クルマに心が有るというと怪訝な感じがするものだが、それは人間の様な意思や感情の有る心をクルマに期待するのではなくて、人と道具(クルマ)との愛情関係から物語が発展し、普段の何気ない生活が使う道具(クルマ)によってちょっと刺激的な体験が出来るという実際の物語である。
ランクルを大切に乗っているか?と問われると、???である。洗車はしない。路上駐車、生活の足、錆びは寂びである感。などが自身のランクル達に対する態度である。しかし、いつも乗り込む度に話しかけ、ランクルから離れる時には、お疲れさん有難う!と感謝の気持ちを伝えている。僕はランクルに対して2つのコミニケーションがあると思っている。一つは機械的なコミニケーションである。そしてもう一つはランクルに宿っている物魂とのコミニケーションである。そしてコミニケーションは互いのギブアンドテイクで始まるがやがて一体化となりランドクルーザーが自分の体の一部となる境地こそがランドクルーザーを駆るという喜びの形容である。
今週の火曜日の夜中、仕事仲間を送り届けてから一人で暗い夜道を走っていた。FMラジオからはラブソングが流れている。その時一瞬ほんの短い時間音楽が途切れた。スピーカーの接触かなと思ったが振動がある道を走っている訳ではなく、ここは整備されたアスファルトの道だ。ふと何となくメーターの周りのランプが微妙に暗いかな?と感じた。直ぐに電圧計に目をやると、電圧が落ちている。...これは何時かのロッキー山脈での出来事の再起ではないか(汗)。
やばい、
もうすぐ止まる!
どうしょう...
ラジオを止めて、室内を暗くし出来るだけ電力を使わない様に...
でも、ヘッドライトは消すわけには行かない。
帰宅するのは止めて、メカニックのいる2マイル程先の修理工場を目指せ!
頼むロクマル、
止まらないでくれー、
お願い!
そして...
...なんと、
ロクマルはちょうど修理工場の前で止まった!(激汗)
まじ、
これって奇跡、凄いぞロクマル!
最後はヘッドライトも消して走った。
オルタネーターの内部のリビルトの為に3日間の時間を要した。
バッテリーも何故か?分らないが充電が十分に出来ずに交換する事にした。
バッテリーの寿命は最長4年と理解していたが、今回はまだ2年であった。
オルタネーターのリビルトとバッテリーの交換を済ましてロクマルを引き取りに修理工場へ行った。請求書をもらって内容を確かめるとバッテリー代が請求されていない。あれっ、バッテリーって交換したんですよねぇ? そう、新しいバッテリーだよ。そうそう、今回は運が良かったねぇ。えっ? バッテリーの保障期間というのがあってそれは25ヶ月以内なんだけど、ちょうど今月一杯までだったんだ。
ラッキーだねぇ、
新しいバッテリーがただだよ。
オルタネーターもバッテリーも消耗品であり使っていれは必ず不調な時がやってくる。そして、その時が何時かは容易には分らないが、今回はビミョーなラジオの音の途切れから兆候を感じる事が出来た事。修理工場までの道をランクルに、頼む!頼む!頼む!止まらないでくれーっ!と頼み込んでいた。そして、ランクルはその頼みを聞き入れてくれて修理工場の前で息絶えた。もし、この現象が起こるのが後一週間か10日遅かったら懐に掛かる負担はより大きかったのだ。
ランドクルーザーには心があって、
オーナーを気遣ってくれている。
人間がランクルに愛情を注ぐという事は理解しやすいが、
ランクルも人間に対して愛情を持ってくれている、
気遣ってくれているのだ。
嘘みたいだが本当の話。
以前ロッキー山脈でロクマルは大難を小難に導いてくれ、
更に今回は小難を更に少々難にしてくれた。
だから、ロクマルに乗るのは楽しい。