写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

胴吹き(どうぶき)

2017年04月26日 | 季節・自然・植物

 穀雨というのだろうか、昨夜より久しぶりに程よい小雨が降っている。朝食を済ませたあと、新聞を読む合い間に西側にあるデッキを見ると、ぽつぽつと小さな雨脚が立っている。南の出窓に目を移すと、今が盛りのハナミズキが薄紅色の苞を大きく広げている。

 3本の枝を支えている太い幹を見ると、長さが7、8cmの細い枝の先にたった一つ小ぶりの花をつけている。太い幹から直接花が咲きだしている。こんな咲き方を何というのだろうと思い調べてみると「胴吹き」と書いてある。

 根元からでている小枝を「ひこばえ」と呼ぶことは知っていたが、幹から出ているものを「胴吹き」と呼ぶことは知らなかった。上方の枝が弱ったり、根が弱ったりした時など緊急事態で芽吹き、木が若返りを図ろうとして出すもので、切り取っていかなければ本体が弱ってしまうという。

 そういえばこのハナミズキの樹齢は30年に近い。そろそろ弱ってくる頃かもしれないと思いながら眺めているとき、テレビからニュースが流れてきた。「今村復興相辞任へ」という。「震災 東北でよかった」などと、度重なる失言の責任を取って辞任するという。

 1党独裁的な安倍自民党も、弱体化した野党を相手にしているだけでは自らが弱体化してしまっている。そんな自民党では「胴吹き」のような、おかしな議員が出てくるのだろう。胴吹きならぬトカゲのしっぽ切をしている内に、本体が倒壊しないよう、しっかりしてほしいものである。

 それにしても、国会議員ともいうべき人、しかも選ばれて大臣にまでなった人が、こんなレベルの人だとは。とほほのニッポン、大丈夫か。