写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

スマート ブレスレット

2018年12月29日 | 生活・ニュース

 猫も杓子も「スマートフォン」を持っているこのごろ、「スマートウオッチ」といって、スマートフォンのような情報機器の機能を内蔵した腕時計があるのは知っているが、スマートフォンでこと足りているので欲しいと思うようなことはなかった。
 
 ところが最近「スマート ブレスレット」といい、まさに手首に飾るブレスレットのような感覚の新しい端末機器が注目され始めていることを知った。スマートフォンと連携して、電話の着信を受信したり、電子メールやツイッターなどのメッセージを表示したり、脈拍や血圧や歩数や消費カロリーなどの身体活動情報を表示・収集してスマートフォンに送り、健康管理に役立てるというような機能を持ったものである。

 腕時計としての機能はもちろんあるが、歩数や歩行時間などの運動データの記録だけでなく、血圧、心拍数、睡眠時間などの健康管理の計測機能が搭載されていることに興味を持った。スマホのアプリを使うと、週別と月別のデータを見ながら、任意の1日の詳細データも素早く確認できて、健康管理に使える。

 中でも、いつでもボタンを押せば血圧が測定できることに注目した。現在血圧が高いというわけではないが、高齢ともなると血圧管理は日ごろから大切なことだと思うからである。血液中のヘモグロビンは緑の光を吸収する特性があるので、光を当てると血液量に応じて反射光が増減する。それを計算して血圧が割り出される。測定原理として公認されてはいないが、1割程度の誤差で測定できるという。

 測定した絶対値に信頼がおけるかどうかというよりは、血圧が上下する傾向管理に使えば価値があると思ったので、Amazonnで買い求めてみた。価格は3,999円。スポーティなプラスチックバンドの腕時計を買ったと思えばいいくらいのものである。果たしてその実力はいかが? 正月の遊び道具が一つ増えた。


 


エッセイ集 自費出版

2018年12月28日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 エッセイサロンの仲間である山下治子さんがエッセイ集「おしめ干したる」を、本日初出版されました。山下さんとの出会いは11年前の2007年のことでした。その前年に新聞にエッセイを投稿することを趣味とする「岩国エッセイサロン」という同好会を創設して、10数名の仲間とエッセイの創作活動をしていました。

 会員を増やしたいと思い、新聞に投稿している人を探しているとき、山下さんの名前を見つけました。早速入会を誘ったものの、仕事をしておられた都合で直ぐには入会することができず、翌年になって入会していただくことができました。

 以来10年間、共に活動をしてきました。山下さんは、当初から頭角を現し、たびたび毎日新聞の読者投稿の「はがき随筆」という欄で入選を重ね、県内では名だたるエッセイストと認められる迄になりました。

 山下さんのエッセイは、持ち前の天真爛漫なところから、元気で明るく、ウイットに富んだ軽妙なものが多く、ご主人や3人の息子さんとのキレのいい会話が小気味よい作品が目立ちます。

 題材の捉え方にも鋭い視点が垣間見えます。その結果、何度も入選を果たされましたが、2017年のはがき随筆「老いてゴッコ」は見事、毎日新聞西部本社の年間大賞に選ばれました。

 今年、古希を迎えられたことを機に、この11年間に新聞に投稿掲載されたエッセイ74編を、B6版・110ページの1冊の本にまとめて初出版をされました。山下さんの人生にとっても記念すべき素晴らしい出来事だと思います。

 ぜひ、多くの人に手に取って読んでいただきたいものです。心がほっこりとするまさに珠玉のエッセイ集だと思います。この出版を機に更に研鑽努力され、心温まる楽しいエッセイを書き続けていただくことをこれからも大いに期待しています。初出版、本当におめでとうございます。


丸亀城

2018年12月26日 | 旅・スポット・行事

 松山城を見た翌日、松山から東へ150㎞の所にある香川県の丸亀城に向かった。丸亀市の南部に位置する標高66mの亀山の山頂に、1660年に築かれた3層3階の日本一小さな木造天守である。現在はその天守しか残されていない。

 車を止めて大手門を入るとすぐに、城に上る急な坂道の登り口に「見返り坂」と書いた看板が立っている。まずは勾配が15度くらい、距離は100mくらいの坂を上る。息が弾んできたころ道は大きく右に曲がり、今度は勾配が20度くらいの急な坂がまた100mくらい続いている。あまりにも急なため後ろを振り返ってしまうことから「見返り坂」と呼ばれるようになったという。

 城に参上することを登城というが、まさに山登り状態の道を上っていく。初志貫徹。ひたすら登っていったと思ったら、もう100mばかり、少し緩い勾配の坂の先に小さな天守閣が建っている。ふもとで出会った年配の女性に登り口を尋ねた時、私の足元を見ながら「坂が結構急ですよ」と言われた意味がよく理解できた。

 丸亀城は、高さ日本一の石垣を有する「石垣の城」と形容されるその名のとおり、石垣の名城として全国的に有名である。石垣の頂は、垂直になるよう独特の反りを持たせる「扇の勾配」と呼ばれている。山麓から山頂まで4重に重ねられ、合わせると高さは60メートルになり、総高としては日本一高く、一番高い部分は22メートルもあるという。

 天守閣のある広場からは、讃岐富士と呼ばれて親しまれている標高421mの飯野山が望まれる。まさに遠くに見える富士山のように見える。山を下りた後、ふもとの観光協会の中で「丸亀うちわ」を実演製作していた。旅の記念に1本買い、登坂で火照った身体をそのうちわで冷やしながら帰ってきた。急な坂が印象に残る城である。



 


人生論

2018年12月25日 | 生活・ニュース

 「青空が2割見えれば晴れです」と 人生語るごと 予報士は (東京 吉村享子)

 毎日新聞の「毎日歌壇」に掲載してあるこの短歌を読んだ。以前、テレビの気象予報士が「天気は目視で観測しています。 天気の晴れの定義は、空に広がっている雲の量を目視で判断して、全天の8割以下が晴れ、9割以上は曇り、1割以下は快晴です」と言っていたことを思い出した。

 雲の量が多いか少ないかで晴れか曇りかを決めると聞きながら、人生を語ったかのように感じるとは、詠み人は何と感性が豊かな人だろう。この句を読んだ後、私の人生は、果たしてどんな天気のようだったのだろうかと振り返ってみた。

 学校を卒業して就職をしてからというもの、高度成長の波に乗ってリストラされることもなく、一つの会社で勤め上げた。定年後といえば、浦島太郎のように久しぶりに故郷に帰り、自分の好きなように生きて今がある。

 体に関してはちょっとした持病はあるものの、今日か明日かというほどの切迫したものはない。奥さんも色々あったが今は2人して、まあ元気にしていると言える範疇で生きている。

 年金暮らしではあるが、質素にしていれば食べるに困ることもなく、ユニクロに行けば着るに困るようなこともない生活である。欲をいえばきりがなかろうが、こうしてみると私の人生は、いつも快晴だったとは言えず、雨の日も曇天の日もあったが、なべて見れば雲が5割くらいで、時に陽が差してくるくらいの「晴れ」だったろうかと自己評価してみる。

 そんなこんなの1年がまた終わる。今年も「よきことも 憂きこともあって 年の暮れ」である。大掃除を終えた時、「おーい、コーヒーでも飲もうか」と言ってみた。

      カフェオーレ 妻と向かいて 年惜しむ   (茅野友)

 

 
 


松山城

2018年12月24日 | 旅・スポット・行事

 日本の城は、かつては2万5000以上もあったが、江戸時代の「一国一城令」、明治時代の「廃城令」により多くの城が失われ、さらに戦時中には、空襲などでも失なわれてしまい、江戸時代以前からの天守が現存しているのは次の12天守だけである
 
 まずは国宝に指定されている
姫路城・彦根城、犬山城・松本城・松江城の5城、その他は、高知城・宇和島城、備中松山城・松山城・弘前城・丸亀城、丸岡城の7城である。これら12天守のうち、国宝5城は全て観たことはあるが、入城したことがあるのは姫路城と松江城だけである。

 この度、12天守のうち、近くにあるのによく知らない松山城と丸亀城を見たく思い、久しぶりにフエリーに乗って四国に渡ってみた。まずは松山城へ向かった。町の真ん中にある海抜132mの勝山山頂に1627年に完成したものである。

 何度かの火災で天守は消失し、現在の天守は1854年復興したもので、我が国最後の完全な城郭建築といわれている。山頂まではロープウエイで登ったが、まずは目の前にそびえるように築かれた有名な「登り石垣」に圧倒される。

 「登り石垣」とは、山腹から侵入しようとする敵を阻止する目的のため、ふもとの館と山頂の天守を、山の斜面を登る2本の石垣で連結させたもので、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、日本遠征軍が
城を築く際に採った防備手法と言われているものである。

 年末すす払いのため、残念ながら城内に立ち入ることはできなかったが、天守の他、小天守や櫓など21棟の重要文化財が残る見ごたえのある城郭建築を堪能した。機会を作って次回は、やはり現存12天守である宇和島城・高知城を見に行くついでに、松山城の内部を観てみたいと思っている。