読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

大根・小松菜は今

2021年11月22日 | 畑の作物

年内にどこまで育つか

 今店先には大根・小松菜はかなり安く売られています。ある店では1本27円でした。
これは特別としても、大体100円以下です。
 ということはプロの農家にとっては「持ってけ泥棒!とヤケになるほど安く卸してい
るということで、今が収穫最盛期ではないでしょうか。

 ところで10月初めに種を蒔いた我が家の大根・小松菜は二度の間引きを経て、まだ成
長途上です。
 今回の大根栽培の最大の難点は、旅行中の風雨予報があって害虫対策も兼ねてビニー
ルシートをかけたせいで、やや軟弱な徒長状態にあるからです。

    
   奥が大根手前が小松菜
   
   やや貧弱な大根
 
   小松菜は順調

                (以上この項終わり)

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アストリッド・ホーレーダー『裏切り者』

2021年11月16日 | 読書

◇『裏切り者』(原題:JUDAS)

  著者:アストリッド・ホーレーダー(Astrid Holleeder)

    訳者:小松 佳代子    2021.5 早川書房 刊 

  
 これは犯罪ドキュメントと称されているが、この作品の魅力は犯罪自体よりも
犯罪実行者ウィレム・ホーレーダーの実妹が作者であり、首謀者である兄を告発
し、犯罪の背景と自身を含む家族の暴力の系譜を証言するというノンフィクショ
ンの魅力である。
 文章は歯切れよく、後半サスペンスフルな場面もあって、リアリティに満ちた
情景描写で気が付けば一気読みしている作品である。

 我が国の誘拐事件「グリコ・森永事件」における犯人がモデルにしたと言われ
るオランダの世界的ビール会社ハイネケンのCEOハイネケン氏誘拐事件(1983年)
から20年たった。事件後身代金が払われてハイネケン氏は救出された。フランス
・メイヤーなど3人の共犯者はまもなく逮捕されたが、主犯格のコル・ファン・
ハウトとウィレム・ホーレーダーは、フランスに逃亡しパリで拘束された。
 二人はオランダに送還後11年の実刑判決を受けたが5年で出所した。ウィレム
は裏社会をのし上がり、「オランダ史上最悪の犯罪者」と恐れられていたという。
(以上著書解説)

 著者アストリッドはホーレーダー家の末子である。ウィレム(通称ウィム)が
長男、姉がソーニャ、次男はヘラルトと言った。
 父はハイネケン社に勤めていた。独りよがりの暴力男だった。ボスとしての自
分をたてないと母と子供に暴力をふるった。
 アストリッドは父親のあまりの虐待に殺すしかないと包丁をベッドの下に隠し
ていたことがある。
 ウィルは父が亡くなってからは父親と同様暴力性を身に着けて、家族の王とな
ってすべてを仕切った。
 自己中で気に入らないと母と家族にあたるようになった。やがて家を出て地下
の犯罪組織に居場所を見出した。
 姉のソーニャはウィルの友人のコル・ファン・ハウトと結婚した。ヘラルトは
内気で無口だったが唯一まともな兄妹だった。

 ウィムの友人だったコルは3度殺されかかった。3度目にコルは殺された。殺し
を指図したのは友人でありコルの義兄のウィルだった。
  ウィムは家族の中ではもちろん誰に対しても権力者であり、なんでも人のせい
にした。ソーニャの夫コルを殺させたことを警察に知られまた刑務所に入れられ
ることを極度に恐れ、そんな兆候があったらソーニャはもちろん息子も娘も殺す
と常に脅していた。
 
 「裏切者」とはコルを裏切ったウィムのことである。アストリッドは言う、ウ
ィムは芯まで腐りきったイヌで、凶暴なイヌは殺処分するか、死ぬまで織の中に
入れておくしかない。ウィムを殺処分することは法律に反するが、檻の中に閉じ
込めることは可能だ。自分の兄を警察に売ることは忍びないが、自分や姉、姉の
子供まで死の恐怖で脅迫することは許せないと思う。
 
 用心深かったウィムも2006年に刑務所に入れられた。ただ殺人の罪ではなく脅
迫罪だったためわずか6年で出所してきた。
 ソーニャとアストリッドはこれ以上ウィムの悪事の片棒を担うのはごめんだと
彼女は司直の手を借りるしかないと司法省にウィムの悪事の詳細を訴える決心を
する。ただこれは決死の覚悟だった。ウィムは自分に歯向かうやつには必ず殺し
屋を差し向けたからである。

   司法省への道筋をつけてくれたのは犯罪ジャーナリスト・ピーターである。
    
 絶対的証拠を作るために苦労してウィムとの会話にコルの殺害に触れた内容を
含ませるように誘導しながら会話を録音する。
 万が一ソーニャに何かあったら音声記録が警察の手に渡る手筈になっていると
ウィムに警告する。

 ウィムの告発に必要な供述を始めてから2年も経った。司法省からはなかなか
告発の連絡はなかったが、別件でウィム関与の証言があって、コル殺害の件も追
及できる可能性が出たため、アストリッドは一族の関係者に一人一人同意を取り
付けた。ウィムの妻サンドラ、姉のソーニャとその娘フランシスと息子のリッチ
ー、弟のヘラルトそして母親。何といっても息子のウィムを無期懲役で一生刑務
所に閉じ込める告発の証言に母が同意することはないだろうと懸念していたが、
意外や母は自分の娘や孫を恐怖にさらすような息子は許せないと証言に同意した。
しかしながらアストリッドはこれまで家族へのウィムのリスクを食い止めるため
に、ウィムの相談役の立場であっただけに、肉親の兄を告発することに最後まで
罪悪感に苛まれていた。

 2015.3.23日ついに供述書が裁判所・地区検察庁・弁護側の手に渡った。
 その翌日サンドラとソーニャのインタビュー記事がメディアの一面を飾った。
テレグラフは「ホーレーダーをねじ伏せた女たち」と一面の見出しで飾った。
 
 ウィム告発に手を貸した今、いつ殺し屋に狙われるか分からない状況に置かれ
たソーニャたちは「殺し屋に狙われたら、一人くらい討ち取れるよう反撃手段を
身につけたい。タダでは死なない」と射撃クラブに入る。

 弁護士であるアストリッドは言う「がれかが自分の問題について話し始めると、
泣き言を言っていないで自力で何とかしなさいとつい思ってしまう」ほど強くな
った。
 しかしアストリッドは弁護士の仕事は辞めた。
いつ、どこで、何をすることになっているかすぐに知れる仕事を続けていれば、
間違いなく殺し屋の手に落ちるから。防弾チョッキ、ヘルメット、スロートプロ
テクターも手に入れた。

  重警備刑務所に収容されているにもかかわらず、ウィムは国際犯罪組織の殺し
屋にソーニャたちの殺害を依頼したらしいということを警察から知らされた。第
一順位はアストリッドだという。

 2016年3月ようやく裁判が始まったが、枝葉の証拠固めに終始し、核心的な審
理にはなかなか入れず、弁護側は期日の延期ばかり求めた。
 そこにウィムの証人殺害指示事件が立件され、ウィムの命運は尽きた。
 これは恐怖による人間支配の現実の見本である。 
                         (以上この項終わり)

 

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サリ-・ルーニー『カンバセーションズ・ウイズ・フレンズ』

2021年11月13日 | 読書

◇『カンバセーションズ・ウイズ・フレンズ』(CONVERSATIONS WITH FRIENDS)

  著者:サリ-・ルーニー(Sally Rooney)
  訳者:山崎 まどか   2021.9 早川書房 刊

  

 アイルランドダブリンの学生であり詩人のフランシスの語り調小説。冷静な目で周囲
と自分自身を観察している。
その視線が繊細で、正直である。中心人物は数人で、この小さな世界での関係性の変化
が興味深い。作中の芸術家同士の会話は日本人にはないアイロニーや鋭さがあって興味
深い。
 
 フランシス(21歳)は、中学生のころからの親友ボビーとは恋愛関係にあったがメリ
ッサたちとの交際が始まってからぎくしゃくすることが多くなり、結局別れることにな
った。
 そもそもボビーは男全体が嫌いだった。
   
 フランシスは大学で一緒のフィリップと文芸エージェンシーのインターンシップに参
加しているが、給付金は雀の涙ほどで、彼女自身は働くことには興味がない。
 フランシスとボビーは詩の朗読パフォーマンスで名を知られている。町の詩のイベン
トで知り合ったエッセイストのメリッサに一緒に飲もうと誘われて彼女の家に行く。
そこにはメリッサの夫のニックがいた。ハンサムだった。ニックは名を知られた俳優で
長身で知的でハンサムだった。ボビーはメリッサが気に入ったようだったが、フランシ
スは メリッサとはあまり気が合わず、ニックには一目惚れだった。
 ボビーによるとメリッサとニックの間はあまりうまくいっていないようだった。

 間もなく二人は深夜までお互いの作品や演技中心にメールでやり取りするようになる。
ボビーはフランシスがニックと仲良くしていることが気に入らず、諍いも生まれた。

 最初のニックに腕に触れられて、禁じられた接触に快感を覚えた。見つめられると力
を奪われたような気持になった。
 ニックに惚れていることはボビーにはすぐにばれた。「気にはしないけど」とボビー
は言った。
 メリッサが留守の日を見計らって自分からニックを訪ね、予測通り二人はsexをし
た。

 フランスにあるニックの別荘に招かれた時も二晩続けてニックの部屋で結ばれた。上
の階では妻のメリッサが寝ていたが。
 翌朝6人の朝食の席では邪な喜びが溢れてはちきれそうな気持ちになった。

 ニックが妻のメリッサと自分と同じようにsexしていると思うと嫉妬心が芽生えた。
些細な事の諍いから一時分かれる。ニックはメリッサにフランシスとの不倫を明かす。
メリッサは二人の関係は感づいてはいた。ニックが精神病院に入院していた時期にメ
リッサは不倫をしており、少し負い目があるという。しかし彼と別れるつもりはない
という。
 メリッサはニックは病的なまでに従順なのだと言う。フランシスはニックは不思議
なほど受け身な男だと思う。妻も愛人も似たような評価を下すところが面白い。

 父から生活費の送金が滞り、手がけていた短編小説が出版の運びになって、フラン
シスの留守中に初校が送られてきた。ボビーを主人公にした小説なのにまだ彼女に話
していなかったためボビーの不信を買い、彼女は家を出ていく。
 フランシスは前から自覚があった子宮内膜症の激しい痛みに陥る。そんな夜、ニッ
クから電話があって、メリッサとまた一緒に寝るようになったと言われる。まことに
受け身で従順な男なのだ。
 フランシスは何度目かの自傷行為に及ぶことに。

 作者はデビュー作の本作が「21世紀の傑作100冊」に選ばれ、世界で最も注目され
ている作家のひとりという。確かにリアルの会話もメール、チャットでの会話もその背
景となる心裡描写が独特で新鮮である。
    フランシスは結構ひとりよがりで偏屈なところがあるが、ナーイーブで人との付き合
いに気を使う方である、社会階層、ジェンダー、政治思想面での違いなどを含みつつ、
不倫相手のニックだけでなく、その妻メリッサとの確執を含む三角関係、加えて同性愛
の友人ボビーまで微妙に絡みあうパワーゲームで状況は混沌とし、なかなか先が読めな
いところがまた面白い。
                            (以上この項終わり)
 

   

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アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯(七)』

2021年11月04日 | 読書

◇『モンテ・クリスト伯(七)』(MONTE DE CRISTO)

 著者:アレクサンドル・デュマ(Alexandre Duma)

 訳者:山内 義雄  1956.8 岩波書店 刊

   
  最終巻である。
    ヴィルフォールの娘ヴァランテーヌは結局継母から毒入りの水を盛られる。
直前に司祭に身を変えて隣に住むことになったクリスト伯が現れて、
なぜかヴァランティーヌ
に妙な丸薬を与え
る。「大丈夫だ」と言いながら。(これは二人の関係と状況からして全く解
せない所業であるが=後述)

 恋人を失ったマクシミリアンは半狂乱である。
 ヴィルフォールはこれまでの家内における変死事件の犯人は妻しか考えられないと確信し、家
名の為にも妻を断頭台に送るわけにはいかないと自裁を迫る。 

 一方
父を失ったアルベールは母を故郷のマルセーユに送り出した後志願したアルジェリア騎兵
隊に向けて旅
立つ。

 偽のカヴァルカンティ侯爵、実は前科者の殺人者ベネディットの裁判が始まった。
ベネディットは裁判長の人定尋問で「私に名前はない。捨て子だったから。だが父の名は知って
いる」と言って、「そ
の名はヴィルフォール検事総長だ。彼は生まれたばかりの自分を庭に生き
埋めにした。そして復讐のために邸に忍び込んでいた男
が掘り起こしてくれ、育てて貰ったのだ」
と素性を明かす。満場は検事総長の犯罪を知り唖然と声もない。ヴィルフォ
ールは顔面蒼白、裁
判長には全て本当の
ことだと認める。

 ヴィルフォールは罪深い自分が妻を責め自裁を迫ったことを悔いて、止めさせようと自宅に急
いだが、妻は息子を殺し自分も毒を呑んで死んでいた。
 そこに現れたのは隣家に住むプゾーニ司祭。仮面を剝いで自分こそヴィルフォールによって牢
獄に送られたエドモン・ダンテスだと正体を明かす。
 しかし、ヴィルフォールを復讐の為に窮地に追い込んだものの、その妻子迄死なせた結果とな
ったことには「もう十分だ」と後悔する。結局ヴィルフォールは気が狂ってしまった。

 クリスト伯は恩人であるモレル氏の忘れ形見マクシミリアンを連れてローマへ向けてパリを後
にする。
 マルセーユのダンテスの家でメルセデスとクリスト伯は再会する。二人は胸が張り裂けるよう
な過去のつらい思い出を回顧する。「かつて人の良い、信じやすい何でも忘れてしまえる私だっ
たが、今では、執念深い、本心を隠した、底意地の悪い、非情な人間に変わりました」とダンテ
スは心情を吐露する。「ただ一人あなたを見抜くことができた女こそ、あなたの気持ちを分かっ
ているたった一人の女だということを信じてください。二人はお別れしましょう」、「いずれま
たと言ってください」とダンテス。「いいでしょう。私がまだ希望を失わずにいるいることをお
分りいただくために」とメルセデス。

    クリスト伯はかつてアルベールを誘拐したルイジ・ヴァンパを使ってダングラールを誘拐し、
ローマの地下洞窟に幽閉、餓死寸前まで追い込むが、犯した悪事を後悔し神に救いを求める姿を
見てこれを許し、解放した。

 そしてクリスト伯の、今は亡き恩人の息子マクシミリアンはアルジェリア騎兵隊から帰ってき
て、クリスト伯との約束通りモンテクリスト島に伯爵を訪ねる。息子のようにかわいがっていた
彼がいまだ亡くなったヴァランティーヌを想い苦しみにふさいでいる彼の前にヴァランティーヌ
を登場させる。死んだと思っていた彼女が現われ、マクシミリアンは驚く。どうやら特殊な薬で
一旦彼女を仮死状態にさせ、モンテクリスト島に運んで来ていたらしい。

 クリスト伯は島やパリにある自身の財産を全て二人に与えるという、手紙を残してエデと共に
島を去っていく。手紙には、「この世には、幸福もあり、不幸もある。ただ或るものは一つの状
態と他の状態の比較に過ぎないということ。主が、人間に将来の事がわかるようにさせてくださ
るであろうその日まで、人間の慧智はすべて次の言葉に尽きることをお忘れにならずに」
「待て、しかして希望せよ!」とあった。

かくして日本では「巌窟王」として知られたアレクサンドル・デュマの一大叙事詩は終わった。
積年の深い恨みを復讐によってはらしていく痛快さはあるが、最後には復讐によって罪もない人
も共連れにしたことへの反省もあって救われる。
                               (以上この項終わり)
 

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アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯(五)』

2021年11月03日 | 読書

◇『モンテ・クリスト伯(五)』(MONTE DE CRISTO)

 著者:アレクサンドル・デュマ(Alexandre Duma)

 訳者:山内 義雄  1956.8 岩波書店 刊

     

 モンテクリスト伯はついに最愛の恋人だったメルセデスに再会する。そのために周到に
策を練ってヴィルマール夫妻に舞踏会を開かせ、招待客にモルセール夫妻を加えさせた。
エドモン・ダンテスの許嫁だったメルセデスは、ダンテスは帰らないからと巧みに言い寄
る従兄フェルマンの妻になっていた。フェルマンは軍隊で昇進を遂げ、今は貴族の称号迄
得ていた。今はモルセール伯。息子のアルベールはモン・テクリスト伯に心酔している。

    メルセデスに会った伯爵はこれまでの人生を問われて「マルタで一人の娘を愛し、戦争
があって引き離された。娘は私を愛しており、私を待っていてくれると思っていたのに、
娘はよそへかたづいていました」と述べる。メルセデスはモンテクリスト伯はエドモン・
ダンテスだったのだと知るが、この切ない運命の再会にじっと耐える。
 
 かつてヴィルフォールが住んでいた自邸にヴィルマール夫妻を招いた伯爵は、ヴィルマ
ールが不倫のあげく産ませた嬰児を殺し埋めた悪事を、屋敷にまつわる幽霊話に仕立て上
げ、不倫相手だった(今はモンデール夫人)ともどもヴィルフォールを震え上がらせる。

 
 ヴィルフォールは娘のヴァランティーヌをアルベールの友人フランツと結婚させようと
思っている。ヴァランティーヌはマクシミリアン・モレルと相思相愛の仲であり、祖父は
反対している。なぜならヴィルフォールの父ノワルティエは元来ナポレオン党員であり、
王党であったフランツの父と決闘し殺害している。これを知らされたフランツはヴァラン
ティーヌとの婚姻を破談にする。

 一方ダンテスと同僚の元会計士ダングラールは今や銀行家として財を成している。その
娘ユージェニーと結婚させようとしていたが、双方とも相手を気に入っていない。父親の
ダングラールは最近では伯爵位を持ち、金もありそうなアンドレア・カバルカンティと一
緒にさせようと心変わりしていた。

 そんな中、ヴァランティーヌの祖母サン・メラン侯爵夫人の急死、ノワルティの従僕
パロアの急死など不審死が続く。医師は毒殺の疑いを伝える。犯人はヴィルフォール夫人
ではないかと疑われる。彼女は舅とヴァランティーヌを嫌っていた。パロマはノヴァル
ティのために用意したレモネードを飲んで死んだのである。
                            (以上この項終わり)

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