映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
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「ジェミニマン」

2019年10月29日 | アクション映画

比類ない戦闘センスを持つエージェントのウィル・スミスは
テロリストなどを秘密裏に暗殺する仕事に従事していたが
51歳になって技術の衰えが自覚され始め、引退を決意する。
しかしそんな彼を抹殺しようとする勢力が現れ、
暗殺者が襲いかかるが、
それはかつての自分とそっくりな青年で…というあらすじ。

自分のクローンと戦う男の話。
製作のいかにもブラッカイマーらしい荒っぽいプロットに
監督アン・リーのしっとりした人間味とドロッとしたエゴ、
なかなかいい塩梅だと思うんですが、興行成績は振るわず。
天才的戦闘センスを持つ男が無双する話はアホほどあるので、
もうちょっと分かりやすい差別化を図るべきだったのかも。
天才VS天才のアクションが良いです。

このウィルウィル、スミススミスの状況を作り出したヴィランが、
平たく言うと主人公の気持ち悪いファンなんですが、
もう本当頭がおかしい。

ラストばれ

最後、逃げたら助かったのに
「なんでお前が怒るのか分からない!」って
わざわウィル・スミスに説明に来たのはこわい。
ヴィランは主人公の軍属時代の友人で、
主人公があまりに強くて格好いいので勝手にクローンを作って、
自分の養子にして愛情を注いで育てて
「お前は消防署の前に捨てられとったんやで」とか
「世界中のどの父親よりお前を愛しているんやで」とか言って、
殺人マシーンにしたんですよ。
(しかも最終的にもう1人小さなウィル・スミスが出てきて
ウィルウィルウィル、スミススミススミスに)
なんでウィル・スミスとヤングウィル・スミスが
怒らないと思ったのか、むしろ聞きたい。
でもサイコがパスパスしているひとって、
本当に心から自分は悪くない、
皆が怒るのがおかしいと感じるそうですね。

ヴィランの部屋の壁に、
いかにも頭のおかしなヴィランが飾りそうな絵がありました。
知識の泉インターネットでフランシス・ベーコンの
「ある磔刑の基部にいる人物像のための三習作」という絵であることを知りました。
(割りと好きです)
そしてウィル・スミスの家には
単なる脳筋ではなく文化を解するという記号なのでしょう、
盆栽がありました。

この映画の主人公もウィル・スミスも51歳なのですが、
ヒロインの中の人は34歳、一昔前のハリウッド映画なら
余裕でラブロマンスに発展したでしょうけど、
「若かったら夢中になったと思うけど…」という主人公のセリフがあり、
2人は頼れる相棒以上の関係にはなりません。
監督のアン・リーは60越え、製作ブラッカイマーは70半ば、
脚本家3名は皆50歳前後で、
この意識のアップデートはすごいなと思いました。
(そして明言はされてないがウィルウィル・スミススミスは童貞という設定)
あ、ただ助っ人のベネディクト・ウォン氏は、
やや扱いがマジカルウォン風味だった。


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「映画 スター☆トゥインクルプリキュア星のうたに想いをこめて」

2019年10月24日 | ドキュメンタリー

ひょんなことから星のかけらに気に入られた、ひかるとララは
小さな生き物をユーマと名付け、世界のあちこちを見て回る。
しかしユーマは宇宙でも希少な存在でオークションでも高値がつくことから、
宇宙ハンターたちが狙っていたのだった…というあらすじ。

未知の生き物が中心になって話が回る
プリキュア映画のド定番の形式ですけど、
これまでのプリキュア映画の中で一番、
2時間のアニメ映画作品、という感じでした。
未知の生き物に関する描写が丁寧だったからだと思います。

内容ばれ

ユーマが最後まで地球の言語を喋らなかったのが良かった。

ミラクルライトの使い方は、
コンサートでのペンライトの使い方に近く、新鮮でしたが
過去作品の映画の作法に慣れている女児たちは
ちょっと戸惑っている空気を感じました。
やっぱり振り始めと振り終わりには
分かりやすく声を掛けてあげてほしいでプルンス。
あと女児の体力を考慮して、もうちょっと短めがいいでプルンス。
今回雰囲気重視でエンディングがカットされてましたが、
やっぱり気合入れて仮装してきた女児に踊らせてあげてほしいな。





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「マレフィセント2」

2019年10月23日 | ファンタジー映画

子告で「究極の愛が試される」って言ってたんですが、
この愛はオーロラとマレフィセントお義母さまのそれだろうなあ…
と思っていたら、やっぱりそうでした。

フィリップ王子と婚約したオーロラ。
マレフィセントは大激怒するが、オーロラの懇願に負けて
先方の食事会に参加する。
舅である王は優しく彼等を迎えるが、姑の王妃(ミシェル・ファイファー)は
言葉の端々に剣呑なものを滲ませる。
王妃の挑発に乗ったマレフィセントは…というあらすじ。

話のバランスは少々悪いのですが、
オーロラとマレフィセントお義母さまの
百合ホームドラマ的には大変よろしかったです。
あと私はカラスのディアヴァルが好きなので
死亡フラグが立たない程度に活躍してくれてキャッキャしました。

内容ばれ(というかマレフィセントがかわいい所)
婚家での食事会に備えて
マレフィセントがこっそりと挨拶の練習をするところ、
ディアヴァルがアドバイザーをやっているところ、
一体何なのというかわいさ。
というか食事会に来るのかよディアヴァル!
テーブルに着席するのかよ! オーロラとの続柄はなんなのよ!

結婚式で、花嫁を花婿に引き渡す役の人が
手を握って離さないのとかね、もう… (膝をつく)。
ディアヴァルに「離してあげなさい」って
言われちゃうのとかね (丸くなる)。
オーロラが「ウェル、ウェル」言っちゃって、
マレフィセントが「ビースティ」って
言うシーン可愛かったなあ。
ビースティって前作でどんな訳だったかな。
「おブスちゃん」てきなニュアンスですよね。

たぶん白いMIYABIさんは、続編でマレフィセントと
いい雰囲気になる立ち位置だったんでしょうけど
続かないような気もするので、 動揺するディアヴァルとか
結局ディアヴァルのところに帰ってくるマレフィセントとか空想しておきます。
きっとまた「頭でも打った?」って言うんだろうなディアヴァル。

マレフィセントの同属の人々は、あまりに考えなしなので
ちょっとポカーンとした。なぜ勝てると思った。
あと何の罪もないムーアの妖精たちが
一箇所に集められて閉じ込められて、
ガスを噴射されるシーンは、 あの、ちょっと何というか…
不必要に長かったので、ここまでしなくてもとは思いました。
あとフリットルについてオーロラのリアクションがほしかったのと、
それとフリットル、最後喋ってくれたらなあ。

この映画のフィリップ王子は、
いるだけヒロイン男性版みたいな感じなんですが、
潔く前作と役者さんが違った。
悪のお妃様の帰ってこなかった兄王子の話、
結局真相は分からないままですけど、
ムーアで命を落としたのか、
ムーアが気に入って帰らなかったのか、
なんでしょうね。 それで民衆が王族に怒りをぶおつけるというのも謎の設定だ。






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「フッド ザ・ビギニング」

2019年10月22日 | バトル映画

実写ロビンフッドを見るのもこれで3作目。(1991年版、2010年版)
レギュラーキャラクターの中でもマリアンとタック、
ウィル・スカーレット、リトル・ジョンは登場率高いですが
他はまちまちですね。
今回は時流なのか、アメコミ映画っぽさがあります。
特訓シーンとか、工作シーンとか。
ポリコレも意識されてて、ジョンがイスラム教徒設定です。
しかしながらキリスト教VSイスラム教という図式はふんわり回避されてて、
理はジョンのほうにあり、悪人たちはキリスト教の教えに背く守銭奴です。

特筆すべきはベン・メンデルソーンで、
私がSWでのベン・メンデルソーンはこういう役になるんだろうなと思ってた、
そういうベン・メンデルソーンがたくさん見られました。
みんなの夢のベン・メンデルソーンを煮詰めた、
スーパーベン・メンデルソーンタイム満載の、
「ベン・メンデルソーン ビギニング」というタイトルにしてもいい感じだった。

内容ばれ

なんせ少年の頃に年寄り連中から、若干ヤバいニュアンスの虐待を受けて、
精神がねじまがったサディストのベン・メンデルソーンがロングコートを翻し、
民衆を弾圧しつつ枢機卿には雌伏しているというやつですぞ。
仮想敵が攻めてくるから軍備が必要で、
税金をいっぱいとるぞー!!!っていう演説、とても輝いてました。

しかし全体の流れ、特に後半はやや推敲不足で、
特にフッドさんの元に一致団結して、徹底抗戦が始まってすぐ、
状況の悲惨さに過去の戦争体験がフラッシュバックして投降してしまうフッドさんの流れは
あきらかにおかしかった…。
ジョンの活躍シーンを入れたかったんだろうけど。

続編を意識した当て馬くんの扱い…。
というか当て馬くんがウィル・スカーレットだったのか…
最後まで全く気付かなかった。


あ、ちょっとだけ馬が負傷するシーンがあります。



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「スペシャルアクターズ」

2019年10月22日 | コメディ

カメ止めの上田慎一郎監督、第2作。

ストレスと緊張で気絶してしまう疾患のある主人公は、
役者志望だったがオーディションにも落ち続け、
家賃の支払いにも困る生活を送っていた。
ある日持病が原因でとうとうアルバイトも首になってしまい、
途方に暮れていたところ、疎遠になっていた弟と出会う。
彼は依頼者の要望に合わせてシナリオから作成して役者を派遣する
風変わりな事務所「スペシャルアクターズ」に所属しており、
主人公をその仕事に誘うのだった、というあらすじ。

後味がとってもよいので誰と行っても楽しい映画です。
カメ止めでハードルが上がったままだとちょっと苦しいけど
これはこれで面白い。
それにしても親が理由の精神疾患、カウンセラー、
貧困、仕事クビ、それでも芸能の仕事を目指す、というところまでは
「ジョーカー」と一緒なのに、全然違う。

大箱でスタートしたけど、宣伝が足りてないので
もっと頑張れ頑張れ。
個人的には大手芸能事務所や大手広告代理店の噛まない、
こういう邦画が当たっちゃってもいいじゃないと思う。

オチばれ

たしかに、言われてみれば、
必要のない演技はしてなかった?
(いや、ちょっとあったか?)
私はカチコミのシーンで気付きました(笑)
弟からの矢印が太くてすばらしい。
疎遠になった理由は描かれてなかったけど、
男兄弟ってあんな距離感なんかしら。

あの主演のかた、素でああいう調子の人だとしか思えない演技ですね。



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