「くちっぱた」は「口のまわり」意。
例文1
「
くちっぱた に ごはんつぶ ついてる
じ」=「口のまわりにご飯粒がついていますよ」
「
いもじる たべたら
くちっぱた が かいく なっ
ちまった」=「芋汁を食べたら口のまわりが痒くなってしまった」
「
きのーな から
くちっぱた が しびれる
だいね。 なんか びょうき
かいね」=「昨日から口のまわりが痺れるのですよ。 何か病気でしょうかね」
「
なにょ たべて きた
だい。
くちっぱた に けちゃっぷ ついてる
じ。 はやく ふき
ましょ」=「何を食べてきたのですか。 口のまわりにケチャップがついていますよ。 早く拭きなさいよ」
例文2
※織田信長と豊臣秀吉は幼馴染と言う仮定での会話
豊臣秀吉 「
おらーの
くちっぱたに なんかついている
かい。」
織田信長 「おー なんかくろい
もんがついているぞ。」
例文2の標準語(?)訳
織田信長 「秀吉さん 口のまわりに何を付けているのですか。」
豊臣秀吉 「俺の口のまわりに何かついていますか。」
織田信長 「おー 何か黒い物がついていますよ。」
豊臣秀吉 「信長さん 良く見てください。 黒子ではないですか。」
織田信長 「本当だ 良く見れば黒子ではないですか。」
デモ、クチッパタは今まで使ったことも聞いたことも有りません、聞いて見れば成程と納得の行く言葉ですが、例えば「山際」を「ヤマッパタ」とは言いませんし、「崖っぷち」も「ガケッパタ」とは言いません。
説明を聞けば成程と納得する言い回しだけに面白いですね。語彙が豊富と言うか、ヒョットすると日本語発生の起源に迫れるかもと期待の持てる言葉では無いかと思います。
幼少の頃、くちっぱたにご飯粒を付けているとよく言われました「くちっぱたにお土産つけて どこへ 行くだ。」と。
文献を見ていると、その昔京の都で使われていた言葉が廃れてしまっているのに、長野県では廃れずに残っているものもあるようです。
山に囲まれた長野県ならではないかと思います。
この「我が家の松本弁」シリーズはまだまだ続けられそうです。
懲りずにお付き合いいただければ幸いです。