映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「トーク・トゥ・ミー」

2023年12月30日 | ホラー映画

母を亡くしたばかりのヒロインは、
流行していた降霊術にハマり、やがて取り返しのつかないことになっていく
という内容のオーストラリアのホラー映画。
30歳の双子YouTuberが監督。

面白かったです。
ホラー映画として2023年のNO1。
ただし嫌な内容なので、みなでキャッキャと楽しく見るのには向いてない。
ホラー映画が好きで、たくさん見ている人向け。

お話の内容はベーシックなものですが
ルールが上手いのと、あと人間描写が細やか。

犬は無事ですが愛犬家のかたは気分を害されるかも。

ラストまでばれ(反転)

カンガルーを車ではねちゃうのって
オーストラリアの道路あるあるなんだ!?

モンスターや霊は頑張って逃げたり
まあ国外へ出ればなんとかなる気がするけど
自分がおかしくなったらもうどうしようもない。そういう怖さ。

ミアはもともと不安定なところへ母のこともあり
依存先を探している。憑依がなくても遠からず
薬物や暴力被害で破滅したのでは…と思わせるところがある。
(あいつベタベタしてくるから嫌だ云々)
なぜカウンセリングに連れて行かなかったんだ…。

しかしミアの父も、ミアの親友も、親友の家族も、元カレも、
少し駄目なところもあるけど、みな普通にいい人。
(あの洗い物をしているときに話しかけられて聞こえないねたとか
動揺している10代の娘が手を握ってきたのに払いのける母とか
よくあろうとしている大人の、ほんの少しの悪い描写がうまかった)

降霊をしてもルールを守っている人や
そもそも降霊をしていない人は案外無事。
最初に刺されたお兄さんや、ミアのお父さんも無事。
ただ容赦なく弱いところを狙ってくる。
友達を選ばないといけない。
死人が出ても降霊で遊び続けたあの2人はクズ。

憑依の前後や最中の表現はたぶんわざと薬物使用に似た演出がされてるが
これを見た若者がびびり散らかして、薬物使用者が少なくなるといいね。

犬とのディープキスは虐待ですが、
合成だそうで、犬は大丈夫です。



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「ハンガー・ゲーム0」

2023年12月24日 | バトル映画

富める都市キャピタルが、他の貧しい12の地域を従える
ディストピア世界で、貧しい12の地区の少年少女が殺し合う様を
富裕層が眺めて楽しむというハンガーゲームを描いたシリーズ。
その前日譚にあたる映画。若き日のスノー大統領が主役。

食料にも困るほど没落したスノー家出身のコリオラヌスは
しかし名家の矜持を失わずにいた。
富裕層の学生が通うアカデミーで
成績優秀者がハンガーゲームのメンターを務め、
自分の担当を優勝させるという新しい試みに参加させられる。
コリオラヌスが受け持ったのは、歌を歌って日銭を稼ぐ
流浪民の少女だった…というあらすじ。

ヒロインはスピルバーグの「ウェスト・サイド・ストーリー」で
マリア役を演じた女性。
当たり前だけどバチバチにうたがうまい。
ヒロインの歌に惹きつけられるシーンが何度もあるので歌は肝要。
あと3時間近くある作品なので、
長編小説一本読んだくらいの没入感。
前作は知らなくてもまあいける。

ゴ…リが一瞬カサカサする。
げろあり。
蛇が苦手な人にはきつい。

ねたばれ

善悪の間で揺れ動くコリオラヌスは魅力的だった。
上半身裸シーンが多くて、ティーン向けアイドル映画か?と思った。

何をきっかけに親友を売ると決めたのかよく分からなかった。
最初からずっとそのつもりだったのかと思ったが
そうでもないようだ。
あとヒロインがどうなったか気になったので検索したが
原作でもそこははっきり書かれていないそう。生死不明。

タイガレスがのちにカットニスのスタイリストになるとか
鑑賞中は全然気付かなくて、あとであーなるほど!と腑に落ちた。
大統領とはつらい決別があったんだろうな。

スポンサーによる差し入れシステムがまだお試しの段階で、
技術的な欠陥からドローン爆撃攻撃になるのは結構笑ってしまいました。





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「屋根裏のラジャー」

2023年12月18日 | 児童文学系映画

百瀬義行監督

父を亡くした少女が作り出したイマジナリーフレンド、ラジャーは
屋根裏部屋で少女と日々冒険を繰り広げていた。
ラジャーは少女以外、誰の目にも見えない存在だった。
しかしある日、不審な男が少女の家を訪ねてきたことで
彼等の生活に影が差す…というあらすじ。
原作は児童書「ぼくが消えないうちに」

ポノックの作品の中で一番好きです。
てっきり大人になった少女のイマジナリーフレンドが
消えまいとしてあがく、不可逆の残酷さみたいな話かと思ってましたが
全く違いました。バリバリのヴィランが出てくる冒険譚だった。
怖がりのお子さんには、このヴィランがちょっとつらいかも。

児童文学王道の、いい脚本なので、
なんとか興行的に健闘してほしい。

内容ばれ

図書館の設定がわくわくした。
みんながあそこに辿り着けるといいんだけど。
(しかし他人のイマジナリーが自分のイマジナリーになる理屈は分からん。
マッチングアプリによるセカンドラブてきな?)
図書館の入口と、イマジナリーの食べ方に
ワーナー版ハリポタっぽさを感じた。

ミスター・バンティング、彼は原作にいるんだろうか。
私の話になりますが、
私の空想世界は固定のキャラクターではなく、
ビジュアルの簡素な、フレーム画とテキストの踊るような世界で
現実と二重写しになっていて、消えるとか衰えるとかいう気は全然しないので
彼の気持ちは全く分からない。
エネルギーを自給自足できないなら諦めて大人になればいいのに。
でも最後に「ねえねえどんな気持ち?悲しい?痛い?くやしい?」
って聞いてみたくはあった。

登場時からエミリがお母さんのイマジナリだと思ってた!
だから2人だけが人の形なんだと。

ラジャーの顔はアマンダそのままだと思ったけど、
性別が変わると違う顔になるのが面白かった。



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「ウィッシュ」

2023年12月17日 | アニメ映画

魔法に長けたマグニフィコが建国した王国で、
国民は自らの願いを王に捧げ、
王はその中から厳選した願いをかなえる儀式を定期的に行っていた。
王に憧れ、その侍従になろうとするヒロインだったが
民の願いに対する王の不誠実さを知り…というあらすじ。

監督脚本はアナ雪タッグ。

歌は良かった!とくにメインテーマ。
全部がサビのようにエモーショナルだった。
台詞や絵柄、エンドロールに過去のディズニー作品に対する
遊びのねたが含まれており、そこも楽しかった。

ラストまでばれ

特に2回目のメインテーマをみんなで歌う所は
「ちょっと腑に落ちないな…」と頭で考えていても
強制的に涙が出てきた。生理的涙ってやつに近いかも。
腑に落ちなかったのは、
王が、そこまで悪くなくないのでは?という気がしたので。
皆の願いを抜き取って、
選ばれた願いだけが叶えられるって元々告知してるわけですし。
ただその選択の基準がかなり厳しかっただけで…。
みなに重税を課して裏金をちょろまかし贅沢三昧してたわけでもないし、
近隣国に侵攻して土地を奪ったりとかそういうのでもない。
人々の願いを電池扱いし始めたのは禁断の書に憑りつかれたからで、
それはヒロインの行動がきっかけじゃない…。
あとヒロイン、面接の途中で
「私の親族に便宜を図ってください」って言いだしてびっくりしたけど
あれが叶えられてたら、特に問題を感じなかった…のか…?
というかみなが絶対者に全部丸投げしたから
絶対者が精神に異常をきたしたようにも見えるので、
そこで新たな絶対者(スター)にまた全部丸投げかいという気もするのだった。
王に必要なのはカウンセリングと療養では…?

スター、きみどこかで見たような…と思ったが
マリオのチコ(ルマリー)?

当たり前だけどみな歌うまで、
あ、あなたもお歌いになるの!?うわ、上手っ!
あなたも!?上手っ!の連続だった。
親友のダリアとか、マグニフィコ王とか…。
あ、王はクリス・パインでした。

併映
「ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-」
ディズニーアニメ作品群、おおむね見ているつもりだけど
いくつか知らない顔があった。
ナマケモノのスピードや、ハンスが役割的においしいな…と思いました。
ブルーノ叔父さんは曲が大バズリしたので功労賞扱いだなあれは。
アナとエルサとオラフの声は今回の配役で決定なんだろうか。
あとメリダっていたっけ?







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「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

2023年12月10日 | 児童文学系映画

ダールの児童書「チョコレート工場の秘密」のキャラクターを使用した
オリジナルの前日譚です。
私はバートン版「チャーリーとチョコレート工場」
と繋がっていると思っていたがそうではなかった。

一流ショコラティエが集まる街に出店することを夢見て
故郷を離れ旅してきたウォンカだったが、
そこは有名店によるチョコレートカルテルが街を支配する場所だった。
しかも騙されて強制労働をさせられるウォンカだったが…というあらすじ。

パディントンシリーズのポール・キング監督です。
イノセントな異邦人が周囲を良い方向に変えていく…
という流れがパディントンと同じ。
この映画もヴィランの悪辣な部分はスルっとコメディにくるまれていて
年末にお子さんと見るのにぴったりの、楽しい映画になっています。
それと出てくるギミックが、確実に子供心をくすぐるデザイン。
面白かったし楽しかった。
ミュージカル映画です。作曲担当はSINGシリーズのひと。

ウンパルンパのデザインや歌が1971年版
「夢のチョコレート工場」と同じで、むしろこちらと繋がっているのかも。
しかしこちらはパラマウント映画なのになぜ?
(2005年版の「チャーリーとチョコレート工場」はワーナー映画)

ラストばれ

ウォンカの鞄とか、お子さんが欲しくなるに違いない。
材料を流し入れたら光って回ってお菓子が出てくるやつ…。
300ドルくらいの…。
犬パワー洗濯マシーンとか、何でも出てくる帽子、杖…。
窓から窓へ、籠でやりとりするやつも
何気に児童文学御用達アイテムな気がする。

お子さんたちは
警察署長や聖職者、守衛さんなど立派な大人や、
悪人も全員チョコレート大好きで、面白いことになるシーンで笑ってた。
私はチョコレートカルテルによる誘惑の歌で笑った。
でもお菓子を食べすぎるのは良くないという啓蒙シーンもあった。
あと契約書はちゃんと読めっていう。大事。

ウォンカの性格設定は、子供と大人の配分が丁度よく
好ましい人物だった。
成功者となったあとの変人と、つながるかどうかややあやしい、
くらいの好人物。
非識字者の設定はもう一押しほしかった。
アルファベットを覚えたら母のレシピが読めるようになって
いっそう凄いお菓子が作れるようになった歌とかそういうの。
Aのアルファベットに対する一瞬のやりとりは良かった。

ウンパルンパは、原作の設定なので仕方ないのだが
映画化されるたびになんとかしようと改変されている。
今回はヒュー・グラントパワーによってうやむやにしていた(笑)。
しかしカカオがとれるような気候の国で、
ああいう衣装をはじめとする文化は形成されるだろうか?
いやされるのかも…ヒュー・グラントだから…。
彼は最近こういう、颯爽と登場してニカッと笑って去るてきな役が多い。
オリヴィア・コールマンさんは、
ああいうオーバーな演技より、抑えたお芝居の方が映える気がする。
この人の顔、知ってる…思い出せない…と思ってひと、カーソンさんだった!

私は販売が終了したネスレのウォンカチョコが大好きなのだか
(ブロックごとに帽子の型押しをされた板チョコね)
この映画をきっかけとして復活しないだろうか。

もし見ていない人がおられたら
ティム・バートン版もおすすめです。
監督の毒が抜け始めたころで、適度な悪意があって面白い。
あともちろんパディントンシリーズもおすすめ。

映画とは全く関係ないが
現在ハリウッドでイスラエルのガザ侵攻を非難すると
干される状況になっておるらしく、
ユダヤ系企業って一枚岩?全員イスラエル支持?そんなバカな…
と思っていた矢先、
サタデー・ナイト・ライブでティモシー・シャラメ氏が
ハマス嘲笑コントをやって、頭を抱えた。
熟考の末の決断かもしれないが、
昭和の小学生の、苗字いじりのイジメみたいなつまらないネタで
世界的炎上までして一体誰にどんな利がある?としょんぼりした…。




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