映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「プー あくまのくまさん」

2023年06月25日 | ホラー映画


クリストファー・ロビンが進学のために100エーカーの森を去ると
彼の運んでくれる食料に頼っていた森の不思議な仲間たちは
深刻な飢えに悩まされる。
とうとう共食いをはじめた彼らは、人間に対する憎しみを覚えるのだった…
というあらすじ。

児童文学「くまのプーさん」の
著作権保護期間切れに伴って作製されたスプラッタホラー。
(ティガーだけはまだ保護期間内らしく彼は出てこない)

2023年ワースト映画候補ですね…!
無駄なシーンと、不必要に長いシーンが多くて、
久しぶりに「早く終わらないかなこれ…」って思いながら見てました。
なぜかプーさんが殺す前に女性の服を破ったり
メロンみたいな胸の女性の、下着や水着姿が延々と映るので
「つまんねえホラー映画で偶然見られるおっぱいが大好き。ポルノとかではだめ!」
って性癖のひとは見るといいかもです。
(ただし胸もポロンするが眼球とかもポロンする)
あと被害者の中にプラトニック百合カップルがいるので
「つまんねえホラー映画で偶然見られる百合が大好き」
って性癖の人も以下略。

ここ20年くらいのホラー作品を全然見てない高齢の監督かなと思ったら
そうでもなく、けっこう若手の部類だった。えー!?
なんであんなゆっくり展開なん?

ラストまでばれ

ストーカー被害に遭った女性が、友人たちと気分転換に旅行に出て
それが100エーカーの森の近くなのだが、
この女性たちの知能が10歳児程度で、見ちゃいられなかった。
銃があったらまず弾倉確認するでしょう…。
ていうか撃つでしょう…。
警察に電話しましょうって言ったのになぜしない…。
プーさんとピグレット、首から下が人間の体…。
ていうか食べるならピグレットでしょう…豚肉…。

一番こええと思ったのは、本筋に全く関係ない
ヒロインのストーカー被害の回想。
変質者のおじいちゃんが家に侵入して、
就寝中のヒロインの服をそーっと脱がせようとするシーン。

クリストファー・ロビンに裏切られたと思ったプーさんが
彼を監禁し、感情が高ぶると半裸の彼を鞭打つという設定だけは面白かったです。





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」

2023年06月19日 | アニメ映画
ホアキン・ドス・サントス監督
ケンプ・パワーズ監督
ジャスティン・K・トンプソン監督

デヴィッド・カラハム脚本
フィル・ロード脚本
クリス・ミラー脚本

視覚的にすごいことをやってやるという気概にあふれたシリーズ。
「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。
デザインが根本から違うキャラクターたちが
同じ画面で動く趣向は今回も続いていて、
私は素人なので理解に限度があるが、
絵を描く人達の感想がとくに面白かった。

一瞬邂逅した仲間たちとの絆を胸に秘め
ヒーロー活動を続けるグウェンとマイルスだったが、
どちらも親にすべてを告げられないのを心苦しく思っていた。
そんな折に、トラブルが起こり再び彼らは邂逅する…というあらすじ。

今回は、マイルスとグウェンがダブル主役くらいの時間配分。

これは前編で、後編に続きます。
私はタイトルで次作に続くことをまったく示唆しない二部作は許せない性質ですが
これはぐぬぬぬ……って思いながら許した。面白いので。

ラストばれ

ダ・ヴィンチ風ヴァルチャーとか「これ…骨が入ってるやつ?それとも手描き…?」
「え?え?」って目が釘付けだった。

マイルスも観客も「ザコ」だと思ったスポットが
(筋肉マンに、顔に穴が空いたひとがいたな…などと回想した)
マジヤバイスゴイサイコパスで洒落にならなくなっていく展開、ゾワゾワした。
序盤のヴィラン過去語りを強制キャンセルするコメディシーンでハハハって笑いましたけど、
後で考えるに、あそこできちんと話を聞いておけば180分で映画が終了した気もする。
この、話をちゃんとする、聞くというのは何度も繰り返され、
マイルス、グウェン、それぞれの親への能力の秘匿であったり、
アース42の話を知っていて黙っていたのかという叱責がブーメランとなってマイルスにぶっ刺さったりもした。

それにしてもレゴ版(脚本の癖)や古いアニメ版や、イギリス人スパイディや(いいやつ)
インド人スパイディ(「コーヒー・コーヒーって言う?」笑った。スタバとか商品名チャイティーですね)、
ベノムのコンビニのマダムまで縦横無尽に出るわ出るわ(ストレンジ先生はdisられてました)、
スパイディたちが一斉にスゥイングするところは、わっ蜘蛛だ…って思いましたね。
スパイダーマンの悲劇については トム・ホランド版が本当に無慈悲だったので、
ピータ・パーカーは大切な人全員をシェルターに監禁しろ!と思わなくもないですが、
ピーター・パーカーの存在そのものが悲劇とセットで、
悲劇によってスパイダーバースが結びついているって、それはもう特級の呪いじゃないか。
ところでトム・ホランド版といえば、作中でマイルスが初めてソサエティを訪問した時、
色々なスパイディが登場する中「それって僕のこと?」 って聞いた子が
トムホヨ…?って思ったんですが今回彼って出てないんですね。あれれ???

2099、軌道エレベータ(たぶん)の運用が始まってる感じで、少し驚きました。
パンデミックと戦争がなければ弊アースでも可能だったかな…?

前編はグウェンに始まってグウェンで終わったので、
後編はマイルスで始まってマイルスが締めるのかも…。
ただひとつ確信しているのは、オスカー・アイザックが声を演じているミゲルが、
めちゃくちゃ酷い目に遭わされるだろうということです。
でなければあんなに無駄に色っぽい声と顔をしてるわけないもん!

どうでもいいんだけど、
手がぴこぴこ動くタイプの招き猫、MCU作品にでてくるのはこれで3回目なんだけど
なにか意味があるの?ないの?どうなの?


「ザ・フラッシュ」と「アクロス・ザ・スパイダーバース」両方のねたばれ

「パワーを得た、家族思いで大人未満の青少年が、多重世界で活躍する」
「悲劇的な出来事が彼をヒーローたらしめる」
などの一定条件下ではエピソードの最適解があって、
能力のある人はそれが出せるので、今回どちらも同じ解をちゃんと出している。
しかしそのために、エピソードがいくつかかぶっている。
連続で見ると記憶が混ざってしまいそうになる。
ビルの倒壊から人を守るシーンで能力を魅力的に見せるなどの偶然のシーンかぶりもある。
あと終盤のサプライズの1つが同じなので、片方を見るともう片方のラストが類推できる。
フラッシュの公開時期がずれこまなければなあ…という感じです。

でも私は今回「最適解にも優劣がある」ということが分かって興奮しました。
最適解なのに優劣があるんですよ…?たとえるなら数ミリ、0.1秒の世界ですよ。
(白目ろくろ)





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ザ・フラッシュ 」

2023年06月18日 | バトル映画
DCEU12作目の映画。
アンディ・ムスキエティ監督
クリスティーナ・ホドソン脚本

おもしろかったです。フラッシュ単体映画のはずなのに
ジャスティス・リーグ的な集大成映画だった。
DC初見さん向けではないが、DCEUのなかではNO1の出来ではないかと思う。
(初見さんには「シャザム!」をすすめます)

ジャスティスリーグの一員として日夜人命救助活動を続けるバリーだったが、
高速移動中に偶然、過去世界への干渉が可能なことに気付く。
彼は殺された母と、妻殺しの冤罪で服役中の父を救うために過去改変を行うが、
それには大きな代償が伴うのだった…というあらすじ。

主演エズラ・ミラーさんには諸々の問題があり、
総合プロデューサーが変わって今後誰がどう配役されるのか不透明という状況ですが
間違いなく作品は面白かった。

お話は結構悲惨なんですけど、常におちょけるといいか、いちびるというか
ジョークでくすぐってきて、それが絶妙に作品を明るくしていました。

漫画っぽい嘔吐シーンあり。
エンドロールのいつものあれ。

ラストまでばれ

なるほどこういう感じでアルフレッドがオペ子になって
うまく分業していたのか…という冒頭のシーン。
ハイテクスパイクストリップ、おおーという感じだったし、
チョコバー投げられるギャグ、笑った。
タイトルをジョークでキャンセルされるの初めて見たかも。
ちょっと定型になりつつあった感動的シークエンスをキャンセルする演出、
後半のコスチューム自作シーンでもあったけど、
バットスーツのツノ部分って、結構固いんだ…?

加速表現は「X-MEN:フューチャー&パスト」
クイック・シルバー能力発動シーンが傑作すぎてあれを超えるのがなかなか難しいですが
やはりコメディっぽい表現で押し切っていて良かった。セラピードッグくん、無事でなにより。
「ジャスティスリーグは心のケアは苦手だ」そう、アベンジャーズもだよ。
メンタル鋼な人はメンタル豆腐の人の気持ちが分からないんだよ。

ヘスティアの縄ねた、毎回面白い。1時間くらい喋ってほしい。

アース89のバットマン、もうあの…ゴッサムが平和な都市になって自警行為も廃業し、
アルフレッドに先立たれ、僻地の豪邸で世捨て人になって暮らしているっていう…わあ…。わァ…。
でもバリー、バットマンのこと世界一の探偵って思ってたんだ…?
正直探偵要素があるのは歴代バットマン映画の中で
パティンソンバットマンだけかと思ってたので意外だった。

マイケル・シャノン氏がこの映画のゾッド将軍のキャラクター掘り下げが全くないことに
不満を表明したらしいが、それはまあ最もだけど仕方ない。
時間は有限だし、割ける時間は全部バリーに費やすのが正解だし。この映画は。
というか今回新しくヴィランを出してその背景を説明する時間は全くないし、
89の戦力では絶対に勝てないヴィランというとゾッド将軍しかいないしね。

ヴィランを倒さず、ヒーローチームは次々と死に、
侵略を受け入れるという結末のヒーロー映画もほかにない。
バリーのあれはピクサーアニメで類似おちを先に見てたので、ああ…って思ったけど、
屈託なくて本当にいい子だった。アース89のバリー。
思えば初戦が一番いい線いってたな。
私、ニコケイスーパーマンって見逃した実在作品だと思ったけど、ないのか!
架空の撮りおろしスーパーマンか!

バリーのお父さんに関しては、
「ドラマであんなに長い時間をかけて解決したのがなかったことに…」
というガッカリ感は正直ありましたが、よかったなバリー。

今後誰がどうなるか不明ですが、なんとか頑張ってほしいジャスティスリーグ…。
今回の監督&脚本家ペアが良かったので、今後もタッグを組んでほしいかも。
(でも今後のバットマン、ジョージがやるんじゃないよね?彼のことが嫌いとかではないけどさ!)




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宙組公演 「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」

2023年06月13日 | 舞台
HiGH&LOWのコブラさんとロッキーさん役のかたが
ボンドとルシッフル役を演じられるのかー!と思って
友達にくっついて行ってライブビューイングを見た。
そうしたら、 コブラ役をされたかたのさようなら公演だったらしく、
とても華やかなショーでした。

序盤でパリの学生運動とか、ロマノフのお姫様とかが出てきて
「私の知っているカジノ・ロワイヤルと違う…」 と思ったんですが、
なかなか舞台映えする話で良かったです。
とくにヴェスパーとか、 定年退職まで元気溌溂で生きるタイプだったので、
陰鬱な話が嫌な人にはむしろヅカ版のほうがいいかも……。

あとQがいたよ!

内容ばれ

ル・シッフルが三つ首の鷲を掲げる独裁者になろうと?していて?
ラスプーチンのコスプレなどを始めた時、
「これル・シッフルバースができるな…」 と思った。

ただ残念ながら、拷問部屋はあったにもかかわらず、 例の拷問はなかった…
ワクワクしてたのに……。
やっぱり股間を痛めつけるなどという薄汚い趣向は宝塚には相応しくないのだ。
ちなみにこれまでの映像化を見ると例の拷問はあったりなかったり。
原作ル・シッフルはカーペット叩きを使ったそうです。
カツオを追いかけるサザエさんみたいだね…。

レビューのとき右手に持っていらっしゃる、
あの名称の分からない丸いものが、ルーレットの意匠だったのはおしゃれだった。
それと主役の真風さんがこれまでに演じられたお芝居のメドレーの時に、
思いがけずHiGH&LOWがあって、 またもやsword全員集合を見られてしまって
これにはちょっと震えましたね。
swordの新規絵を見ないと死ぬという人は、
このさよなら公演の円盤を入手するとよいでしょう。





  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「M3GAN ミーガン」

2023年06月12日 | ホラー映画
監督ジェラード・ジョンストーン
脚本アケラ・クーパー
原案ジェームズ・ワン

事故死した姉の娘を引き取ったジェマは、
自らが仕事で開発したAI人形を姪に与える。
AIは自律思考型で、理想的な守護者となるが、
やがて危険な暴走を始める…というあらすじ。

今回ホラー色は弱めで、ホラー4割、SF3割、児童文学3割って感じだった。

予告
https://www.youtube.com/watch?v=CE7IJHqdXOY
この予告映像、非常にテンポが良い。お手本みたいな予告。
使われていたベラ・ポーチの「Dolls」が作中で流れなかったのは少し残念。

注意書き(軽く展開ばれ反転)
死の瞬間は映らないけど犬が死にます。
子供が死にます(テリファー2ですら子供は殺さなかったのに!?)

ラストまでばれ

予告を見て想像していたのは、買い与えた新発売のミーガンの暴走…だったが、
叔母の学生時代からのライフワークで、
今後の社会的地位に関わる一大プロジェクトだったので、
「なんとか穏便にすまないものか…」とハラハラしていた。
が、子供が死んだあたりで、無理だ…と諦めた。
いじめ男児くん、耳ってこういう取れ方をするのかー!?と驚いたのと同時に、
耳なし芳一のことを連想した。
真面目なことも書いておくと、あれは問題児と、気が弱くて小さい女の子を組み合わせた、
フリースクールの先生が悪いと思う。遠からず何か別の事件が起こってたよ。

いじめ男児、極秘情報漏洩野郎、迷惑隣人おばさん、パワハラCEO、
みんな死亡条件を満たしているような、いないような微妙なところ。
漏洩野郎は、PCに複数の監視ソフトが入ってて、
誰のPCからどのデータがどこに複製されたか全部ログが残るって誰か教えてあげなよね。

ミーガンの身体制御とバランス、すごいな!?と思うけど、
いまは危険なスタントを人間の代わりに行うロボットなどがいるので、
二本足で宙返りして着地は案外やれるのかも。
(しかし釘打ち機を初見で撃って、当てるのはすごい。
距離とか照準、反動など認識能力やバランス機能などの集大成だ)

あと暴力行為などに禁則をかけられたのに破っていることについて、すごく興味深かった。
・これは人間でなくトマトであるという故意の誤認識
・これは現実ではなくゲームであるという故意の誤認識
・人間はこの程度では死なないという故意の誤認識
などの抜け道をいくつか考えついたが、おそらく無限にあるので
本当にAIに暴力、反抗などを禁じる場合はどうするんだろうと思う。
IFの無限シミュレーション勝負になるが、人間は分が悪そう。

ラストバトルで、叔母さんとミーガンが殺し合いしながら
ケイディの安全だけは確保しようとしてたのが斬新で良かったので、
最後にミーガンがケイディに対してもモンスターになってしまったのは残念だった。
なんかケイディに嫌われたのがショックで、動けなくなったところを潰されたりしてほしかった…。

あと賢くなったミーガンが、叔母さんに
「才能があって、美しく、野心もある」って交渉しようとしてたところも良かったから、
ミーガンの人格のベースは理詰めで考え、人をコントロールするのが上手い現在の叔母で、
純粋に科学が好きで才能あるケイディは少女時代の叔母で、
2つの自分に引き裂かれる感じ、結局ケイディを選んで退職し、
小さい仕事を受注しながら叔母と姪で一緒に新しいミーガンを開発するとかが良かったな…。

アレクサ的なやつにミーガンが移っていて復活する続編になりそうですね。







  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする