いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界的な公私混同政治。 mix up public and private politics in world-wide

2016-07-07 19:59:09 | 日記
 (1)公私混同政治(mix up public and private politics)の見本のような元兵庫県議の判決公判で執行猶予付き判決となった。実体のないひんぱんなカラ出張費をその後返還して、テレビ報道などで社会的制裁を受けているというのが執行猶予判決(報道)の理由だった。

 人間性としてもあきれるようないいかげんさを見れば、政治家として県民の信頼を大きく裏切った責任は重く、実刑判決が相当とも思えるが、収監しても更生に期待できないと見られたのかもしれないが、非常識な公費の私物化、さく取をくり返しておいて発覚すると返還したからといって、県民の負託を受けた政治家の責任が大目に見られるというものではない。

 (2)選んだ県民の責任も当然のように重く、確かにこういう無責任な政治家を選んだ共同責任論とでも言いたいところで、不法行為でも現状回復の相殺論で責任を軽減するというのは刑法の報復主義をとらない自主更生の精神に添ったものではあるが、しかしカラ出張相当分の返還、社会的制裁が理由での執行猶予判決は公私混同政治が舛添前都知事問題でも批判を受けて国民の負託を受けた「政治家」の質、能力の劣化が問題となっている中で、一般人並みの特別に甘い判断にも見えた。

 (3)公私混同政治は米国でも問題になっている。現在進行中の11月米国大統領選で民主党候補指名が確実なヒラリー・クリントン候補がオバマ政権の国務長官時代に私用メールを公務で使っていた問題だ。

 FBIが調査を進めていたが訴追には相当しない(報道)との判断を示した。現在のところでは私用メールで使用した機密情報の漏えいなど実害はない模様で、こちらも幾分甘い判断となった。

 (4)米国情報機関が盟友ドイツのメルケル首相のケイタイ情報を盗聴していたことも発覚しており、ヒラリー・クリントン前国務長官の私用メールの公務利用は機密情報保護の上からも身を持って対岸の石として危機管理の自覚不足を認識させられるものであるが、パラドックス(paradox)として身内の前国務長官の私用メール問題をことさらに取り上げて訴追することなどできない身から出たサビの国家的事情もあるのだろう。

 (5)時代を同じくして日本と米国で政治家の公私混同政治問題が政治、社会を騒がせているが、もちろん偶然のことでもない背景がある。日本では地方政治、議会での議員の志望、なり手不足が問題になっている。

 利権がらみの既得権益で実利を握ってきた政治家も長引くデフレ不況のなかで政治への関心も社会資本の整備充実、利益より国民生活重視に変化して政治家の実利(うま味)がなくなったことで政治家志望(なり手)が減ったともいわれて、政治家の質、能力低下が懸念されている。

 (6)米国大統領選に向けて民主党ヒラリー・クリントン候補と共和党トランプ候補が指名を確実にしているが、どちらがより米国大統領として適切、適格でないかの争いともいわれてこちらも政治家の劣化、質の低下は避けられない。

 EUからの離脱を決定した英国は残留を主導したキャメロン首相が辞意を表明して、こちらもまた政治力、リーダーシップ不足を露呈した。
 
 (7)世界的に政治家の質低下、劣化を招いて、公私混同政治が問題を起こしている。


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