終末期に入った帯状疱疹ではあるが、まだ少しわき腹あたりに鈍痛を感じる。薬が切れたので今津にある病院へ行った。
その帰り、交差点で信号待ちしていたら、「チチチチッ」と複数の賑やかな叫び声が頭の上から聞こえてきた。
角の肉屋に張り出した赤いテントがある。その中にツバメの巣があり、親が持って帰った餌に向かって、5羽の子供が大きな黄色いくちばしを競うように開けている。
信号は青に変わったが、しばらくこれを観察してみることにした。親は早いときで30秒、遅いときには2~3分ごとに餌を持って帰ってくる。
その都度、5羽の子供たちは大きな声を出して自分の口をアピールしている。どんな順番で餌をもらっているのだろうかと気になった。
親がいない間、4羽は黄色のくちばしをきりりと結んで、巣の中でおとなしく外を向いて座って待っている。
問題は左端に陣取った1羽である。巣の上端に脚を乗せて立っていて、しかも皆とは逆に壁のほうを向いていた。
まだ平衡感覚も未発達なのだろう、何度も後ろ向きで落ちそうになり羽をばたばたとやって、やっともとの状態に戻るということを繰り返している。
自分に自信があるのか、はたまた単に危なっかしいことが好きな腕白坊主なのか。それを見ている親は、注意など何もしない。
親はどう見ても忙しすぎる。持ち帰った餌は羽を休めることなく、空中飛翔のまま又餌探しに飛んでいく。これでは教育をする間もなかろう。
大体、巣の大きさも5羽を育てるには狭すぎる。人の世の少子化の現状から見るとうらやましくも見えるが、ちょっと計画性に欠けてはいないか。
しばらく口をあけて5羽の様子を見ていた。丼を半分にしたような巣から落ちるでもなく、彼らは近いうちに元気で羽ばたいていくのだろう。
親ツバメの献身的な子育て風景を見ていたら、何十年前の我が家の子育てを思い出した。そう云えば、あの子達は今どこを飛んでいるのだろう。巣立った後、音信は不通だが……。
その帰り、交差点で信号待ちしていたら、「チチチチッ」と複数の賑やかな叫び声が頭の上から聞こえてきた。
角の肉屋に張り出した赤いテントがある。その中にツバメの巣があり、親が持って帰った餌に向かって、5羽の子供が大きな黄色いくちばしを競うように開けている。
信号は青に変わったが、しばらくこれを観察してみることにした。親は早いときで30秒、遅いときには2~3分ごとに餌を持って帰ってくる。
その都度、5羽の子供たちは大きな声を出して自分の口をアピールしている。どんな順番で餌をもらっているのだろうかと気になった。
親がいない間、4羽は黄色のくちばしをきりりと結んで、巣の中でおとなしく外を向いて座って待っている。
問題は左端に陣取った1羽である。巣の上端に脚を乗せて立っていて、しかも皆とは逆に壁のほうを向いていた。
まだ平衡感覚も未発達なのだろう、何度も後ろ向きで落ちそうになり羽をばたばたとやって、やっともとの状態に戻るということを繰り返している。
自分に自信があるのか、はたまた単に危なっかしいことが好きな腕白坊主なのか。それを見ている親は、注意など何もしない。
親はどう見ても忙しすぎる。持ち帰った餌は羽を休めることなく、空中飛翔のまま又餌探しに飛んでいく。これでは教育をする間もなかろう。
大体、巣の大きさも5羽を育てるには狭すぎる。人の世の少子化の現状から見るとうらやましくも見えるが、ちょっと計画性に欠けてはいないか。
しばらく口をあけて5羽の様子を見ていた。丼を半分にしたような巣から落ちるでもなく、彼らは近いうちに元気で羽ばたいていくのだろう。
親ツバメの献身的な子育て風景を見ていたら、何十年前の我が家の子育てを思い出した。そう云えば、あの子達は今どこを飛んでいるのだろう。巣立った後、音信は不通だが……。