夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『思い出のマーニー』

2014年07月25日 | 映画(あ行)
『思い出のマーニー』
監督:米林宏昌
声の出演:高月彩良,有村架純,松嶋菜々子,寺島進,根岸季衣,
     森山良子,吉行和子,黒木瞳,森崎博之,安田顕他

十三で3本観た日の晩、京都へ。
行きつけのお店のソムリエ2人と食事をして、まだ宵の口。
しらふのダンナの運転で名神~新御を走って中津のワインバーへ。

もともとは京都でお別れするつもりだったため、中津に行くのは突然の思いつき。
いきなり行って臨時休業中だと困るので、
携帯不所持の私はソムリエに電話してもらったのですが、私は携帯で喋るのまで苦手。
相手の声が聞こえにくいし、どこに向かって話せばいいのかわからないのです。
そこでソムリエに中津のオーナー(互いに面識なし)とそのまま話してもらい、
現在ウチと一緒に京都にいて、今から中津へ行くからと伝えてもらいました。

電車がなくなる頃まで中津で飲んで、翌日は連休最後の日。
またしても飲みすぎの頭で早起きして、
眠たくならないことを祈りながらTOHOシネマズ梅田へ。

原作者は20世紀のイギリスの児童文学作家ジョーン・G・ロビンソン。
日本では1980年に岩波少年文庫より翻訳出版されたそうです。

札幌に暮らす中学1年生の杏奈には友だちがいない。
つらい生い立ちから心を閉ざし、孤独な日々を送っている。

あるとき、持病の喘息が悪化。
夏休み中に空気の綺麗なところで療養してはどうかと医者から勧められ、
養母の親戚でおおらかな夫婦が住む海辺の村を訪れる。

スケッチブック片手にふらりと出かけた先で、ふと目に留まる入江の古い屋敷。
地元の人からは湿っ地(しめっち)屋敷と呼ばれ、幽霊が出るという噂もあるらしい。
しかし杏奈はなぜか懐かしさを感じ、足を踏み入れる。

以来、うつつかまぼろしか、杏奈の前には屋敷に住む金髪の少女が現れるように。
少女はマーニーと名乗り、ふたりは友情を育んでゆくのだが……。

絵画的には美しく、そこのところは文句のつけようがありません。
だけど、正直なところ、ちょっと苦手な展開。

わりと最近、職場でイマドキの子どもたちは……という話になりました。
小学生や中学生の子ども(特に女の子でしょうか)を持つ同僚が、
「友だちでいること」を確認せずにいられない子が多いと言うのを聞き、
へ~、そうなのかと思いました。本作はまさにそれを裏付けているかのよう。

杏奈とマーニー、こうして会っていることはふたりだけの秘密。
私たちはいちばんの友だち、大の仲良しで絶対に裏切ったりしない。
「友だちだよね」という確認がやたら多くて、私にはしんどい。
友情より恋愛を取ったかに見えたマーニーを非難し、絶対に許さないと言う。
許してほしいと言うマーニーに、「許してあげる」。
だからキライなんだってば、「~してあげる」が。

実在しないマーニーとの関係よりも、
マーニーはいったい誰なのかを明らかにする鍵となる転校生・さやかとの関係が○。
木訥すぎるおっちゃん、十一(といち)の存在も良かったです。

イマドキの女の子たちの不安を思い、大変だなぁと。
言わなわからん派ではあるけれど、友だちかどうかをそんなに口に出して確認しなきゃいけないなんて。
複雑な気持ちです。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『収容病棟』 | トップ | 『エスケイプ・フロム・トゥ... »

映画(あ行)」カテゴリの最新記事