近年それほど注目されていなかったGTのロードシリーズ。レース系がないというのも理由ですが、今回は面白いラインナップで独自路線がいい感じ。
グレードという新モデルは全部で4種類リリースされますが、その全てがディスク仕様という思い切った選択肢。シクロクロスではなく、グラベルロードともまた違う、ユーティリティーディスクロードとカテゴリーされています。街乗りや通勤をメインとして考え、乗り心地と強度をMTBの技術から来ているGTのアイデンティティー、トリプルトライアングを採用。GTだとすぐわかる外観です。使用用途を絞ることでディスクロードも面白い選択肢だと思わせる車種です。価格98,000円~。
次に流行ると言われているカラー。それはカモフラージュ。ついに車体色にまで採用されるようになってきました。各社のパーツにも迷彩系が増えてきています。ワンポイントで取り入れて、流行を先取りしてみませんか。
キャノンデールのロードラインナップは、ほぼ変更ありませんでしたが、大きく変わったのはトライアスロンモデル。フルモデルチェンジされたスライスが登場。
こういうエアロフレームは、通常タイムトライアル兼、トライアスロンといったどちらにも良いというモデルが多いですが、スライスは完全にトライアスロン専用設計。スピード域が高く時間も短いTT系と目的が違うのは当然と言えば当然。
コンセプトは楽に効率よく、そして何より最終種目であるランにダメージを残さないこと。エアロも大事だけど疲れないというのがポイント。シートが立ち気味なポジションも専用ですが、BBハイトを下げて短めのクランクを使うことが前提だったりと、完成車状態の時まで考えた、かなりこだわった設計。楽しくロングディスタンスをこなせる最新のトライアスロン専用バイクです。価格550,000円(アルテグラ完成車)。
MAVICの定番にして最も人気の高いホイール、キシリウムシリーズ。2015年モデルはアルミリムを刷新した新型ラインナップになります。
ISM4Dと名付けられた新テクノロジーのリム。剛性を確保しつつ、どこまで軽くするかがポイント。スポークとスポークの間のリムを削り込んできたMAVICリムですが、それを更に横まで削り取り軽量さを追求したリムに。今までよりリム高が上がったのに重量は軽く。
ホイール全体の重量数値を見ると驚くほど軽いわけではありませんが、リム単体だけで見ればおそらくMAVICが最軽量。その分、スポークの強さで剛性感を出すため、全体の重量感があるように見えてしまいます。なので持っては普通ですが、「走ると際立つ軽さ」。これこそがMAVICの真骨頂。
今回はDISC対応もラインナップされます。価格は抑えられており、例年並み。他社が上がっているだけにまたMAVIC人気が復活しそうな感じです。
タイヤも新作。毎年のようにモデルチェンジされている気がしますが、それだけタイヤの開発も行われているということ。今回のポイントは溝。雨天時のグリップを突き詰めた結果が排水性。レースありきの考えです。
毎年人気のエントリーグレード、FELTのアルミFシリーズ。これは105完成車のF75です。まだ上位モデルの発表は無く、新作カーボンFフレームが気になるところですが、実はアルミも新作。
オーソドックスな造形はFシリーズの往年の形。7000系のバテッドフレームは、サイズによる剛性変化を考慮し、サイズごとにコントロールしてどのサイズに乗っても同じ乗り味、ジムフェルトの意図を感じて乗ることができます。そこにF2など上位グレードに使われていた軽量カーボンフォークが入り、よりレーシーなモデルとなっています。
5800系の105完成車という即実戦可能スペックですが、ブレーキ等がサードパーティというのがイマイチ。ここまで変えたら結局、割安感も損なわれる気がしますが、最初の購入価格としては安く感じます。価格158,000円。
ロードやフルサスMTBに話題が集中しているところですが、最も革新的なニューモデル、それが29インチのクロカンモデル、F-Siです。
見た目は普通の29ハードテールですが、今までの29とは全くの別モノ。29の走破性というメリットを生かし、ネックとされていたもっさり感やコントロール性の悪さを解消した新設計。29の問題点、リヤセンターが長くなってしまうこと。しかしそこには限界がありました。そんな概念を崩す新設計。
無いもの、合わないものは新しく作ればいい。そんな昔からのキャノンデールらしいパーツまで設計してしまう作り。429mmという29とは思えないチェーンステイに合わせて、ヘッドアングルとフォークオフセットも見直され、超クイックに加速も切り返しもスーパー速い、そして軽い。これは面白いと感じさせてくれる新しい29インチの形です。
2015年の新作で注目するべきモデルの一つ、ピナレロのフラッグシップ、ドグマF8。
見た目から大きく変わり、ピナレロのアイコンとも言えるONDAをやめた事も衝撃的。その理由はエアロ効果。より効率の良い空気抵抗軽減という目的のため形も様変わり。
最も注目したのは見た目ではなく、中身。カーボンを東レの最新マテリアルを使って、T1100になりましたが、今まで65tを使っていたことを考えると逆の特性を持ったカーボン繊維になっています。しかしこの素材こそが最新で最高であるという、作り出した東レも驚いているカーボンです。ピナレロだけというより、自転車業界に真っ先に使うというのもスゴイこと。
前作のドグマを乗っている身としては、ここ数年、他社を含めドグマを上回るような感動を受けたことはほぼなく、それほど完成度は高かったように思います。それをやめてまで、更にその上をいくドグマが誕生したことに驚いています。もっと軽く、もっと速く、最強のレーシングバイクであることは間違いない。価格648,000円。
MAVICから面白い新作シューズが登場。この「のぺっ」とした自転車用とは思えないフォルム。斬新ですね。
中身はトップモデルのゼリウムの新作。2つのダイアルシステムでホールドして、その上にエアロ効果を持たせるシューズカバーを付けています。最近ではレースシーンで少しでも空気抵抗を減らそうと、ワンピース型ジャージや通気口の少ないエアロヘルメットなどでレースをしているプロ選手を多く見ますが、シューズカバーも効果があると言われています。後から被せるのが通常ですが、最初からエアロシューズって新しい。本気のレーサーに使ってもらいたい逸品です。価格46,200円。
中にはクルクルラチェットが2つ。BOA製ではありませんが適度に、そして微調整が可能。定評ある柔らかアッパーにプラスして全体をホールドできるクロージャーになりました。