz帯高速無線データ伝送に世界で初めて成功しました。本技術により、移動する受信端末に向かって超大容量データを瞬時に転送できるようになります。
 本技術の詳細は2023年6月11日からアメリカ、サンディエゴで開催される国際会議IMS2023 (2023 IEEE MTT-S International Microwave Symposium)で発表しました。
 


今回、東工大では周波数変換回路や制御回路等を搭載した高集積なCMOS-ICを作製し、NTTではNTT独自のインジウム・リン系ヘテロ結合バイポーラトランジスタ(InP HBT)技術で高出力なパワーアンプ回路とアンテナを一体集積したInP-ICを開発しました。さらに前記CMOS-ICとInP-ICとを同一プリント基板上に小型実装した4素子フェーズドアレイ送信モジュールを実現しました。本送信モジュールは36度の指向性制御範囲と通信距離50cmにて最大30Gbpsのデータレートを達成し、300GHz帯において、ビームフォーミングを用いた高速無線データ伝送に世界で初めて成功しました。
 今回の成果は6Gのアプリケーションとして期待されているKIOSKモデルやFemtocell等の近距離移動体通信への展開が期待される技術です。本成果は1次元のビームフォーミングの実証でしたが、今後は2次元アレイ化よる2次元ビームフォーミングの実証やアレイ数を増やすことによる通信距離の拡張等に取り組みます。また利用用途に応じた受信モジュールの開発にも取り組み、従来よりも10倍以上の伝送容量を有する無線通信の実用化をめざします。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
NTTニュース 

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