身近な「生活の知恵」を紹介する番組をテレビでやっていた。その知恵の一つを見た時、早速試してみたくなるものがあった。網戸に関しての知恵である。
我が家では、南に面して窓のあるリビングルームを客室として使っている。お客さんを迎えた時には、応接セットの南に向けた椅子に座ってもらい、狭い庭を眺めながらお話をすることにしている。
ところが、サッシの引き違い戸の窓の半分には、ステンレスの網戸を取り付けている。明るい日中に、部屋の中から網戸のある窓越しに見る景色は、光が乱反射するため曇りガラスを通して見ているように白く薄く見える。
30年前に家を建てた時、建築士さんの言うとおりに、何のためらいもなく「丈夫で長持ちのするステンレス網戸」にしたが、外の景色が薄く見えるとは思っていなかった。特に不便に感じるようなことはなかったが、お客さんにとっては愉快なことではなかったに違いない。
そんな中、網戸に関しての「生活の知恵」である。ステンレス製や薄い色をしたプラスチック製の網戸の内側を黒色のスプレーで吹き付け塗装をする。すると光の乱反射を防ぐことが出来て、部屋の中から外の景色がはっきりと見えるようになる、という知恵を授かった。
知ったとなると行動に移すのが早いのが取り柄の私は、直ぐに網戸を外して外に出た。買い置いている「ツヤ消しの黒」のスプレー缶を持ち出して網戸の内側の一面に吹きつけた。乾くのは早い。早速窓にはめ、応接セットのお客さん用の椅子に座って外を眺めてみた。
何ということでしょう! それまで霞んだように見えていた景色が、あたかも網戸をはめていないようにくっきり、はっきりと見えるではないか。いい生活の知恵を教えてもらった。しかし、ひとつ反省することがある。それまでも問題意識はあったものの、何故そうなのかを全く考えようとしなかった自分がいる。
これが試験の問題で出されたら、考えて正解を出していたかもしれない。問題を問題としてとらえていなかった私であった。反省。
(写真左側が対策済の網戸を取り付けた窓)