すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【CL 18/19 F組第2節】狸とキツネの化かし合い 〜ホッフェンハイム1-2マンチェスター・シティ

2018-10-05 07:49:48 | CL/EL/EURO(世界規模のサッカーリーグ)
プランB、Cを出し合う采配の応酬

 チャンピオンリーグのグループF・第2節は、現代フットボールの変革者であるペップと、新進気鋭の天才監督ナーゲルスマンの対決になった。あらかじめ決められたシナリオをなぞるのでなく、敵の出方を見ながら対抗策を出し合う両監督の化かし合いは非常に見応えがあった。

 シティのフォーメーション(電話番号)は4-1-2-3。スタメンはまずGKがエデルソン。最終ラインは右からウォーカー、コンパニ、オタメンディ、ラポルト。中盤はアンカーにフェルナンジーニョ、インサイドMFはダビド・シルバとギュンドアン。3トップはスターリング、アグエロ、サネである。

 試合はいきなり開始1分にゴールが決まる波乱の幕開けとなった。ホッフェンハイムのMFデミルバイが縦へのスルーパスを出し、反応したFWベルフォディルが鮮やかに抜け出し先制点を叩き出す。この予想外の早い得点に、両監督のプランニングは刻々と変化して行った。

 むろんシティがやられっ放しで終わるわけがない。さっそく前半8分に追撃弾を叩き込む。まずダビド・シルバが縦に長いスルーパスを出し、これに裏抜けしたサネがゴール前で右にいたアグエロにパス。アグエロはワントラップして確実に決めた。1-1の同点だ。

光るペップの「修正力」

 前半8分で早くも2点が入る展開に一体どうなるかと思われたが、以後は戦術と戦術がぶつかり合う一進一退のねじり合いになる。

 ホッフェンハイムは4バック。ミドルプレスとロープレスを使い分ける。最終ラインを高く保ち、コンパクトな陣形を組んでいる。押し込まれると局面によっては6バックになり防戦するが、とはいえ引きっ放しではまったくなく、ボールを奪うと素早いトランジションからカウンターを繰り出す。

 押し込まれ、低い位置でボールを奪回した場合もロングボールに頼らず、彼らは狭いスペースのなかショートパスをていねいにつないでビルドアップする。

 かたやシティはいつものようにボールを握ってポゼッションしているが、ややミスが目立ちギクシャクしている。プレミアリーグのときのようにスムーズなパスワークではない。

 そこを改善しようとしたのか、ペップは後半19分にオタメンディを下げてストーンズを投入する。これで3バックにし、ストーンズをセントラルMFとしてフェルナンジーニョと組ませた。どちらかといえばフェルナンジーニョが攻撃的に前へ、ストーンズは後ろでアンカー的にバランスを取る作戦だ。

 これを見たホッフェンハイムのナーゲルスマン監督は、すかさずシステムを1トップ2シャドーの4-3-2-1に変えた。クリスマスツリーである。

 それに対しシティは後半30分、スターリングを下げてマレズを投入する。スタメンをいじり選手交代するたびに選手間の連携が崩壊していくパターンはよく見るが、この日のシティは選手交代のたび見違えるように連携がスムーズになって行く。監督采配の妙である。

 そして迎えた後半42分。シティが入れた左サイドからのクロスを、ホッフェンハイムの守備者が胸トラップでカットした。だがそのときボールが地面に弾んだ瞬間をダビド・シルバが見逃さずボールをかっさらい、2タッチ目でゴール右隅へ突き刺した。ついに均衡が破れ、シティが1点リードする。

 もうゲームは終盤だ。最後、追い詰められたホッフェンハイムは2バックにしてロングボールを入れ、8人で攻めたが力及ばず。試合はシティに軍配が上がった。とはいえホッフェンハイムはプレミアリーグ上位相当の力がありそうだ。選手交代とシステム変更で試合を修正して行くペップの手腕が光った一戦だった。

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