まるぞう備忘録

無題のドキュメント

新卒候補生の君たちへ。その8。自分だけの道。

2016-10-17 09:41:39 | まるぞう経営学

 社会に出て皆さんに、プロの段取リストを目指して欲しいと願う理由は三つあります。



■社会がどんなに変動しても

 まず一つに、あなたが入社した会社や部署が30年先もある保証がありません。あるいは人工知能など目覚ましい技術革新により、いま花形である職業が今後もずっと花形である確率はずっと低いからです。
 社会は何十年というスパンで陰と陽を繰り返しますから、今栄えている企業や部署そして業種などは必ず落ち目になる。と覚悟した方が良いと思います。


 そんな中でも、プロの段取りの技術を身に付けたあなたは、「最悪を想定出来て準備段取りができるあなた」「相手の立場が想像出来て三手先まで読めるあなた」「謙虚に自分に示された予兆を感じ取ろうとするあなた」でありあすから、あなたを取り巻く社会がどのように変化しても、社会があなたを必要する人材になっているということです。



■自分の内側の価値観

 二つ目に、「段取リストへの道」とは表面上で現れる勝った負けたにとらわれない生き方であるということです。普通の私達の感覚ですと「それはあいつの責任か、それは自分の責任か」と責任の押し付け合いの買った負けたという勝負でエネルギーを浪費します。勿論不要な責任をかぶる必要はありませんし、きちんとスジを通すことは大切です。ただ私達の心の内側は、「本当にそのトラブルは避けられなかったか。自分がきちんと最悪を想定していたか。相手が無段取りであることを含め三手先を呼んでいたか。そのトラブルの予兆はどのように示されていたか。」このような内なる探求に注がれるべきなのであります。


 一時的には要領の良い人が手柄をかっさらっていくことも多いでしょう。しかしそんなことに心のエネルギーを浪費させるべきではありません。私達が見ているのは数十年先の自分の人生からの視点でありますから。
 自分が段取りの努力をどこまで惜しまずやっていたか。が重要であります。もし自分に後悔のない段取り仕事であって、かつ要領の良い誰かがが手柄を横取りしていくのなら熨斗(のし)を付けて差し上げれば良いのです。オモテの評価が得られなければならないほど、実は目に見えない「陰徳」を蓄積している。と私は思います。この「陰徳」こそが、十年単位であなたの周囲の環境がどんなに変化しても、あなたを守る「幸運の源泉」でろうと思います。



■冷静に距離を置く

 三つ目に、段取リストとしての生き方で最大の努力を行っている間は、企業からの距離も丁度バランスがとれるということも重要です。
 日本の場合、大企業であるほどその村社会に自分の人生を適用されることが求められます。自分の人生の価値観を、その大企業の村社会の価値観と同化させることを求められます。
 しかし自分の価値観が「プロの段取リストになること」であれば、「最悪を想定出来て準備段取りする視点」「相手の立場が想像出来て三手先まで読む視点」「謙虚に自分に示された予兆を感じ取ろうとする視点」であれば、自分自身の価値観のバランスを冷静に保つことができるのです。


 自分が「段取リストという自分の内側の価値観」で最善の努力をしているかどうかは、自分の心が知っています。だから自分自身を冷静に見ることができます。
 自分が入社した会社が、名のある大企業であっても、ああ、この会社はダメだな。自分の人間を壊すことになるだけだな。そのように客観的に会社と自分を観ることができるようになっています。
社会人として「プロの段取リスト」になるために、自分自身の道を究めることが大切であり、「社畜(会社の奴隷)」になることは、避けるべきことです。大企業のムラ社会に組み込まれると、自分の価値観を冷静に保つことが難しいです。しかし「プロの段取リスト」の道を進む限りは、会社の仕事を(相手が自分のことを評価するか否か、自分が貧乏クジを引いてしまうかどうか否かに関わらず)人の何倍もこなしながら、自分の人生の価値観を真ん中に保つことができる道なのです。


 「自分は最悪を想定できていたか」「相手の三手先を読めていたか」「謙虚に予兆を感じ取れていたか」だけが重要である道は、「誰かが要領の良い掠め取りをしてもびくともしません」「今の上司が自分の評価が不当に低くてもびくともしません」「突然あなたをリストラしますと言われてもびくともしません」。





 もう間違いばかりの傲慢な社会人生活を送ってきた私が、この社会に三十年生きてきて、ようやく辿り着いた答が、社会人の生き方は「プロの段取リスト」であるべき。ということでありました。このコメントが少しでもこれから社会に出るあなたたちの指針として役に立てば幸いです。



このシリーズおわり



 ありがとうございます。
本日は月の最近日で大潮ですね。




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