◇『ギルドの系譜』(原題:Bloodline)
著 者: ジェームズ・ロリンズ(James Rollins)
訳 者: 桑田 健 2015.4 竹書房 刊(竹書房文庫)
梅雨明け早々に始まった猛暑続きの中での読書。選択ジャンルはエンターテイメント。
本書はたまたま図書館の新刊リストに上がっていたことからリクエストしたのであるが、
人気本でかなり後順位だった。ようやく手に入って寸暇を惜しみ一気に読み進んだ。
さすがジュイェームズ・ロリンズ。活劇らしくスリリングなアクションの展開で休む間
もない。早く映画化してくれないだろうか。私がプロデューサーなら主役のグレイ・ピア
スはトム・クルーズ、キャスリン・ブライアントはサンドラ・ブロックをあてようか。
シグマフォースシリーズ7で、シリーズはすでに11作まで刊行されている。『ギルドの
系譜』は『ケルトの封印』、『ジェファーソンの密約』に次ぐ三部作の三作目。
米国国防総省にDARPA(国防高等研究計画局)という組織がある(実在)。その傘下に
あるシグマフォースという秘密特殊部隊(仮想)が主体。このシグマと、12世紀のテンプ
ル騎士団に始まるという闇のテロ組織「ギルド」を牛耳る「真の血筋」との、手に汗を握
る戦いが繰り広げられる。
妊娠中の米国大統領の娘アマンダが誘拐された。誘拐を企てたと目されるのは「ギルド」。
この誘拐事件をひた隠し、極秘のうちに短期間で奪回する役目を担ったシグマグループは、
ケインという軍用犬として特殊訓練を受けたシェパード犬を伴うタッカーを仲間に引き入
れて寸秒を争う戦いに挑む。
ギルドは何百年という長い歴史の中で特定の一族が財力・政治力等を背景に指導性を発
揮して来た。現米大統領ギャント一族がそれであるが、「真の血筋」を標榜する一味が支
配力奪還を狙っている。謎のテロ組織はメンバーは厚いベールに覆われていて、政・財界
・科学技術・権力機構のあらゆる層に潜んでいる。大統領の孫が胎児のまま不老不死の実
験材料として扱われようとしている。その背景にあるのは。
長寿・不死の研究、究極のロボット戦士の研究、最先端人工構造物の展示場ドバイ、魅
力ある戦闘場面が目白押しで、これを映画化すれば大当たりすること間違いなしだと思う
のだが…。
(以上この項終わり)