goo

五十にして天命を知る

次の言葉は、『論語』の中でも特に有名な箇所である。

「子曰く、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従いて、矩を踰えず」

(現代語訳)老先生のことば。私は十五になったとき、学事に心が向かうようになった。三十歳に至って独りで立つことができた。やがて四十歳のとき、自信が揺るがず、もう惑うことがなくなった。五十歳を迎えたとき、天が私に与えた使命を自覚し奮闘することとなった。〔その後、苦難の道を歩んだ経験からか、〕六十歳ともなると、他人のことばを聞くとその細かい気持ちまで分るようになった。そして、七十歳のこの歳、自分のこころの求めるままに行動をしても、規定・規範からはずれるというようなことがなくなった。
(p.25-26)

孔子の30~40代は不遇の時代であったが、たくさんの弟子を育てたらしい。そして、50歳のときに政治家(行政長官)として採用されて活躍したものの、56歳のときに職を辞し、弟子とともに放浪の旅に出たという。

上記の言葉のうち、何と言っても「五十にして天命を知る」というところがかっこいい。また、人には、「基礎固めの時期→実力養成の時期→使命を実行する時期」というステージがあることがわかる。天命を全うするためにも、実力を養っておくことが大切である、と感じた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 主は恵み深く... 『ジーキル博... »