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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『舞妓はレディ』

2014年09月22日 | 映画(ま行)
『舞妓はレディ』
監督:周防正行
出演:上白石萌音,長谷川博己,富司純子,田畑智子,草刈民代,渡辺えり,
   竹中直人,高嶋政宏,濱田岳,岸部一徳,中村久美,岩本多代他

3連休最終日に2本ハシゴの2本目。
TOHOシネマズ梅田本館から別館アネックスに移動して。
これもよく客が入っています。

なにしろ『シコふんじゃった。』(1991)は私のオールタイム・フェイバリット。
『終の信託』(2012)は良かったけれど相当に重かったので、
こんな心から楽しめそうな久々の作品は嬉しいです。
しかも学生時代は京都にかよい、上七軒(かみしちけん)をいつも通っていましたから、
ひねりのある架空の地名も嬉しくなるというもの。

京都のの下八軒(しもはちけん)は歴史ある花街。
しかし、このところ深刻な舞妓不足に悩んでいる。
舞妓といえばもうじき三十路に突入しようかという百春(田畑智子)ひとりで、
あとは里春(草刈民代)や豆春(渡辺えり←いつのまにか改名していたのですね)など、
年を食った芸妓ばかり。

そんなある日、老舗のお茶屋・万寿楽へ、田舎弁丸出しの少女がやってくる。
彼女は舞妓志願の春子(上白石萌音)。
舞妓にほしいのはやまやまだが、春子のひどい訛りに女将の千春(富司純子)は唖然。
どうにもならないと追い返そうとするが、そのときたまたま万寿楽に居合わせたのが、
言語学者の京野(長谷川博己)と老舗呉服屋の社長・北野(岸部一徳)。

あの訛りでは舞妓は無理だと断言する北野に、
訛りだけが問題ならば訛りをなおしてみせると言う京野。
半年後に春子が舞妓になれるかどうか賭けをする。

田舎から単身で出てきた春子をそのまま居らせるわけにもいかず、
男衆の富さん(竹中直人)が春子と一緒に一旦田舎へ。
両親(高橋長英&草村礼子)の承諾を得て再び万寿楽へ戻る。
こうして春子は万寿楽の仕込み(見習い)となるのだが……。

歌はちょっぴり控えめのミュージカル
オーディションで主役を勝ち取ったという上白石萌音はめちゃ可愛くて歌も上手い。
若干長尺すぎるかなとは思いますが、ほかの出演陣も何より楽しそうのが○。
歌は上手いとは思えない富司純子にしても、品があって素敵です。

踊る草刈民代の美しさは惚れ惚れします。この人は濃い化粧ほど似合いますね。
横道ながら、「可愛いけど濃い化粧、特にアイメイクが似合わない二大女優」だと私が思っているのは、
蒼井優多部未華子です。

『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013)で大原櫻子を見たとき、
歌は上手いけど顔が幼すぎて佐藤健ロリコンに見えると思いましたが、
本作では千春の若かりし頃の役を日本髪で。
彼女の初恋の相手役で妻夫木聡がチラッと出ています。

特筆すべきは長谷川博己。もう可笑しいのなんのって。
『映画 鈴木先生』(2012)や『地獄でなぜ悪い』(2013)もそれなりにハマっていましたが、
それよりも断然これ。テンポがぴったりです。
エンディングでは竹中直人と渡辺えりの『Shall we ダンス?』(1996)ネタもあり、
キャストだけでも相当楽しい。

秋田出身の父が、訛りのままでは将来絶対苦労すると、
ずいぶん若いうちから標準語を話せるように心がけたと言っていました。
そんなことも思い出し、話すことにストレスを感じて声が出なくなる春子、
それをなんとかなぐさめようと、ある話をする京野に泣かされました。
そのせいで最後はまた笑っちゃうんですけれども。

正統派の娯楽作品、笑ってときどきホロリの135分です。

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