映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

ゲキシネ「狐晴明九尾狩」劇団☆新感線

2022年06月27日 | 舞台

安倍晴明ものです。
ある夜、不吉な星を見た晴明は、それを九尾の妖狐が日本に渡ってきた兆しと読む。
同時に中国へ留学していた幼馴染、賀茂利風が帰朝し晴明は喜ぶが、
旧友に違和感を感じた彼は…というあらすじ。

垂れ目の美形ヤレヤレ系天才最強陰陽師が中村倫也さん、
その唯一の弱点にして幼馴染の親友が向井理さん。
ウワー!っていう。
脚本中島かずきさんのBLへの理解度が着実にアップしている。

歌ありアクションあり涙あり笑いありの贅沢な3時間でした。

全部ばれ

九尾と晴明の駆け引きがメインのあらすじですけど、
左大臣と右大臣で、最初の善悪の印象が逆転したり
虐殺の被害者と見られていた桃狐霊の一族が実はそうではなかったり、
そういう定番外しも面白かった。
演出では、幕間の直前にタイトルの文字が逆転するやつもよかったな。
狐が晴明を狩るという。向井理さんは悪人顔もお似合いですね。

執着しなさそうでいて情が濃いのが晴明で、
心が柔らかそうでいて思い切りがよくあっさりしているのが利風。
その設定を中村倫也さんと向井理さんの顔で三次元化されると大変危険ですよ…。
帰宅してすぐに二次創作を探しにネットの海へ漕ぎ出しましたからね。

衣装が素晴らしかったです。
蜘蛛モチーフの元方院さまの帯と冠と打掛け。
耳の裏の細かい毛まで表現されて、
どんな激しいアクションでも髪の散り方が不自然でなく、
なおかつ弟のほうは耳を垂らすこともできる桃狐霊と藍狐霊のかつら。
素敵にモフモフしている豊かな髪なのに頭がでかく見えないバランス、
かつキツネ部分を最小限に留めてあくまで本人の薄い冷たい目鼻立ちを引き立てるメイク、
九尾の第二形態は特にすごかった。

最後に、晴明の感情を欲しがったのは九尾なのか利風なのか、
晴明は本当にそれを防げなかったのか、
旧友と共にあれるようにあえて手放したのではないか、
などなど、考察が捗りそうでした。

関係ないですが山の民の名前が出て、おっ、サンカねた来るか?
と思ったが登場せず、ほぼ名前のみだった。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ザ・ロストシティ」

2022年06月26日 | コメディ


有名恋愛小説家の主人公は夫を亡くしてから休筆していたが
復帰作となる作品のツアー中、謎の大富豪に誘拐される。
彼女の救出に向かうのは、マッチョでイケメンだけど
中身はいまひとつ頼りないカバーモデルだった…というあらすじ。
冒険コメディ+ロマンス映画。
すごい馬鹿馬鹿しいけど、よく考えられていて、
ロマンスも程よく、優しい話でした。
自己投影して映画を見るタイプの男性向きではない。
主演はサンドラ・ブロックとチャニング・テイタム。

若くはない知的な主人公と、姿は美しくて周囲から好かれているが
知力はなく何もできない異性、という過去の定番の逆転版を意図的にやっている。
しかしチャニング・テイタム演じるモデルも、単なるバカなイケメンではなく、
視聴者が段々彼に好意を持つように、エピソードが重ねられます。

ダニエル・ラドクリフさんの出演作選びは信頼が置ける。
今回は楽しそうにヴィランを演じておられたが
最近の彼の役柄のなかでは常識的な人だった。

血がたくさん出るシーンが1回だけあります注意。

ラストまでばれ

モデルは、考えが足りないだけで、
見栄をはらずに分からないことは何でも素直に聞くし
ヒロインを支配しようとしないし、いいやつ。
一緒にいて楽しいのが一番の恋愛だと私は思いますよ。

チャニング・テイタムの背中に色々くっつけて笑いを取りにくるのやめて(笑)
ヒルはそうでもなかったけど、フェイスパックで笑ってしまった。
ミイラ人間も、くるぞくるぞって感じで、ブラピのところで笑った。

ブラピが、主人公か!?ってくらい存在が輝いてて、
でもあのあんまりな退場なのも好きなセンスです。
この人はクリフ・ブース(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド)
の子孫なのでは…?と思った。

エンドロール中に映像があるのでお見逃しなく。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」

2022年06月21日 | サスペンス映画
ディーン・フジオカさんと岩田剛典さんがコンビの、
現代日本ものシャーロック・ホームズ。2019年の秋ドラでした。

瀬戸内海の島に邸宅を構える富豪、蓮壁家の誘拐事件の謎を解決するため
島に渡った獅子雄と若宮だったが…というあらすじ。
予告を見たときに一体どういうバスカヴィルなのか
想像もつかなかったので映画館へ行きましたが、
ドイル卿がびっくりして墓から起き上がりそうなくらい全然違う話だった。
お金持ちの人が魔犬に狙われるところだけはかろうじて合致。
登場人物の名前に面影があります。ダート・ムーアも名前だけ出てくる。

ドラマ版の記憶がウロだったのですが、
なにしろ見たドラマ・小説・漫画、全部感想を書いているので
余裕余裕と思って読み返したら、
医学部不正入試の代金が200万円は安すぎるというようなことが書いてあり、ふいた。
お金への執着が強い。(でもたしかに安いね)


愛犬家のかたちゅうい(反転)
死亡のシーンは無いがおそらく犬が死ぬだろう流れ。

あとこれは愛犬家のかたでも意見が割れると思うのですが
意地の悪い子供が犬をいじめる演出で、おもちゃの刀でぶつシーンがあります。
SNSの動画の同じような事例でも
「子供が乱暴しても全然嫌がらない賢い犬!優しい!」という意見と
「性根の悪い小型人間め!爆発四散しろ!」という意見の両方を見かけるので。

ラストばれ

今回の脚本はメインライターの方じゃないんですね。

魔犬の正体がドローンでキャッキャしてしまいました。
ドラマ「エレメンタリー」のバスカヴィル家も科学技術ネタでしたけど、
古典+テクノロジーって燃えますね。

本物の犬くんは演技が達者でびっくりしてしまった。
魔犬の声におびえる演技とか、どうやって演技指導したんだろう。

ステープルトンさんは脅迫状とか出さずに
普通に説明してあげたほうが好感度が上がると思うよ…。
あと若宮くんの風呂覗きのシーンの前にもう1シーンないと変じゃないかな?
きみは獅子雄に命令されたら何でもするのか。

ブツはどこから輸送されてくるんだろうとか、
空輸したとしても、途中で無害になるんじゃないだろうかとか
ちょっと気になった。まさか国内から来るって設定か?

蓮壁家は愛媛の萬翠荘ですね。邸宅というかお城みたい。



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「炎の少女チャーリー」

2022年06月19日 | ホラー映画

スティーヴン・キングの「Firestarter」二度目の映画化。
何か画期的な炎の表現方法とか、
現代風の解釈とかがある再映画化なのだと思ったけど、
とくにそういうのではなく、ごく普通の「Firestarter」。
約40年前のドリュー・バリモア主演版のほうがよかったかもしれん。

新薬の被験バイトで知り合った男女が結婚し子供が生まれるが
彼等の娘は念じれば自在に高熱を発せられる能力者だった。
一家は組織の追及を逃れて国内を転々とするが、ある日とうとう…というあらすじ。

すごい能力を持つ子供が組織に狙われるという
昔の鉄板物語です。
敵の責任者が女性になった以外は特にこれといった刷新はない。

ねこちゃんが残酷に死にます。

ラストまでばれ

バッドエンドですやん……。
なんで親の敵と逃避行エンドみたいになってますの…。
あとチャーリーの能力の弱体化も気になりました。
ラスト、チャーリーの無限大の能力で
すべてが溶けて蒸発し、レインバード瞬殺がカタルシスですやん。
なんで耐火スーツごときで無効化できますのん。
山火事以下ですやん。
能力発動も髪がファッってなる、20世紀の表現のままで、
ハ?って感じでした。
もっと新しい演出がいくらでもありますやん…。

原作のチャーリーは賢い女児なので、
マスコミにぶちまけるエンドです。めでたしめでたし。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする