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経験の紙芝居

東京大学の中原淳先生が実施するワークショップはとてもユニークである。その中でも面白いのは「自分が最も成長したと思えるプロジェクト」という内容の紙芝居を作ってもらうワークショップ。

ポイントは、紙芝居の最後にエンドロールを書いてもらうところ。エンドロールとは、映画の終わりに出る、製作者・監督・小道具係などの名前を列挙した一覧のことである。

マネジャーは、エンドロールを書くことで、多くの人が自分の仕事を支援してくれたことに気づくようになるらしい。

僕も本を執筆する際に、最後(「おわりに」の項)でお世話になった人の名前を挙げるのだが、その数の多さにいつもびっくりする。自分一人で本を書きあげたと思っていたのに、それが間違いであることに気づく瞬間である。

このワークショップは、紙芝居を作る過程でもいろいろなことに気づくし、紙芝居を見た人からの質問によって経験の意味を掘り下げることができるという点で、かなり優れたリフレクションの方法である。

どこかで一度やってみたいと思った。

出所:中原淳・金井壽宏『リフレクティブ・マネジャー:一流はつねに内省する』光文社新書.
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