映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ウインド・リバー」

2018年07月31日 | サスペンス映画

「ボーダーライン」脚本のテイラー・シェリダン監督作品。
ワイオミング州ウィンド・リバー保留地で
害獣を狩って暮らしている主人公は、
雪原でネイティブアメリカンの少女の死体を見つける。
派遣された若いFBI捜査官は保留地にも寒冷地にも不慣れで、
主人公に捜査協力を依頼する、というあらすじ。
ジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンという
アベンジャーズ疑似父娘コンビの共演です。

内容は、結構きつい。

ラストばれ

テイラー・シェリダンは、海外に出るような大きな作品は
今回が初監督だと思うけど、作風が固まっていてクールだ。
「ボーダーライン」との共通点で言えば
銃によるカタストロフ、複数による銃撃戦と嘔吐、復讐、
あと若い娘の指導者的な立場に立つニヒルな中年男(家族を失っている)。
ボーダーラインのときは、男が「死んだ妻に似てる」とか言いだして
ちょっと気持ち悪かったが、
今回は娘と重ねている流れだったので見ていて安心できた。

サスペンスは、謎解きが言葉で行われ
犯人側も言葉で認める作品が多いけど
この映画はドアをノックした瞬間突然真相の映像に切り替わり、
あとは犯人集団と捜査陣が銃撃戦を繰り広げる、というのが
斬新だった。

つがいのオスとメスのオスを集団で殺して
メスを奪って交尾するって、
日本でも同様の事件はあったし、他国でもあったのを記憶してるけど、
人間以外の他の生物はやるだろうか?
あの件に関しては女性の人種がなんであっても結果は同じになったと思うけど、
保留地以外の地域で育った女性は、あんな相手を恋人にしない、
またはあんな場所には行かないという事だろうか。
ネイティブアメリカンの女性の失踪数はデータがない、
という事だけど、どうしてだろう。
だれも気に掛けないという事か、保留地側の意識の問題なのかどちらだろう?
というか虐殺と弾圧と差別の歴史があるのに、
ネイティブアメリカンに関する映画は妙に本数が少ないと思う。

もしリアルであんな事件があったら、
社員の心身の健康を保つ努力を怠ったという理由で
企業が訴えられそうだな…と思った。
あと犯人側、やたら武装が重装備だったけど、会社の経費だよね?
なにと戦う設定なの?熊?武装盗賊団?

コヨーテから羊を守るハンターのように、
親は一瞬たりとも子供から眼を放してはならない。
家畜を食い荒すピューマは殺さなければならない。
都会では弱者も生きていけるが僻地はそうではない。
吹雪と低温に蹂躙され、希望も心も蝕まれ、
そして21世紀でも弱者は殺され獣に食われる、という内容だった。

主人公の娘の件も犯人が明かされると思っていたが
そんな事はなかったぜ。




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「BLEACH」

2018年07月23日 | バトル映画

佐藤信介監督(図書館戦争シリーズ・アイアムアヒーロー)

黒崎一護は父と妹2人と暮らす平凡な高校生。
ただ、彼には霊が見えるという特殊能力があった。
ある日、自分の部屋に古風な黒装束の見知らぬ少女が表れ…
というあらすじ。

突然死神登場系の中で一番有名な漫画(たぶん)の実写映画化。
内容は死神代行編をかなり端折った話。一番影響を受けたのがヒロインの織姫で、
ちょっと目立つモブ…くらいの扱い。
なのでイチルキの人には優しい映画化のように思います。
前倒しで喜助さんが出てきたりするところを見ると、
一応続編構想があるのか…?
アクションシーンは、恋次役が早乙女太一さんなので
ぎゅんぎゅん回転する剣戟がとりわけ良かったですね。
あと刀を収める前のモーションの肩の可動域がすごかった。
白哉役は MIYAVIさんでした。
一護役が福士蒼汰さんで、頬の削げ具合など
イメージに近いように思いました。
ルキア役の杉咲花さんは予告の段階で、
原作とまったく違う髪型などにブーイングが起こっていましたが、
うんまあ古風な感じを出したかったんだろうなというのは分かった。
人に教えてもらうまで気付きませんでしたが、
雨竜役の吉沢亮さんはフォーゼでも福士蒼汰さんと共演なさっていて、
主人公のこと大大大大好きな2号ライダーだったので、
雨竜とどう違うかというと、あまり違わない。

内容ばれ

キメキメの白哉兄様の背景にくっきり映る「うな丼」の文字が
なんだか愉快だったので、まあいいかという感じです。


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「未来のミライ」

2018年07月22日 | アニメ映画

細田守監督・脚本。
妹の生まれた4歳の男の子、くんちゃんは
お父さんもお母さんも妹の世話と家事に忙しく、
自分を構ってくれないのに不満気味。
しかしある日、庭に出るとそこには不思議な風景が広がっていて
1人の見知らぬ男がいた…というあらすじ。

監督の過去作品、ヒロインや母の描き方にモヤ…ってする事が多かったのですが、
今回はそれが少なかった。
イヤイヤ期フルスロットルの息子プラス新生児の世話で
父も母も満身創痍、ワンオペ育児?愛情さえあれば子は育つ?寝言は寝て言え!という
過酷な育児描写がちょっとあります。
あと最初はファッションイクメンだったお父さんが
段々と家事育児慣れしていく過程の描写も。

起承転結の形式ではなく、どちらかといえば絵本っぽい反復で進行します。
変顔とか、身体的なギャグシーンがあるので
監督作品の中では比較的小さなお子さん向けなのではないかと思う。
(怖いシーンもちょっとあるけれども)
ただ、一部の男性と、育児に全く興味ない層からは
叩かれそうだなこれ…という気がしている。(気が早い)
私は「おおかみこども~」があまり好きじゃないのと逆の理由で、
この作品の事はちょっと好きです。
起承転結があれば、もっと好きだった。

内容ばれ

血族の話。
ひいじいちゃんの話が好き。
ひいじいちゃん、イケメン声だなあ…ってぼんやり思ってましたが、
エンドロール見て、ファー…ってなった。

私は常にどのエピソードでも親の視点で見ていたので、
「地獄…がんばれ…がんばれ…」
って思ってましたが、
ちょっと感想を見て回って、大人でもくんちゃんの視点で見て、
くんちゃんが可哀そうだ!ひどい!って感じる人がいるのか!
とびっくりしたりした。

しかし未来世界の美形兄妹はちょっと萌えます。

あの家すごくおしゃれだけど、足腰が悪くなったら詰む。



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「ジュラシック・ワールド 炎の王国」

2018年07月16日 | パニック映画

前作で、恐竜たちが残った状態で放置されていたイスラ・ヌブラル島。
にわかに火山の噴火の兆候が見られ、恐竜存続派のクレアは、
スポンサーであるロックウッド財閥の助けを得て、
島にいまだ生存している恐竜の捕獲を目的としたチームの一員となり、
オーウェンを推挙するが…というあらすじ。

監督が交代して、J・A・バヨナ監督になりました。
「永遠のこどもたち」などを撮られた監督ですが、
後半ちょっと館ホラーっぽいかも。

ブルーが可愛いので、ブルー好きな人は見に行ったほうがいいです。

ラストばれ

タイトルにつながった感。
なるほどーと思ったんですが、
待て待て、「恐竜さんかわいそう」でやっていいことではないよねそれは…。
というか普通に考えて軍隊が出て、あのあと駆除されたとは思いますけど…。

甚大な被害が出たでしょうけど、補償はロックウッド財団が受け持ったんだろうか。
科学で人工的に作られた生物の保護についての議論に神の意志が出てくるのは
面白いなと思いました。

ブルーが、けなげだった。
狼の血が入った犬とかもああいう風に、
飼い主が弱っていると(捻挫で足を引きずる等)
主導権をとろうとして襲いかかってくるそうですが、
心配して寄りそってくるというのは
ものすごく知能が高いんだなという感じ。
この映画でオーウェンのこと好きな生物は、
みんな恐竜の血が入ってるんだと思います。





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「オンリー・ザ・ブレイブ」

2018年07月09日 | 実話系

ジョセフ・コシンスキー監督(トロン: レガシー、オブリビオン等)
アリゾナ州プレスコット市の消火精鋭部隊、
「グラニット・マウンテン・ホットショット」の20名が
山火事に立ち向かう姿を描く。実話を元にした話。
森林消火では具体的に何をするのか、
訓練はどういう感じなのか、隊員1人1人はどんな人なのか
丁寧に描写してある映画です。
家族との問題もしっかり時間をかけてある。

当然ながら火災のシーンが多いですが、大迫力です。

ラストばれ

ヤーネルヒルの大火災を知らなかったので、ラスト本当にびっくりしました。
そういう…。隊員たちの自己犠牲的な活躍とか、
生への執着とか、いくらでも盛って5倍くらい泣かす映画にできたと思うんですが、
淡々と、不運とちょっとした油断という感じに描かれているのが
上品だなと思いました。

私はこの手のホモソーシャル的組織の実話英雄譚映画に出てくる妻が苦手で、
それは「愛してる」と「帰ってきて」しか言わない、
お喋り人形みたいな雑なキャラクター描写のせいなんですが、
この映画のジェニファー・コネリーは、車で横転事故を起こしても翌日仕事する、
自分の失禁話で笑いをとってくる、個性の強い妻ちゃんで、安心感ありました。
家庭描写いらんという人もいらっしゃるとは思いますけど。
それにしてもジェニファー・コネリー20歳くらい若く見えた。

ヤク中のマイルズ・テラーが、ヤクをやりながらヘラヘラ生きてたら
別れた彼女が妊娠して、責任を取らなきゃ…と彼女のところに行ったら
「お前はいらん」宣告をされ、しかも投獄されて帰ってきたら母にも
出てけー!と言われるというスタンダードなクズなのですが、
消火隊に入って、サノスに根性を叩き直され真人間になっていくという
更生話でもあります。
ヤク中のことをずっとイビってくる隊員がいるんですが、
やがて仲良くなって、同居するようになったり、一緒に赤ん坊の世話をしたりして、
にっこりしました。

ところで20人の隊員は全員白人で、サノスも過去ヤク中だった描写がありましたが、
これって偶然なのかそれともそういう風習なのか、どっち?って思いました。
アリゾナ州の田舎のほうは今でも男性はカウボーイ風の格好をしている。

防火帯の面積が少なすぎたのではないか等の検証がされていたようです。




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