映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ナイル殺人事件」

2022年02月28日 | サスペンス映画

アガサ・クリスティ原作、
エルキュール・ポアロもの長編映画化の2作品目です。
前作「オリエント急行殺人事件」から続いている。

大富豪の娘リネット・リッジウェイは親友のジャクリーンから
婚約者を紹介される。
その男性を一目で気に入ってしまった彼女は
親友から奪う形で男性と婚約するが、
ジャクリーンがストーカーと化し、身の危険を覚えていた。
一方、エジプトを旅していたポアロは
偶然から大富豪のパーティーに招待されるが…というあらすじ。

登場人物はかなり減っていて分かりやすい。
オリジナル要素もどんどん入ってますが悪くはなかった。

苦手要素注意なのですが
ちょうどロシアが侵略戦争を始めた翌日に映画が封切られたこともあり、
冒頭の長い戦争シーンでウッてなりました。
というかナイル殺人事件で…戦争…あれ?シアターを間違えた?とも思った。

犯人ばれ・トリックばれ

色調とかちょっとクラシックで、昔の映画のようでした。
舞台劇めいた構図の決まったショットや、
登場人物たちを複雑にカットされたガラスを通して観察するショットも前回から引き続きあります。

昔からマニキュアの中身云々は無理がある…と思ってましたが
絵具に差し変わった。絵の具かよ!それはそれで臭いが気になる!

本当なら登場しないブーク氏が登場することや、ポアロの顔の怪我、
中高年の同性愛カップルを出すこと等々、オリジナル要素は上手くいってたと思う。
ふと思ったが、カトリーヌの話をこのまま引っ張り続けて
次辺りでヘイスティングズ大尉を登場させ、
カトリーヌ絡みで「カーテン」を終わらせたら、すごくきれいな流れになりそう。
いや、私は「カーテン」苦手なんですけどね。

事前のうわさとして、アーミー・ハマー氏の行状に色々と問題があり、
なるべく画面に映らないようカットするという話を聞いた気がするのですが
「そんなことが可能なのか!?」と思ってました。
もちろん無理で、普通に映っておられました。

ジャファケーキが!!
最近見かけなくなったマクビティのあれを久しぶりに食べたくなりました。



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-」

2022年02月26日 | ドキュメンタリー
第二次大戦下、大規模反撃の開始地点をナチスに誤認させるため、
偽の機密書類を持った死体を流した、英国のミンスミート作戦を描く。

彼等は架空の軍人にリアリティを持たせるために
軍人の設定を練り込み、恋人の写真や手紙などを用意します。

主演はコリン・ファース。
予告で見た印象よりは、恋愛パート多めだった。
作家のイアン・フレミングもかかわっていたとは知らなかった。

内容ばれ

架空の軍人とその恋人に仮託して
妻帯者の主人公と職場の女性がプラトニック不倫でドロドロしたり、
同僚の男性もその女性職員を想っておりドロドロしたり、
えっこのメロドラマパートは必要…!?って思ったけど、
恋愛ドラマも見たいって世代もある?のかな?
(三角関係同僚氏、190センチ越えの人だったので珍しくコリン・ファースが小柄に見えた)
(最後2人で並んで座ってるのかわいらしかった)

イアン・フレミングが時計のギミックを見て「ウヒョー」って顔しているのとか
目くばせが頻繁にあって、ちょっと笑ってしまった。
ジョン・ゴドフリーはボンドシリーズのMのモデルになった人ですね。

同性も異性もタラしこめるスパイたちが暗躍し、
敵組織のトップ争いに運よく乗っかる形になったりとか
ああいう攻防パートは面白かったです。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「SNS-少女たちの10日間-」

2022年02月22日 | ドキュメンタリー

原題「V siti」(インターネットで)

監督:バーラ・ハルポヴァー ヴィート・クルサーク
2021年のチェコのドキュメンタリー映画。
童顔の女優3名を12歳の少女という設定で、
SNSに登録すると何が起きるかという実験映画。
相当きつい内容だけども、女児男児どちらも、お子さんのいらっしゃるご家庭で、
父母子、そろって鑑賞なさるべきなのでは?と思いました。
本当はどの世代どの性別でも見ておくべきと思ったのですが、
女児に手を出すなどあり得ないという感覚の独身男女からすると
こんな一部の異常者の行動を大げさに扱う映画は、
見るに値しないという結論に至りそうだなと考えました。

誤解を受けそうなのですが、
SNSで少女たちを狙うのは、所謂ペドフィリアだけではありません。
12歳というプロフィールの彼女たちにコンタクトを取ってきた人物は10日間で2458人、
全世界が対象とはいえ人数が多すぎます。
おそらくストレス発散の加虐目的の人間も相当数いると思われます。

内容ばれ

ともかく女児とコンタクトをとれた瞬間に性器を開陳する男性が多すぎる。
私は「清らかな女児に醜いものを見せてやるぜ!」という意識だと思っていたが
もしかして男性は自分の性器を素晴らしいものだと考える人が多いのだろうか。
おともだちにカブトムシを見せている感じだろうか。

でも劣等感と承認欲求で精神状態が毎日乱気流の少女たちにとって
大人の男性に称賛され必要とされる体験は、
(例えどんなに家庭内で愛されていようとも)何物にも代えがたい麻薬だというのも少し分かる。
なので理想としては親御さんと、このドキュメンタリーを一緒に見て、
その承認がどんな恐ろしい代償を必要とするものか説明を受けるのが一番だが
そういう家庭ばかりでもないだろう。

12歳だと言っている女の子相手にセックスの話しかしない、
どう見ても中高年、もしくは初老の男たちが無数に登場して
その表情や喋り方や視線には共通するものがあります。
女優さんやスタッフや私たち観客の心が段々無になってきたところで
1人だけ紳士が、というか単なる普通の人間が登場するのですが
対比で神のように感じられて、女優さんもスタッフも感激して泣きます。
(この男性もヤバいのではないかという意見も散見されますが)

途中、少女に対して性的なコンタクトをとってくる男性のうちの1人が
(仕込みでなければ)偶然にスタッフの知人で、しかも彼の仕事が
子供にかかわるものだったのですが、ラストで彼の自宅に
女優とスタッフと監督全員でカチコミを掛け、対話(糾弾)しようとします。
そのときに男性が、アニメの悪役のようにすごい長セリフを吐くのですが、
「そんな動画は送ってない。間違って送ったことはあるかも。お前たちはもっと有意義なことをしろ。
もっと解決すべき問題がある。ジプシーは全員売春婦だ。彼等を救え。
ネットで人と会う子供は育ちが悪い。俺の子ではないから俺は関係ない。親の責任だ」
詭弁の教科書のようなものですね。
唐突にロマの話が出てくるのはWhataboutism、
日本語だと「そっちこそどうなんだ主義」(ウイグル話法)と訳されているようです。

このドキュメンタリーも少々「?」という部分はあって、
カウンセラーやボディガードを付けた万全の態勢で女優さんを守るのはいいんだけど
ボディダブルを使用した少女のヌード写真を送って反応を見るというのはどうかと思うし
(いくらフェイクとはいえ当然その写真はネットで回覧されるだろう)
実際会わせてみるというのも、盛り上がりを期待したバラエティ番組のようだ。
(リアルに会いにやってくるのはどう見ても老人、そして中高年、果ては3P希望の男女まで、
人間というよりも、言葉が話せてモバイルが使える、交尾前の馬みたいな生物たちです。
少女を前にして、大はしゃぎでセックス!セックス!セックス!セックスの話をしまくります。
女優さんたちに危害が及ばなくて何よりでしたが)

しかしこのドキュメンタリーの意義は、世界各国のその種の男性に、
「これはもしかして記録されているかもしれない。
自分の映像やテキストが全世界に公開されるかもしれない」という怖れを生んだ所にあります。
各国で類似作品が作られ、話題になりますように。

これまで送ったエッチなメッセージを、カフェで女児(を演じる女優さん)に
音読されてペドフィリア大慌てのシーンはちょっと面白かったです。ちょっとだけね。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アンチャーテッド」

2022年02月20日 | アクション映画

同名人気ゲームシリーズを映画化。
主役をトム・ホランドさんが務めます。
助演マーク・ウォールバーグ氏。
子供の頃に兄と生き別れになった主人公だが、
ある日、見知らぬ男が現れ、自分は兄と交流があり、彼が追っていた財宝を探している、
財宝を探す過程で行方について手掛かりが得られるかも、と誘われる。
兄に会いたい一念で男に協力することになるが…というあらすじ。

令和のインディジョーンズでした。なかなか楽しかった。
トム・ホランドさん、したたかだけども善良な役で、
スパイダーマンで盛り上がった気持ちが大満足しました。
手足の動きがゲームのようにきれいで、バランスも安定していて
彼のアクションは見ていて爽快です。

エンドロール真ん中に映像あり。

内容ばれ

トム・ホランドさん、あどけない童顔にバキバキの筋肉なので
それであの動きが可能なのでしょうけど
序盤の半裸のトレーニング、やっぱりそういう需要もあるのでしょうね。

心の汚れた男女が、トム・ホランドさんの甥パワーで
徐々にホヨホヨにされていくところが良かったです。
黒髪の彼女は、ゲームだと主人公の元カノだったようですが
映画では特に恋愛関係は誰の間でも発生しなかった。
(強いて言えば主人公とマーク・ウォールバーグ氏の距離が縮まっていく映画だった)
おまけ映像のヒゲ付き顔が、ゲームの彼のスタンダードな容姿のようです。

おまけ映像と言えば、なんかまだマーク・ウォールバーグ氏の語ってない真相があるっぽいですが、
続編がもしあったら、相棒のマーク・ウォールバーグ氏と大大大大好きな兄との板挟みになって
苦悩する主人公の話になるのでしょうか。それは連続で上映開始していただきたかったものです。

ところで盾アクションに1人で脳内ザワザワしました。



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゴーストバスターズ アフターライフ」

2022年02月13日 | バトル映画

ゴーストバスターズとしては4作品目。2の続編。
兄妹と母親の3人家族は、家賃滞納で退去させられ、
先日亡くなった祖父が住んでいたオクラホマの家に引っ越した。
そこでは地震が多発しており、科学好きの娘は
祖父の残した謎の装置を発見するが…というあらすじ。
マッケナ・グレイスさんが眼鏡の科学オタクびしょうじょを演じます。
1を見ていない、または記憶が胡乱な人は事前に見ておいたほうがよいかも。

オリジナルを撮ったアイヴァン・ライトマンの息子さん、
ジェイソン・ライトマンが監督。
彼の過去作品を見るにこういう定番エンタメよりは、もう少ししっとりした作風のようです。
すごく真面目に旧作フアン向けに作っておられた。
2016年リブート版のように、若くない普通の女性たちがチームを組んでゴーストと戦ったり
イケメン金髪で天真爛漫な男性が受付をしたりといった
当時のファンの中高年~初老のかたが拒否感を示すような常識破りの設定はひとつもなかった。
小道具も美術も展開も設定もめちゃくちゃクラシックで、お行儀よく、
かつ敬老精神あふれる内容でした。いや本当に、20世紀の映画ぽく作ってあった。

エンドロールの途中と最後に映像があります。

ラストまでバレ

ポール・ラッドがよい仕事されてました。
あとオカルト富豪シャンドアの死体役がJ・K・シモンズでもったいなかった。
立ったと思ったら死んだ。
マッケナさんはゴーストをぶっとばしてやるという鋭い目が最高でした。

亡くなったハロルド・ライミスはCGと、代役のミックスで表現してあったが
ハグできて全身見えている幽霊というのがアメリカぽかった。

門の神と鍵の神、とても懐かしい。
あと久しぶりに怪異の中心地の雲が渦巻いているのを見ましたが
もしかしてゴーストバスターズって、中心地の雲が渦巻くのの元祖?
いや、その前にすでにあったかな?

「クジョー」ってコロンビアだっけ?って思ったらワーナーじゃないですか。
なんでや。同じキングでも「クリスティーン」とかならコロンビアなのに。
(しかもクリスティーンはオカルトだが、クジョーはオカルト関係ない)
あと関係ないけど一瞬トゥインキーが映った。

ホラーとは言えない、お子様でも安心な内容なのにPG12とは?
と思ったら無免で子供が車を運転しているのが駄目だったらしい。
配給としてはかなり手痛いのではないか。

ラストのあの方の登場シーン、最高のタイミングでした。
「えっ!?」って思った瞬間に切り替わったからね。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする