写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

生活の知恵

2019年08月28日 | 生活・ニュース

 身近な「生活の知恵」を紹介する番組をテレビでやっていた。その知恵の一つを見た時、早速試してみたくなるものがあった。網戸に関しての知恵である。

 我が家では、南に面して窓のあるリビングルームを客室として使っている。お客さんを迎えた時には、応接セットの南に向けた椅子に座ってもらい、狭い庭を眺めながらお話をすることにしている。

 ところが、サッシの引き違い戸の窓の半分には、ステンレスの網戸を取り付けている。明るい日中に、部屋の中から網戸のある窓越しに見る景色は、光が乱反射するため曇りガラスを通して見ているように白く薄く見える。

 30年前に家を建てた時、建築士さんの言うとおりに、何のためらいもなく「丈夫で長持ちのするステンレス網戸」にしたが、外の景色が薄く見えるとは思っていなかった。特に不便に感じるようなことはなかったが、お客さんにとっては愉快なことではなかったに違いない。

 そんな中、網戸に関しての「生活の知恵」である。ステンレス製や薄い色をしたプラスチック製の網戸の内側を黒色のスプレーで吹き付け塗装をする。すると光の乱反射を防ぐことが出来て、部屋の中から外の景色がはっきりと見えるようになる、という知恵を授かった。

 知ったとなると行動に移すのが早いのが取り柄の私は、直ぐに網戸を外して外に出た。買い置いている「ツヤ消しの黒」のスプレー缶を持ち出して網戸の内側の一面に吹きつけた。乾くのは早い。早速窓にはめ、応接セットのお客さん用の椅子に座って外を眺めてみた。

 何ということでしょう! それまで霞んだように見えていた景色が、あたかも網戸をはめていないようにくっきり、はっきりと見えるではないか。いい生活の知恵を教えてもらった。しかし、ひとつ反省することがある。それまでも問題意識はあったものの、何故そうなのかを全く考えようとしなかった自分がいる。

 これが試験の問題で出されたら、考えて正解を出していたかもしれない。問題を問題としてとらえていなかった私であった。反省。
(写真左側が対策済の網戸を取り付けた窓) 


「岩国エッセイサロンHP」蘇る

2019年08月27日 | パソコン

 6月の末、突然「岩国エッセイサロン」のホームページ(HP)の更新が出来なくなった。こんなことは今までも時々あった。更新できなくなる理由は、はっきりしている。一昨年、パソコンが壊れたのでwindws10のものに買い替えた。インストールしていたHPのソフトが「HPビルダー12」という古いバージョンのもので、windows8までのものにしか適応してくれないからである。

 それでも、少しばかりの問題はあるものの、何とか機能させることが出来ていたが、ここ3カ月間はそれさえもままならず、全く反応してくれなくなっていた。HPソフトのメーカーによると、windows10であればバージョンアップされた「HPビルダー21」というものをインストールしなければ機能しないという。

 1万5千円出してそれを買えば解決することは分かっているが、だましだましで使っていた。ところが今日のことである。何とか「HPビルダー12」が使えるようになる手段はないものかとネットで調べていると、そんなことが出来るソフトを見つけることが出来た。

 早速ダウンロードして使ってみるが、やはりだめであったが、改めて「HPビルダー12」を再インストールしてみた。何ということか、3か月間、何の応答もなかった「岩国エッセイサロン」のHPが、サクサクと動き始めたではないか。データの更新をやってみると、以前のようにちゃんと出来る。

 嬉しくなって、現時点でのデータの更新を全て終えることが出来た。果たして、今まで通り「何かの拍子」でうまくいったのか、それとも「見つけたソフト」のお陰なのか。はたまた、再インストールをしたせいか。

 何はともあれ、しばらく放っておいたHPの更新ができ、気持ちの良い一日となった。それにしても、パソコンというものは、あやしたり、すかしたりしながらでないと使えない、どこかの誰かさんのように気まぐれな存在である。


煽り運転本質対策

2019年08月26日 | 生活・ニュース

 先日、前後2カメラのドライブレコーダー(ドラレコ)を、バックモニタとして使う積もりでネットで購入し、簡単な配線なのですべて自分で取り付けた。海外品であるためか、取扱説明書が簡単すぎて、細かなところは書かれていない。タッチパネルをいろいろ押して、実機で取り扱い方法を目下習得しつつある。

 折角取り付けたドラレコである。本来の使い方である煽り運転の対策としても使いたいと思った。そうであれば、自分の車にドラレコを装備していることを後続車にはっきりとわかるようにしておかなければ意味がない。リアガラスにドラレコを装備している車であることが分かるステッカーを貼り付けることにした。

 ネットショッピングで調べてみると、500円から1000円くらいで、いろいろなデザインのものが販売されているが、表示されている注意喚起の言葉もいろいろである。
 
「ドライブレコーダー 録画中」「後方 録画中」「カメラ 録画中」「ドライブレコーダー 作動中」「煽ってくるんじゃねえよ!」などあるが、「録画中」とか「作動中」では、後続の車が何か悪いことをしないかと監視しているような印象を与える。カメラのイラストの周りに「REC. DRIVE RECORDER」と英語で書かれていて、監視している感の弱いものを選んで買った。
 
 リアガラスの右下に遠慮がちに貼って眺めてみると、後方からもよく認識できる。こんなステッカーを貼ることで煽り運転の防止になることが期待できるが、相手の立場に立った優しい運転をすることが本質対策であることは言うまでもない。


無人店舗化

2019年08月24日 | 生活・ニュース

 コンビニエンス ストアで売り場に店員を置かず、客が自分で会計をする「無人店舗」への取り組みが広がっている。ローソンが横浜市内で実証実験を開始したという。24時間営業での深刻な人手不足の解消が狙いである。

 無人店舗といえば、田舎を車で走っているときなどに、道端の小屋の前にその地域で収穫したばかりの野菜が、一束100円で置いてある無人の販売所がある。買った人は、置いてある缶や箱の中に代金を入れるという、全く客を信用してのシステムである。

 ところがコンビニエンス ストアであれば、不特定多数の客に対して性善説を信じてばかりはおられない。店員1人が売り場の裏側で30台もの防犯カメラの監視をする。客は事前に登録したスマホアプリなどのQRコードを入り口の読み取り機にかざすか、入り口のカメラで顔写真を撮影すれば入店できる。

 買い物をしたあと、セルフレジで自ら商品のバーコードを読みこませ、電子マネーで会計を済ませるという、随分とややこしい作業をしなければいけない。無人の時間中は、年齢確認が必用な酒やたばこの販売は行わないというから、未成年者が購入する恐れはない。

 さて、実証実験でうまくいったとき、全店舗がやがては日中でも無人店舗になったとしよう。スマホ世代の若者は何の躊躇もなく、アプリを駆使したり、QRコードをかざしたり、セルフレジでバーコード読みこませたり、電子マネーで払ったりできるだろう。問題は、スマホを使えない高齢者層である。 

 支払いは現金、小さな文字が読めないのでセルフレジは使えない。さてどうするか。昭和の時代にあったような、何でも置いてある町の小売店に駆け込み、対面販売の得意なおばちゃんやおじちゃんと、世間話などしながらの買い物に戻るかもしれない。

 こうなれば再び、さびれている小さな町の「銀座通り」が、再び活性化したりしないだろうか。世の中、進化すれば全てがうまくいくわけではなかろう。人手不足の反動をうまくとらえれば、小さな個人商店の良さが再び脚光を浴びて見直される。

 人手不足といっても、若い人手が不足しているだけで、小さな店先で、日がな一日、店番が出来るあごの元気なお年寄りはまだまだたくさんいますから。「進む無人店舗実験」という大きな見出しの新聞記事を読みながら、反スマホ世代の男はこんな夢を見ている。


惣郷川(そうごうがわ)鉄橋

2019年08月22日 | 旅・スポット・行事

 大型と言われていた台風も無事に通過したと思うと、早くも秋雨前線が停滞し、ぐずついた天気が続いた。そんな中、晴れ間がのぞいた日、山陰の須佐に車で出かけてみた。

 須佐は、萩と島根県の益田との中間に位置し、岩国から125㎞のところにある港町である。剣先イカの水揚げが盛んで「須佐男命イカ(すさみこといか)」というブランドで、活きた剣先イカで「イカのまち須佐」と称し最近盛り上がりをみせている。

 同じ山口県にいながら、須佐には今まで一度も出かけたことはなかった。先日、BS放送でJRの周遊型寝台列車「トワイライト瑞風」を紹介しているのを見た。その時、列車がまるでヨーロッパの景色の中を走っているかのような絶景を見た。そこは須佐湾に注ぐ惣郷川の河口に架かっている惣郷川鉄橋である。

 高さ12m、全長189m、 1932年(昭和7年)に完成した。海岸に沿って架けられていて、波浪による浸食や潮風による腐食を避けるため、鋼橋ではなく鉄筋コンクリート・ラーメン構造の堅牢作りとなっているのが特徴である。海からの景色も、また橋からの景色も美しいことから、撮影ポイントとして鉄道ファンからの人気は高く、土木学会選奨土木遺産を受賞していることを知った。

 そんな景色が見たくなり、初めて須佐に出かけてみた。休み休み走って3時間後に到着する。ちょうどお昼時で、ブランドの剣先イカの活き造り定食にあずかった。厚みがある上、ねっとりしており、さすがのブランドイカに満足の舌鼓を打つ。 

 一休みした後、目当ての惣郷川鉄橋に向かった。日本海の波打ち際に向かって滑らかな凹型の曲線を描く優れたデザインの高架橋で、海に沈む夕日を背に走る列車の姿は、巨匠が描く風景画のような感動的な美しさだというが、あいにくの昼間である。

 何度もシャッターを切っているとき、若い女性が大きなカメラを抱えてやって来た。主要道路から外れた海辺の小道に、この橋を目指して写真を撮りに来る人が私以外にもう1人いた。あいにく列車が通りかかるチャンスには巡り合えなかったものの、思った通りの絶景をデジカメに収めて帰ってきた。