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『目を閉じてギラギラ』

2013年12月13日 | 映画(ま行)
『目を閉じてギラギラ』
監督:冨永昌敬
出演:哀川翔,綾野剛,三浦誠己,児嶋一哉,渋川清彦,水崎綾女,政岡泰志,
   木村文乃,山本裕子,渡辺真起子,小沢仁志,杉山彦々,永澤俊矢他

毎年12月下旬に始める「今年観た映画50音順」。
ここ2年は、劇場で観た映画はすべてそれまでにUP済みなので、
「今年観た映画50音順」にUPするのはDVD鑑賞作品ばかり。
もちろん、その作品タイトルのアタマが何という文字かなんてことは
DVDをレンタルするときには気にしたりしません。

んが、こうして10年以上にわたって「50音順」をやっていると、
毎年必ずひっかかる「音」、なかなか見当たらないアタマの文字があります。
《を》や《ん》はなくて当たり前ですが、
《つ》、《ぬ》、《む》も苦労することしょっちゅう。
そして、《せ》、《ち》、《に》、《の》などとともに、
ありそうで意外に少ないのが《め》。

本作は携帯電話専門の動画サイト、BeeTVから配信された作品で、
そこそこ人気があったのか劇場版としても公開。
今年2月にDVD化されたさいに、年末に《め》で苦労することを想定し、
そのうち観ようとTSUTAYA DISCASの予約リストに載せたままでした。

とっくに新作落ちして、今は準新作の扱いです。
そろそろ「50音順」に向けて観ておくかとレンタル。
全然期待していなかったら、え、ええやんかいさ。
……というわけで、ついつい書きたくなってしまったのでした。
ちなみに監督は『乱暴と待機』(2010)の人。

貸金業の“ホープ商会”を営む希崎望は元ヤクザ(哀川翔)。
幹部候補だったにもかかわらず、暴力を徹底的に嫌い、殴る蹴るなどしたことは一度もない。
そんな自分にヤクザは不向きと、あるとき突然、組を抜けるが、
人柄ゆえ恨まれることもなく、付近のヤクザたちとも上手くやっている。
それどころか若いヤクザには「母ちゃん」の大事さを解き、
希崎の言うことを聞いて田舎に帰った者も多数。
ヤクザの間ではもっぱら「ガンジー希崎」と呼ばれている。

希崎とは兄弟分だった黒田が今は組長を務める黒田組。
その黒田組が仕切る賭場で大負けをして暴れた八木沢剛太(綾野剛)。
若頭の柿谷(三浦誠己)が剛太を殺そうとしたところへ現れたのが希崎。
剛太に金を貸している希崎は、債務者を殺されては困ると柿谷に言う。
ホープ商会へと連れて行かれた剛太は、借金完済まで働くことになり……。

剛太は高校時代に甲子園を沸かせた天才投手。
プロ野球の契約時にいざこざがあり、そのまま消えてしまった選手でした。
野球を愛する希崎は、少年野球チームの監督も務めています。
剛太の顔と名前を見るなりかつての天才投手だとわかった希崎は、
野球チームの練習も剛太に手伝わせるように。

野球しかできなかったから、野球を取り上げられたら、
どうやって生きていけばいいのかわからなかった剛太。
そんな彼が希崎と出会い、野球を教えることで笑顔を取り戻します。

元ヤクザの貸金業と聞き、どうせ闇金だと思っていたら、
希崎は利子なんて一銭も取ろうとしません。
真面目に働いて金を返そうとしている人間を救いたい、ただそれだけ。
気持ちだけ貰えればいいんだという貸金業、
商売として成り立つわけはありませんが、人情味に溢れています。

いずれも暴力が嫌いなホープ商会の社員には児嶋一哉(アンジャッシュ)と渋川清彦
剛太を取材するためにアナウンサーになる夢を叶えた野球部のマネージャーで元カノに木村文乃
『地獄でなぜ悪い』では二階堂ふみから口の中にガラスを突っ込まれていた三浦誠己は、
本作では鉄砲玉にするはずだった舎弟からズドンと撃たれています。

野球絡みだとついつい点が甘くなってしまう私ですが、
これにもやっぱり心がほかほかしました。

こうして書いてしまったせいで、また《め》のネタを見つけなければ。(--;

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