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今日の残業は本当に必要か

日本には、長く働くことを美徳とする文化がある。早く仕事を終えて家に帰るときにはなんとなく後ろめたい気がするし、逆に、夜遅くまで仕事をしていると「俺って頑張ってるな」と思ってしまう。しかし、その感覚は健全といえるだろうか?

ソフト開発会社のソフトブレーンは、無駄な残業を廃止することで業績アップさせることを目指している。入社4年目で、8人からなるチームのリーダーを務める島田智司氏は、次のように語っている。

「スケジュールと仕事の内容を聞き、今日必ずすべきことか、早くこなす手法はないのかを問いかける。それが大量で、やりきれなければチーム全員に割り振ることもあります。大切なのは、「今日の残業は本当に必要かどうか」を考えさせること。言われたことを言われたままにやるだけでは、改善も進歩もありません。」

同社では、次のような試みをして、業務を効率化している。

・オフィスの空いている席を自由に使う「フリーアドレス制」を導入することで、その日の業務にかかわる人の近くに座ることができる。これによって、その場でミーティングができるなど、情報共有が促進される。

・集中して仕事をしたい人のために、窓に向かって静かに仕事に打ち込める席、スクリーンを下ろして孤立したスペースを作っている。そこで仕事をしている人は「仕事に集中したいんだな」という暗黙の了解ができる。

・各部で行われる「朝会」のときに、各人がその日にすることや目標を宣言する。上司は、なるべく仕事を均一化するとともに、宣言が達成されたかどうかをチェックする。

などなど。こうした試みは、生産性を高めるとともに、ワーク・ライフ・バランスを高めてメンタルケアにもつながる。仕事に集中できる環境を整え、自らの活動の質をチェックし、「今日の残業は本当に必要かどうか」を問うことは、職場における学びを促進する、と思った。

出所:「働く環境の効率化で時短と業績アップを目指す」Works, Feb.-Mar., 2008, 22-25.
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