いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

EU離脱の壁。 terms of negotiation to leave from EU

2016-07-25 20:17:25 | 日記
 (1)1か月前に英国がEUからの離脱をわずかの差で決めた国民投票の結果は、EUの結束の乱れに残留派キャメロン首相の辞意表明、今後の英国、EU、世界経済の動向への不安感も入り混じって衝撃として受け取られた。

 が、しかし英国のEU離脱は今後2年以内に英国とEUが話し合い交渉して正式に離脱を決定することになる。
 ヨーロッパ政治、経済、平和の壮大な実験場としてのEUは、おいそれとは離脱されては意味も意義もないので、そこは規則でしっかりと押さえているということだ。

 (2)英国ではキャメロン首相も残留支持であったこともあり政権が残留派で固められて、あらたに選ばれた後継メイ首相も残留支持だ。
 わずかの差で敗れたEU残留派は国民投票のやり直しを求めて署名活動を始めているが、わずかの差でも過半数を占めたのはEU離脱支持派なので国民投票のやり直しの可能性はなく、新政権もEU離脱決定の方針は変えようもない既成事実と表明している。

 (3)議会制民主主義発祥地の英国としては当然の国民判断結果受け入れの成り行きであり、これをあとになってからごちゃごちゃ言っていては議会制民主主義の理念が成り立たない。

 国民投票期間中に仮にEU離脱の場合でも2年以内のEUとの交渉が必要なことは伝えられていたと思うから、何ですぐにEU離脱ができないのかと不満に思うはずもないはずだが、その英国とEUとの離脱交渉が一向に開始される気配もない。

 (4)EUの結束を強調したいEU側の独、仏は早期交渉開始を望んでいるが、英国は年内にEU離脱通告を行わないことで合意(報道)している。
 英国内は国民投票で国内、国論を二分した対立感情を残したままでのEU交渉ではダイナミズム(dynamism)を欠いてEU側交渉有利になると考えて、英国内の交渉環境が整ってからの時間を置いての英国の利益優先準備の中で来年以降のEU離脱通告、交渉を目指しているのだろう。

 (5)英国はなかなかしたたかなところを目指しているように思う。現在の国内政治状況を見れば致し方のないところでもある。
 一方、EU側も仏、ベルギー、独で過激テロ事件が続発して、国内、EU内の治安、安全、統治不安定の改善が喫緊な課題、対策となっており、それどころでもない情勢だ。

 何か日本の沖縄米軍基地問題の政府と沖縄の交渉難航を思わせる事態だ。

 (6)沖縄基地問題では裁判所の仲裁案に基づいて国、沖縄双方話し合い解決に向けて交渉を開始することに合意しているが一向に進まずに、米国の顔を立てたい政府は独自に陸上工事を再開して反対する地元住民と激しく対立している。

 英国でも独自にEU残留を目指すスコットランドが再度、英国からの独立のための国民投票を実施する構え(報道)を見せて、EU離脱の火種となりかねない。

 (7)世界政治、経済とすればこちらの方はゆっくり時間をかけて落とし所を探ってもらいたいところだ。
 EU離脱、沖縄米軍基地問題ともに米国次期大統領が誰になりどういう政策で臨むのかは判断、影響力に重要になってくる。

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