曇り。
雲がだんだん薄くなって、青さが透けて見えるようになりました。晴れになるかな。
さて、学校です。
今年のネパールの4月生は、日本語では「白紙」状態の人が多かったので、本当に苦労しました。もちろん、苦労はまだ続いています。この学校では、今年の4月生から、ベトナム、スリランカ、ネパールの学生が全体の三分の二ほどをしめるようになりました。それで、その一端が、「ワカラナイ、ワカラナイ」ムードをもちますと、教室中がブラックホールに入ってしまったような雰囲気になってしまいます。学生が真面目なだけに余計困るのです。
もっとも、真面目と言いましても、日本式に勉強をする、予習・復習をするというのではありません。授業中、頑張るくらいのもの。
もともと、この学校では、「それだけでいい」というような授業のやり方を採っていました。アルバイトをする学生が多いので、自宅学習などあまり期待できないからです。ところが、非漢字圏の学生で、そういう人が多いと、最初から躓いてしまいます。二週間で「ひらがな」「カタカナ」を卒業して、次(漢字)に移るということが、難しいのです。数が多すぎるので、その人だけを取り出してというわけにもいかず、勢い、クラス全体で何度もやるということになってしまいます。
一応、習って来ているはずなのですが、書かせてみると、「あいうえお」の表、全部が埋まらない…。できても、しかとも知れぬ字がいくつも並んでいるような感じで、これは「な」じゃないとか、これは「が」じゃないとかいうことになる。そう言いましても、彼らはそういう「ひらがな」「カタカナ」を覚えるためだけに、1か月ほども費やしているわけですから、今更、変えられるものじゃない。
指摘されたから、これから注意して書くかというと、そういう(勉強の)習慣はありませんから、何度言っても、書かせても、前に出して注意しても、…それができない。そのときだけは、しまったという顔をしますし、「昨日も一昨日も言いました」と言えば、「先生、ごめんなさい」と本当に済まなそうな顔をする。
あまりに素直で幼いので、こちらがいけ好かない悪者になったような気になってしまう。
もっとも、もう入学してから、半年ほども経ちましたからね、「わからない」と言われても、「勉強しなさい。自分で出来ることがあるだろう」と(同情したい気持ちを)振り切るようにしています。多分、もう一度繰り返せばば、彼らは出来るようになるはず。だって、素直が一番強いのですから。
ただ、残念ですね。彼らだって、7月生たちのように、母語できちんと教えてもらっていれば、彼らと同じように、日本に来てからスムーズに勉強して行けたでしょうに。
中国人たちの時には、下手に中国で勉強してこない方がいいなんて言えましたが、ことベトナムやスリランカ、バングラデシュ、ネパールのような国に於いては、やはり母語で基本中の基本の「初級」くらいは入れてもらっておかなければ、大変。日本語での説明が判らないのですもの。教科書についてある、母語の説明がわからないという場合もありますし、英語の説明も彼らの英語力を遥かに超えている場合だってありますもの。
それに、4月に来たとしても、一年半で、大學を目指したいという学生だっているのですから。
日々是好日
雲がだんだん薄くなって、青さが透けて見えるようになりました。晴れになるかな。
さて、学校です。
今年のネパールの4月生は、日本語では「白紙」状態の人が多かったので、本当に苦労しました。もちろん、苦労はまだ続いています。この学校では、今年の4月生から、ベトナム、スリランカ、ネパールの学生が全体の三分の二ほどをしめるようになりました。それで、その一端が、「ワカラナイ、ワカラナイ」ムードをもちますと、教室中がブラックホールに入ってしまったような雰囲気になってしまいます。学生が真面目なだけに余計困るのです。
もっとも、真面目と言いましても、日本式に勉強をする、予習・復習をするというのではありません。授業中、頑張るくらいのもの。
もともと、この学校では、「それだけでいい」というような授業のやり方を採っていました。アルバイトをする学生が多いので、自宅学習などあまり期待できないからです。ところが、非漢字圏の学生で、そういう人が多いと、最初から躓いてしまいます。二週間で「ひらがな」「カタカナ」を卒業して、次(漢字)に移るということが、難しいのです。数が多すぎるので、その人だけを取り出してというわけにもいかず、勢い、クラス全体で何度もやるということになってしまいます。
一応、習って来ているはずなのですが、書かせてみると、「あいうえお」の表、全部が埋まらない…。できても、しかとも知れぬ字がいくつも並んでいるような感じで、これは「な」じゃないとか、これは「が」じゃないとかいうことになる。そう言いましても、彼らはそういう「ひらがな」「カタカナ」を覚えるためだけに、1か月ほども費やしているわけですから、今更、変えられるものじゃない。
指摘されたから、これから注意して書くかというと、そういう(勉強の)習慣はありませんから、何度言っても、書かせても、前に出して注意しても、…それができない。そのときだけは、しまったという顔をしますし、「昨日も一昨日も言いました」と言えば、「先生、ごめんなさい」と本当に済まなそうな顔をする。
あまりに素直で幼いので、こちらがいけ好かない悪者になったような気になってしまう。
もっとも、もう入学してから、半年ほども経ちましたからね、「わからない」と言われても、「勉強しなさい。自分で出来ることがあるだろう」と(同情したい気持ちを)振り切るようにしています。多分、もう一度繰り返せばば、彼らは出来るようになるはず。だって、素直が一番強いのですから。
ただ、残念ですね。彼らだって、7月生たちのように、母語できちんと教えてもらっていれば、彼らと同じように、日本に来てからスムーズに勉強して行けたでしょうに。
中国人たちの時には、下手に中国で勉強してこない方がいいなんて言えましたが、ことベトナムやスリランカ、バングラデシュ、ネパールのような国に於いては、やはり母語で基本中の基本の「初級」くらいは入れてもらっておかなければ、大変。日本語での説明が判らないのですもの。教科書についてある、母語の説明がわからないという場合もありますし、英語の説明も彼らの英語力を遥かに超えている場合だってありますもの。
それに、4月に来たとしても、一年半で、大學を目指したいという学生だっているのですから。
日々是好日