読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

落花生に子房柄が

2010年07月31日 | 畑の作物
 ◇いよいよ子房柄ができた

 久しぶりに雨が降った。畑の作物と耕作者にとってはまさに恵みの雨。
 畑の落花生は我が物顔にのさばって、足の踏み場もない。畝間を歩くときは蔓を
 踏まないように掻き分けて進む。

  足元の蔓を掻き分けると、あった!
  
子房柄が地中に潜り込んでいる。この先に落花生の実が出来るのだ。
  あと2ヶ月。10月頃には自家製の落花生を食べることが出来る(筈)。

  
     のさばる落花生
 
  
      土を目指す子房柄

  
      土のもぐ込んだ子房柄

 ◇その他の作物

  
     オクラ

  
      トマト

  
    枝を切り込んで2番手の茄子収穫を狙う

  (以上この項終わり)
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ロバート・B・パーカー追悼出版

2010年07月26日 | 読書

◇「勇気の季節」(原題:The Boxer and the Spy)
         著者:ロバート・B・パーカー(Robert Brown Parker) 訳者:光野多恵子 
         2010.3早川書房刊

  作者ロバート・B・パーカーは本年1月18日に亡くなった。77歳だった。妻のジョアン・
 パーカーも今年亡くなっている。
  1972年探偵スペンサーを主人公とするハードボイルド「ゴッドウルフの行方」で小説家デ
 ビューを果たした。
  以後スペンサーシリーズを初め、警察署長ジェッシィストーンシリーズ、女性探偵サニーランドル
 シリーズなど多くの作品を残した。
  スペンサーシリーズ第4作「約束の地」でアメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞を受賞し
 た。
  これまで多くの作品は菊地光が翻訳しているが、氏が81歳の高齢で亡くなっ
 てからは主として加賀山卓朗氏が引き継いでいる。
 (余談ながら菊地光氏はディック・フランシスの競馬シリーズの翻訳者でもあり、その名
  訳には常に感嘆を禁じえなかった。)

  パーカーの作品は、翻訳者の手腕もあるかと思うが、歯切れの良いテンポで素直
 に読み進むことが出来て好きな作家だった。「約束の地」はもとより、邦訳の殆ど
 とは言わないが、かなりの作品は読んだと思う。今回の作品はお得意のジャンル
 ハードボイルドではなく、ヤングアダルト小説に属する。

  ボクサーを目指すケリーとそのガールフレンドのアビー。二人はステロイド服用と自殺説で
 片付けられた同級生ジェイソンの死に疑問を持ったことがきっかけで、自分たちの
 高校の校長の不可解な行動と知事選立候補者のスキャンダルを巡り友人たちとス
 パイ大作戦を進め、ついに学校と行政委員会委員長の汚職とこれを隠そうとす
 る陰謀の全てを明らかにする。
  荒筋を述べれば赤川次郎が書いてもおかしくない内容ではあるが、主人公
 ケリーは黒人トレーナーのジョージからボクシングを教わっていく中で、勇気とは何か、恐
 怖心を克服するためには何が必要かなど、大人になっていく過程で誰しもぶつ
 かる壁を乗り越えていく・・・。
  
   この作品はパーカーの2008年の作品であるが、既に76歳を迎えていた作者が
 自身の高校時代を振りつつ描いた青春小説(このほかにも「われらがアウルズ」
 というYA小説もある。)である。ここで描かれている高校生の姿は、多分今のア
 メリカでは既に過去のものとなってしまった、少年同士の友情と恋なのかもしれ
 ない。しかし時代こそ違え、そこには立派な人間とは、男らしさとは何かをいま
 どきの青少年に伝えたい作者の暖かい眼差しを感じ取ることが出来よう。

     

  (以上この項終わり)

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百合を描く

2010年07月23日 | 水彩画

季節の花・ゆりを描く

  室内で、朝から31℃、湿度77%、無風。セミの声があったらもっと暑苦しいか。
  そういえば今年はまだセミの声を聞かない。
  この2.3日はとりわけ暑く、一昨日は映画館に逃げ込んだ。「踊る大捜査線」。
  
  今年の夏はこれまでになく暑い。どうやら残暑も続くらしい。
  畑の茄子がヘナ~としてきたのであわてて朝早くに水遣りをしたが、同じように
  畑の作業をしていた隣のオジサンは続けて2時間やったそうで、畑から帰って
  「頭が痛い」といって倒れこんだとか(奥様の証言)。典型的な熱中症だ。
  ヨーロッパや米国でも熱波で死ぬ人が増えている。室内でも熱中症患者がでる。
  高齢者は温度差に対応しきれないとか、代謝機能も衰えているので要注意だ。

  それはさておき、このところ知人から百合の花を戴いたり、店頭で手ごろな百
  合の花があって買い求めて描いたりしたので、作品2点をご覧ください。

  百合はカサブランカとかトップホワイトとかとにかく白い花が好きなので、いざ
  絵を描こうとすると白を浮き上がらせるのに腐心する。
  当然背景色をブルーなど寒色系にしてしまうが、何とかもう一工夫してみたい
  ものだ。

  いまひとつ苦労するのは花弁が白いとはいうものの陰影は当然あって、綿密
  な観察で花弁のひだひだを捉らえて立体感を出すのであるが、口でいうほど
  簡単ではない。
  葉っぱも、全体の立体感を出すために色合いのビミョウな違いを表現する。
  これがまた簡単ではない。
    <ゆり・その1>は一本のゆりで葉っぱが心許ないので、庭のアオキを手折
  って、ついでにモッコウバラの枝も切って挿した。
  <ゆり・その2>は咲いた花も蕾もいくつもあって、繚乱といったさまであり、
  騒々しい。テーマは繚乱。

  さて、そんなこんなで暑い最中、冷房も入れないで4時間ほど掛けて描いた絵
  は、そんな外部環境の熱とゆりを描こうと意気込んだ熱気がどの程度籠もっ
  ているだろうか。
 
 (百合の雄しべ(葯)は花粉が衣服につくと始末に終えないので、絵に描いたら
  すぐに取ってしまう。)

  <ゆり・その1>
   
    クレスターF8
   
  <ゆり・その2>

   
     クレスターF8

   (以上この項おわり)

  

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「目かくし」シリ・ハストヴエット

2010年07月14日 | 読書

鮮烈な印象シリ・ハストヴェットの「目かくし
  いつもいつもサスペンスとハードボイルドでは、余りにも偏りが過ぎるし、エンターテイメント
 一辺倒の誹りをまぬかれない。たまには純文学を、と思って図書館の本棚を探し
 ていたら、シリ・ハストヴェットという作家の作品に出会った。
  米国ミネソタ州ノースフィールドの生まれ。父親がノルウェー系三世、母親はノルウェ
 ー人で子供時代は英語の前にノルウェー語をおぼえたという。
 名門コロンビア大学大学院で19世紀英文学専攻の才媛、博士号を持つ。この小説
 の魅力は、フィクションの魔力に取りつかれた主人公の現実との混乱にある。
 
  詩やエッセイ・短編小説を書いてきたシリ・ハストヴェットの初めての長編ということ
 であるが、内容的には一人の主人公(アイリス・ヴィーガン)を巡る4編の短編をつな
 いだ連作短編集的な色彩も強い。ミネソタの田舎町からNYという「決して眠らない
 街」に出て、貧窮の中で精神的・肉体的に過酷な体験を重ねる若き女子学生の
 苦闘の記録である。作者の経歴と二重写しになっている部分が多く、フィクションと
 もノンフィクションともつかない描写にリアリティがあって、奇妙な魅力がある。
 
  亡くなった女性の遺品に不気味な執着を寄せるミスターモーニング(第1章)、人間よ
 りも写真を愛する若者ジョージ(第2章)、さまざまな人格に変わり忽然と姿を消す
 神経科患者のO夫人(第3章)、アイリスと恋に落ちる大学院担当教授のローズ博士
 と奇妙な魅力がある美術評論家パリス(第4章)。オムニバスのごとき構成でそれぞ
 れ独立しているが、主人公を取り巻く人々との交流を通じて自らの隠れた精神的
 偏りや執着が明らかになっていく。
  
  なんといってもこの小説の主題は、第4章に登場する「クラウス」であろう。「残忍
 な少年」を知ったために、フィクションの世界と現実の世界の境界が混沌として
 くる危うさ。 身にまとう衣装によって人格も変身するという、誰しもかすかに覚え
 のある魅力的体験に、やがて度を越してのめりこんでいく主人公の悩みが、繊
 細なタッチでつづられる。

  アイリスはある日恋するローズ教授にドイツの小説「残忍な少年」の翻訳を頼まれ
 る。難解で複雑なエッセイに苦労しながらも翻訳に取り組むアイリスは、間もなくその
 主人公「クラウス」少年の虜になる。「良い子」を強いられるクラウスは、想像の世界
 で不真面目で残忍な行動を望み、ついには衝動的にその実現を試みる。

  翻訳を続けるアイリスは自らも男性の姿形で街を徘徊し、剣呑な酒場をうろつく
 生活から抜け出せなくなる。男性の衣装を身に付けた時、自分が変身し、これ
 まで出来なかったことが平気にできるという魔力に取りつかれたのだ・・・。

  ところで著者シリ・ハストヴェットは、実際会った人の話では北欧系の長身の大変な
 美人だそうである。

  「目かくし(原題:The Blindfold)」
         著者:シリ・ハストヴェット(SIRI HUSTVEDT)
         訳者:斎藤英治
         白水社 2000年4月刊
                                 

                  

        (以上この項終わり)


  

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オクラの花

2010年07月06日 | 畑の作物

花の命は短い
  特にオクラは朝咲いて昼前にはもうしぼんでしまう。
  優しいクリーム色で、花弁の元の方はエンジと紫を混ぜたビロードのような色。
 
  また、今盛んに花をつけている「落花生」の花も短い命で、朝しか咲かない。

  下の写真は朝7時頃の花です。

  
                 オクラの花

  
                 落花生の花
  
     
           オクラ                            トマト

   
        落花生とオクラ

   (以上この項終わり)
  

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