写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

勝率の移動平均

2018年04月30日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び

 今年も3月30日にプロ野球が始まった。カープは昨日(29日)で、早くも全試合数143試合の内の26試合を消化した。今年のカープは昨年と比べると、投手力がやや不安定の上、打撃力も波があるように感じている。

 その結果だろうか、この1か月間の戦績を見ると6連勝が2回もあった半面、4連敗と3連敗もあった。ここ数試合には鈴木誠也が1年ぶりに4番として戻ってきたが、入れ代わったかのように不動の3番・丸が故障で戦列を離れ、総合戦力的には不安が残っている。

 そうは言いながら、現在17勝9敗、勝率は0.654で2位に2.5ゲーム差を付けて首位を走っている。そんな戦績を眺めながら、カープの現時点の勢いをもう少し的確に見ることができないものかと考え、あることをやってみた。

 現在の勝率を見るだけでなく、直近10試合の勝率の平均値を日々出してみると、チームの今の勢いがより分かるのではないかと思い計算してみた。いわゆる「移動平均」という手法である。

 これは、統計の手法の一つで、一定期間の間隔を定め、その間隔内の平均値を連続して計算することによって趨勢的な動向を知ろうとするもので、変動の激しい株価や季節的な変動のみられるデパートの売上高の動きなどをみるのによく利用されるものである。

 計算の結果をグラフにしてみた。青で表示した勝率は過去全ての試合の勝率の推移であり、赤で表示したものが直前10試合の勝率の移動平均である。これを見ると現在の勝率は、過去最低値の0.600から徐々に上向いてきて、0.623にまで安定的に上がってきている。

 この勝率のままで行けば今年は90勝53敗で、見事セ・リーグ3連覇を果たすことになるが、果たして私の余りにも早すぎるペナントレースの予想は、これ如何に。乞うご期待である。


岩国地域農業入門塾 合格

2018年04月29日 | 生活・ニュース

 夕方の散歩から帰ってき、ポストを開けると2通の封筒が入っていた。私と奥さんへJAからのものである。何が入っているかは開封する前から分かっていた。3月末に、2人で申し込んでいた「岩国地域農業入門塾」への選考結果の通知である。

 「あなたを厳正なる選考の結果、合格と決定しましたので、お知らせいたします」と書いてある。奥さんにも同じ文面での合格通知であった。この年になって、厳正なる選考をしていただいた上での合格とは、面映ゆいやら嬉しいやらである。

 早速、5月19日に、第1回の講座が開講される。10時から16時まで、弁当持参での受講である。講座名は「岩国市管内における農業の概要について」と「農業基礎知識について」に加えて「FAM’Sキッチンいわくにの視察」と「夏野菜の管理、苗の植え付け実習」もある。

 当日は筆記用具のほか、長靴・軍手・帽子・タオルも持ってくるようにと書いてある。15年前から、奥さんが菜園で農業のまねごとをしているのは見てきたが、きちんと基礎から農業を学ぶのは2人とも生まれて初めてであり、今から楽しみにしている。

 来年の2月まで計10回の講座が用意されている。それを終了した時には、いっぱしの農業マンとなることができるだろうか。塾の目標は「販売できる作物の生産」と書いてあるが果たして…… 

 


ハニー ディスペンサー

2018年04月27日 | 食事・食べ物・飲み物

 先日、乗っている車のエアバッグがリコールにかかっている旨のメールがディーラーから届いていた。必要な部品が揃い改修してくれるという日、約束していた午後1時に間に合うよう広島に出かけた。

 お昼は、ディーラーの近くにある、おいしいと評判のピザ専門店に行くつもりで家を出た。11時半に「PIZZA & BAL REGALO」(ピッツア&バルレガーロ)と書いた店に着いた。十日市の電停のすぐ目の前にあり、道路に面した厨房の窓から、若い主人の顔が見える粋な外観の店構えであった。

 店頭には「準備中 12時OPEN」と看板が出ている。窓の前に立ち、店主に「まだですね」というと「すみません、もう10分待ってください」という。その辺りを少し散歩してみた後の11時40分に再び店の前に戻ると、主人が笑顔で招き入れてくれる。

 前菜とソフトドリンクのついたランチセットを注文した。奥さんはトマトソース味のピッツアを、私は4種のチーズを乗せたものを注文した。ウエイトレスが焼きあがったものをテーブルの上に置いたとき「チーズピッツアにこの蜂蜜をかける時には、受け皿が外れるようになっていますので注意して下さい」と言い、面白い形のガラス容器に入った蜂蜜を置いていった。

 蜂蜜の入ったガラス容器の持ち手を握って受け皿から持ち上げ、親指でレバーを押すと容器の底の穴から蜂蜜が流れ落ちるようになっている。好みの量をピザに掛けた後レバーを離すと、切れよく蜂蜜の流下は止まる。その後、容器は受け皿に戻せば一連の作業は終わるというものであった。

 我が家にも蜂蜜は奥さんの好物でよく使っている。広口のビンや、プラスチックの容器に入っているので、使うときにはスプーンですくったり、容器を逆さまにするなどしているが、今一つ使い勝手は悪い。

 店で見たものをネットで検索してみると「honey dispenser」(ハニーディスペンサー)というものであった。ディスペンサーとは、液状のものを適量だけ取り出せる入れ物・装置のことだという。形と機能が面白く、早速アマゾンで注文した。

 数日後、これを使ってトーストの上に適量の蜂蜜を垂らしてみた。思った通りの使い方ができ、いつものトーストなのに、パリの高級ホテルのブレックファーストのように感じられるお洒落な朝であった。

 


団地サイズ?

2018年04月26日 | 季節・自然・植物

 ここしばらくは、昼間に肉体労働をしていたため、夕方の散歩をすることなく過ごしていたが、久しぶりにいつものコースで出かけてみた。いつの間にか新築の家が3軒も建っていて、若い家族が嬉しそうに庭に出ている。

 そんな景色を眺めながらの帰り道、マンションが見えるところに出た。2階のベランダに、隣同士が非常に対照的な鯉のぼりを掲げているのが目に入った。

 そういえば早くも4月は終わり、5月5日の端午の節句は目の前で、今はまさに鯉のぼりの季節である。外に出歩くことが少なくなっていて、そんな季節の巡りに鈍感になっていた。思わず「♪やねより たかい こいのぼり~♪」と口ずさんでみた。

 15年前、初孫の男の子が生まれた時、息子家族はマンション住まいであったため、大きな鯉のぼりではなく、兜のセットを贈ったことを思い出した。今の時代、若い夫婦はマンション住まいが多く、昔のように一戸建ての家の庭に背の高い竹竿を立てて、鯉のぼりを泳がせるというようなことは目にしなくなっている。

 たとえ鯉のぼりを贈るにしても、「団地サイズ」とか「ベランダサイズ」とも言われるごくごく小型のものを贈ることが多い。そんな「常識」を持って歩いていた時、何と、マンションに飾るにしては、どでかい鯉のぼりに出会った。

 幅が6mもあろうベランダの手すりに真っ赤な鯉のぼりが、うまい具合に張り付けてある。逆にその隣の家のベランダには、これまたかわいい小型の鯉のぼりがベランダの隅っこに立てられていて、面白い対比を見せている。

 どでかい鯉のぼりをベランダに張り付けたお父さん、どんな発想でこんなことをしたのか。マンションには「ベランダサイズ」という概念を一掃したお父さんに思わず「お見事」と叫んでいた。

 
 

 


天地無用

2018年04月19日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 17日に、小学6年と中学3年を対象とした今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が、全国の国公私立の小中学校約3万校で実施された。翌日の新聞に、その問題が掲載されていたので、どんなものが出されたのか興味を持って読んでみた。

 その中で、中学3年の国語の問題で、面白いエッセイが掲載され、その読解力を試すものがあった、そのエッセイは私にとって、初めて認識する内容のものであった。

 宅配便の段ボール箱などに書かれている「天地無用」という言葉の意味を世論調査したところ、正確に理解している人の割合は55.5%で、間違って理解している人が29.2%もいたが、間違えているわけを分析したエッセイであった。

 このエッセイを読んで、恥ずかしながら、私は間違えて理解している内の1人であることを初めて知った。正解は「荷物の上下を逆にしてはいけない」ということである。ところが多くの人が「上下を気にしないでよい」と誤解していると書いている。

 「天地無用」という言葉は、もともとは運送業者の業界用語で、「天地入替無用」「天地転倒無用」のように、上下を入れ替えることを意味する語が添えられていたはずだが、四字熟語の形をとるために「入替」や「転倒」の語を落としてしまったことに由来するものと考えられる。

 「天地無用」の四字は、そのまま読めば「天地が無用」、「無用」とは、「いらない」こと、つまり「天地はいらない=上下は気にしなくていい」という意味にも読める。そのため、近年では公的機関においては「天地無用」の使用を抑制する動きが見られるようである。

 かつては郵便局で「天地無用」と記載された赤地に白字のシールを取り扱っていたが、現在は廃止されており、「この面を上に 逆さま厳禁 ↑↑ ゆうパック JP 日本郵便」と記載されたシールを採用しているという。

 このエッセイを読んで「天地無用」の正しい意味を知ったが、私の間違った意味の取り方も、あながち間違いだとも言えないような気がしてならない。だって「天下無敵」っていう言葉もあるじゃあないか。こりゃあ、関係ないか、いや失礼。