国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)は26日、8K非圧縮ライブ映像を複数回線を用いて多重送信することに世界で初めて成功したと発表した。大阪と「さっぽろ雪まつり」会場を繋ぐ国内回線や、シンガポール・香港・米国を結ぶ環太平洋マルチパスを使った実験を実施。多地点多経路の効率的配信の実現や、物理的回線断時も途切れることなく8Kライブ映像配信が行なえることを実証した。
今回の実験は神奈川工科大学の実験システムを中心に、産官学53組織と共同で実施した。IPネットワークを介して、ライブ映像をリアルタイムで遠隔地と送受信する場合、通信経路上の物理的な回線や機器でのデータ喪失が発生すると、映像の乱れや再生停止が発生する。これを避けるには、バックアップ経路への切替配信だけでなく、複数の通信経路から映像を同時送信する必要がある。8K非圧縮映像の場合はデータ量が非常に大きく、多地点に対して多重配信できる配信ネットワークの実現が必要となる。
国内の実験では、NICTのJGNと、国立情報学研究所(NII)が構築運用するネットワーク「SINET5」を用いて、大阪の拠点とさっぽろ雪まつり会場の間を結ぶ2つの100Gbps実験回線を構築。8Kカメラのライブ映像を送信拠点でパケット複製して2経路に多重送出した。
8K映像をシンガポール-日本間で途切れ無く多重ライブ配信成功。NICT実証実験 - AV Watch
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