仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ボクたちの交換日記

2017年02月06日 | ムービー
『ボクたちの交換日記』(2013年/内村光良監督)を見た。
物語は、「お笑いコンビ"房総スイマーズ"の田中洋平(伊藤淳史)と甲本孝志(小出恵介)は高校の同級生。30歳が目前だったがまったく売れる気配はなく、事務所の中山社長(佐藤二朗)はAV女優桃乃つぐみ(谷澤恵里香)のマネージメントを始め、そろそろ見切りをつけられそうな気配だ。甲本は"もう後がない。本音をぶつけ合って何とかしよう"と、田中に交換日記を提案するのだが・・・」という内容。
2人が所属しているのは"ビッグチャンス"という名前の事務所だが、事務所内のホワイトボードを見る限りにおいては、スケジュールはほとんど埋まっていないようで、どの所属タレントにもチャンスはあまり与えられていないようだ。
(^_^;)
2人の性格と暮らしは正反対のようで、新谷久美(長澤まさみ)と同棲しながらも合コンに忙しい甲本に対し、田中は"ケチ"と評判がたつほどに後輩芸人との付き合いも悪く、バイト先TSUTAYAの飲み会の誘いも断るほどに困窮していた。
しかし、きちんと見てくれている人もいるようで、田中はテレビ局のプロデューサー川野純也(佐々木蔵之介)にネタ作りの才能を認められていたようだったし、バイト仲間の宇田川麻衣子(木村文乃)も優しかった。
田中がやっとの思いで「実は・・・」と、自分がお笑いの仕事をしていることを打ち明けた時の場面は良かった。
あの場面だけは、ちょっと感動だ。
全体的には、ずっと回想シーンの連続みたいな雰囲気で、あまり工夫が感じられない展開だったのが残念。
実在の若手芸人がたくさん出演しているようだったが、ほんの何秒かだけ使われていたジグザグジギーのネタが面白かった。
(^_^)

超高速 ! 参勤交代

2016年04月26日 | ムービー
『超高速!参勤交代』(2014年/本木克英監督)を見た。
物語は、「享保20(1735)年。磐城国(いわきのくに)湯長谷藩の4代目藩主・内藤政醇(ないとうまさあつ/佐々木蔵之介)は、1年間の江戸での勤めを終えて帰国したばかりだったが、江戸幕府老中・松平信祝(まつだいらのぶとき/陣内孝則)により、"5日以内の再度の参勤交代"を命じられる。通常でも8日の日程を要するうえ、湯長谷藩は徳川将軍へ沢庵を献上するほどに逼迫した財政状況であったため、到底実行不可能な要求なのであったが政醇はこれを受入れざるを得ず、家老・相馬兼嗣(そうまかねつぐ/西村雅彦)に解決策を求めた。家臣随一の智恵者であるとされる兼嗣は、"少人数で山中を走り抜け、幕府の役人の監視がある宿場のみ日雇い中間(ちゅうげん)を揃えて大名行列を組む"という提案をし、政醇もこれを了承。かつては東国一と言われた抜け忍・雲隠段蔵(くもがくれだんぞう/伊原剛志)を山中の案内役に雇い、総勢8人で江戸に向けて出発したのだが・・・」という物語。
いかに無理難題であったとしても、一小藩が幕府の命令に逆らうことなど到底出来なかったのだろう。
相手は、豊臣家をも滅ぼしてしまった徳川家である。
決定前であれば何とかなったのかもしれないが、一度決定してしまった事項が覆るはずもなく、逆らえばお取り潰しの沙汰が待ってるだけだ。
湯長谷藩の藩主・内藤政醇は何ともざっくばらんな性格の持ち主なのか、馴染みのない人間ともすぐに打ち解けてしまうようで、それは、自国の百姓はもちろん、自ら売り込んできた胡散臭い抜け忍・段蔵には褒美として家宝の短刀を渡してしまったり、途中の宿場で出会った飯盛女・お咲(深田恭子)には幼少時の境遇を重ね合わせて助けたりもする。
どうやら、「情けは人のためならず」というのがこの物語のテーマのひとつなようで、分かりやすい物語なだけにそれなりに楽しめたのではあるが、何度か出てくる"ワイヤーアクション"を使った場面がショボ過ぎて、その辺りには幾分ガッカリしたのだった。
(^_^;)

憑神(つきがみ)

2014年08月03日 | ムービー
『憑神(つきがみ)』(2007年/降旗康男監督)を見た。
物語は、「幕末の江戸。下級武士ながらも代々将軍の影武者を務めてきた由緒ある家系の別所家。次男の彦四郎(妻夫木聡)は幼い頃から文武に秀でていたが、婿養子に入った井上家からは軍兵衛(石橋蓮司)の策略のため離縁され、怠け者の兄・左兵衛(佐々木蔵之介)のもとで肩身の狭い生活を送っていた。ある日、軍艦頭取にまで出世した昌平坂学問所でのライバル榎本武揚(本田大輔)と出くわし、自分のふがいなさに落ち込んでいると、蕎麦屋の店主・甚平(香川照之)から、榎本の出世のキッカケとなった向島の"三囲(みめぐり)稲荷"詣でを勧められる。帰り道、酔って転げ落ちた土手の下に偶然あった寂れた祠・"三巡(みめぐり)稲荷"を見つけ、これは分社に違いないと早速出世を神頼みしたのだが・・・」という内容。
"みめぐり神社"はそば屋との会話で聞いたことであり、文字で確認したわけではないので、"三囲"と"三巡"の違いに気がつかないのも仕方がないことだとは思うが、土手の草むらに放置されていたあの祠はやはり見るからに怪しい。
(^。^)
すぐに気づきそうなものとも思うのだが、ツキのない時というのは更なる不運を呼び込んでしまうものなのかもしれない。
いかに生真面目な努力家であったとしても、人生とはそういうものなのだろうか・・・。
(-_-;)
しかし、貧乏神(西田敏行)に本来の仕事をさせない彦四郎の愚直なまでの正直さはその上の次元を行ってしまうのだから、何事も諦めず突き詰めるということは大切なことかもしれない等とも思った。
原作は『鉄道員(ぽっぽや)』、『壬生義士伝』、『地下鉄に乗って』等の浅田次郎(1951年~)氏の小説。
これは、なかなかに面白い物語だった。

誰も守ってくれない

2010年07月03日 | ムービー
『誰も守ってくれない』(2008年/君塚良一監督)を見た。
物語は、「4課の刑事・勝浦卓美(佐藤浩市)は申請していた休暇を取り消され、殺人事件の捜査応援に駆り出される。勝浦が与えられた任務は加害者の家族の保護。"犯罪者の家族なら迫害されるのも当たり前"と主張する新聞記者・梅本(佐々木蔵之介)の扇動から、インターネット上では加害者本人や家族、保護に当たる刑事や家族の情報が晒される状況になる中、容疑者の妹・船村沙織(志田未来)をマスコミ等の追跡から守ることだった」という内容。
自分勝手な正義を振りかざし、したり顔で刑事や関係者の自宅にやってくる新聞記者や、やり場の無い怒りを自分を守ってくれている刑事にぶつけ、そのせいで自らも窮地に陥る女子中学生。
勝浦の上司も含めて何となく嫌な感じの登場人物が多いのだが、演技以前にその役者が持っているイメージが配役と妙に合致しているような気がして面白い。
勿論演技も上手だが。
劇中、行き場を失った勝浦が「すがる思いで頼みに来ました」とやって来る場所は、過去のいきさつと相まってその後厳しい展開が始まる場面だ。
それだけに「すがる思いで・・・」という台詞が実に重く感じられるのだった。
加害者の家族を描いた作品は、他に『手紙』(2006年/生野慈朗監督)を見たことがあるが、この『誰も守ってくれない』で描かれているのはほんの始まりに過ぎなくて、台詞にあるように「一生追いかけてくる」のだろう。
なかなかに重い題材を扱った見ごたえのある内容で、面白かった。

間宮兄弟

2010年01月30日 | ムービー
『間宮兄弟』(2006年/森田芳光監督)を見た。
物語は、「仲の良い兄弟、35歳の間宮明信(佐々木蔵之介)と32歳の徹信(塚地武雅)は2人で暮らしている。一日の仕事を終えて帰宅した後は、テレビの野球中継を見ながらスコアブックをつけたり、レンタルショップで借りたDVDを一緒に見るのが日課だ。ある時、家でカレーパーティーをしようと思いつき、弟・徹信が公務補として働いている小学校の教員・葛原依子(常盤貴子)と、2人が行きつけのレンタルDVDショップのアルバイト店員・本間直美(沢尻エリカ)を誘ってみるのだが・・・」という内容。
兄に彼女が出来るようにと自宅でのパーティーを企画する弟。
バーでコーヒー牛乳を飲んでぼったくられ、悔しがる弟を「生きてるだけでも良かったじゃないか」と慰める兄。
実家に帰ると、すぐにおばあちゃん(加藤治子)がお小遣いをくれる場面が出てくるが、母親・順子(中島みゆき)の大らかさといい、この兄弟の仲の良さ、性格の良さは家庭環境に起因する所が大きいようだ。
(^_^)
明信の同僚・大垣賢太(高嶋政宏)と安西美代子(岩崎ひろみ)の、「何怒ってたんですか」「関係ないでしょう」「はい♪」という会話の場面があるが、只ひたすらに元気が良くて声が大きい体育会系営業マンの習性が現れていて面白かった。
(^o^)
茶系の秋らしい服を着ているのに周囲の景色が夏にしか見えなかったりと、少し手抜きな感じがしたのは残念だが、良くできた作品だ。