光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

チップスケールレーザアイソレータがフォトニクスを変革

2023年03月28日 | 光デバイス

 スタンフォード大学の研究者は、よく知られた材料と製造工程を利用して、効果的、パッシブ、超薄レーザアイソレータを構築した。これは、フォトニクスに新たな研究の道を開くことになる。
 


ナノスケールアイソレータは、いくつかの理由で有望である。まず、このアイソレータは、「パッシブ」である。外部入力、複雑なエレクトロニクス、磁気は不要。これらは、今日まで、チップスケールレーザにおける進歩を阻んできた技術課題である。これら付加的メカニズムは、集積フォトニクスアプリケーションには大きすぎ、チップ上の他のコンポーネントに妥協を強いる電気的干渉の原因になりうる。もう1つの利点は、その新しいアイソレータが一般的な、よく知られた半導体ベース材料でできていることである。つまり、既存の半導体加工技術を使って製造でき、潜在的に量産への道を容易にしている。

その新しいアイソレータは、リングのような形状である。それは、SiN製、最も一般的に利用されている半導体、シリコンベースの材料である。強力な一次ビームがそのリングに入り、フォトンがリングを時計回りにスピンし始める。同時に後方反射ビームが、反対方向からリングに戻り、反時計回りにスピンする。

「われわれが送り込んだレーザパワーは何度も円運動するので、これによりリング内部で強くなる。この増加するパワーは、弱い方のビームを変える、一方、強い方は、影響を受けない。反射された光、反射光だけが効果的に打ち消される」と、共同筆頭著者、Geun Ho Ahnは、弱い方のビームの共振を止める現象を説明している。
次に、一次ビームは、リングから出る。所望の方向で「アイソレート」されている。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
LFWJニュース 
Stanford Univニュース 

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CWDM4波長「200Gbps(112Gbaud PAM4)EMLチップ」を開発

2023年03月12日 | 注目の光通信製品

 三菱電機株式会社は、次世代データセンター向け800Gbps、1.6Tbps光トランシーバー※1に搭載される光デバイスにおいて、従来の当社100Gbps製品と比べて2倍の高速動作を実現した「200Gbps(112Gbaud※2 PAM4※3)EML※4チップ」を開発しました。
本開発成果の詳細は、「Optical Fiber Communication Conference and Exhibition(OFC)2023」(2023年3月5日~3月9日、於:米国・サンディエゴ)で発表されました。
 


近年、動画配信サービスの普及や情報のクラウド化によるデータ通信量の爆発的増加を背景に、データセンター内でデータ通信経路を切り替えるスイッチを構成する光トランシーバーには、従来の400Gbpsから、800Gbpsや1.6Tbpsへの高速大容量化が求められています。
今回開発した「200Gbps EMLチップ」は、当社独自のハイブリッド導波路構造の採用により、200Gbpsの高速動作を実現しました。また、CWDM※5の4波長に対応した4つのチップの信号を合波させることで1本の光ファイバーで800Gbpsの通信、さらにはチップを8つに増やすことにより1.6Tbpsの通信が可能となり、データセンターの高速大容量化に貢献します。
(注)
※1
光トランシーバー:電気信号と光信号を相互に変換する電子部品
※2
baud:1秒間の変調回数を表す単位。112Gbaudの場合1秒間に1120億回変調する
※3
PAM4:4-level pulse-amplitude modulationの略。4値パルス振幅変調。従来の「0」と「1」から成る2値のビット列でなく、4値のパルス信号として伝送する方式
※4
Electro-absorption Modulator integrated Laser diode:電界吸収型光変調器を集積した半導体レーザーダイオ-ド
※5
Coarse Wavelength Division Multiplexing:光通信における波長多重化通信技術の一つで、20nm間隔の複数波長の信号を1本の光ファイバーで伝送する方式。今回は1271、1291、1311、1331nmの4波長を採用


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
三菱電機ニュース 

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「6G」光通信開発へ、NTTとKDDIが協力…「IOWN」基に

2023年03月03日 | 新政策

 NTTグループは2日、光通信技術「IOWN(アイオン)」の商用サービス開始を発表した。この技術を巡っては、KDDIとも、光を使った次世代の通信基盤の開発で協力する方針だ。両社は、NTTが力を入れるアイオンを基に、効率の良い通信インフラの開発を検討する。携帯電話の次世代規格「6G」に向けて技術の確立を目指す。
 


   KDDIは、海底通信ケーブルのような長距離通信に強みを持っている。両社が協力することで、アイオンの基盤技術を国際標準として確立し、実用化を急ぐ。NTTは、国内外のIT関連企業などが参加する国際団体「アイオングローバルフォーラム」を主導しており、KDDIも加わる。。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
読売新聞ニュース 

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NTT、3月26日にAPN IOWN1.0 の 提供開始

2023年03月03日 | 新サービス

東日本電信電話株式会社(以下、NTT 東日本)および西日本電信電話株式会社(以下、 NTT 西日本)は、 IOWN構想 ※1 の 実現 に向けた 初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を 専有 する オールフォトニクス・ネットワーク (All Photonics Network 、以下、 APN IOWN1.0 を 2023 年 3 月 16 日 (木) に提供開始いたします。また、 APN IOWN1.0 上での遅延の可視化と遅延調整機能を 備えた 端末装置 「 OTN Anywhere 」も販売開始いたします。
※1 IOWN Innovative Optical and Wireless Network )構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。 詳しくは以下ホームページをご覧ください。
■IOWN 構想とは?https://www.rd.ntt/iown/index.html
 


  昨今、IoT Internet of Things の広がりやサービスの多様化により、データに基づいた分析やアクションを行うデータドリブンの社会へと急速に変貌しつつあり、将来的に は データ容量・電力容量の大幅 な 増加や通信遅延などの課題に直面することが想定されます。
未来のデータ社会の 実現に向けて、 NTT グループではフォトニクス (光 ベースの技術を活用し、従来の エレクトロニクス(電子)ベースの 通信ネットワークと比較して 、 伝送容量 を 125 倍、 エンドエンド の 遅延 を 1/200 ※2 、電力効率 を 100 倍にする APN の実現を目標に さまざま な研究開発に取り組んでいます。 お客さま とともに新たなユースケース創出・価値の創造を図っていく観点から、 今回、 「高速・大容量」「低遅延・ゆらぎ ゼロ 」を実現する APN サービス の第一 弾 として、 NTT 東日本および NTT 西日本は APN IOWN1.0の提供を開始いたします。
※2 同一圏内で圧縮処理が不要となる映像トラヒックでの遅延
※3 APN に関する詳細は以下ホームページをご覧ください。
■オールフォトニクス・ネットワークとはなにか
  https://www.rd.ntt/iown/0002.html


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
NTTプレスリリース 

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