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行為の前の内省

キヤノンでは、1999年から、CKI活動と呼ばれるホワイトカラーの生産性向上を目的とした活動が行われている。(ちなみに、この活動は、インパクト・メソッドという手法をベースにキヤノン流にアレンジしたものである)

この活動で着目したいのは、仕事やプロジェクトを始める前に、徹底的に議論して、起こりうるべき問題を事前に検討することを重視している点だ。キヤノンでは、これを「フロントローディング」と呼んでいる。

経営学者のドナルド・ショーンは、内省を「行為の中の内省」と「行為の後の内省」に分けているが、キヤノンのフロントローディングの話を聞いて、「行為の前の内省」というものがあるのではないかと思った。

つまり、内省(リフレクション)とは、振り返るばかりでなく、仕事をする前に「先を読んでおく」ことも重要なのだ。

「行為の前の内省」→「行為の中の内省」→「行為の後の内省」がつながるとき、学びも深くなる、と言えるではないか。

出所:桑江曜子, 北川聡, 前島克好 (2011) 「ドラッカー思想の実践例としてのCKI ホワイトカラーの生産性向上を目指して」,ドラッカー学会年報, Vol. 6, p.88-103. 


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