ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ロッキー山中での出来事

2012年05月28日 | ロクマル北米旅行 26/27

 順調だと思わせられた今回の旅、やはりイベントは起こった。

 車が意思や意図を持っているとは思わない、しかし少し不思議なコロラドロッキー山脈での出来事をまずお伝えしたい。

 

ロクマルが見せてくれた奇跡!大難を小難へ導くロクマル

 

 ラスベガスでの用事を済ませて帰路に着く道を選ぶ事になった。選択は3つである。

1、南廻り。アリゾナ、フェニックスからダラス、アトランタを経由しての帰路。

2、ロッキー越え。ユタ、デンバー、そしてシカゴ経由の帰路。

3、来た道をそのまま帰る。

 

 その内の3番は論外だった、面白くない。当初の予定では1番の経路をたどる予定であった。しかし、ラスベガスは5月だというのに気温は35度を超えている。砂漠経路の長距離の道は古いランクルにとっては負担が大きいと感じた。2番は標高が高く空気の薄いロッキー山脈の山超えもロクマルにとっては負担が大きいし...などと迷っていたが、何となくロッキー超えの選択をしてしまった。

 ああー、ラスベガスの砂漠のこの暑さから早く逃げたい!

...が選択の動機だったりする。(汗)

 

 また、ロッキー山脈を越えるにしても、どーせ山を超えるなら、まだ走った事がない道を走りたいと、余計な事を当然考える...が故に色々な事が起こるのかも知れない。

...

 

― 事の成り行き -

 

 ロッキー山脈の中の小さなFairplayという町を通り過ぎると、直ぐにパトカーに負い付かれた。

 止まれとサインを出される。

 

なにー、最高スピード25マイルの町の中を40マイルで走り抜けた、スピード違反だと!

町と言っても僅か数ブロック...、

この町も財政困難なのか?などと余計な事を考える。

 

何処まで行くんだ?

ニューヨーク!

(なんかこのポリスマンロクマルに興味があるみたい...)

何処に行ってたんだ?

フラッグスタッフだ!オーバーランドエクスポがあったんだ、知ってる?

勿論!

...こうやって全く関係ない話で盛り上がる。(汗)

 

話が盛り上がったので許して頂けると思ったら、150ドルのチケット!

ポリス曰く、

バットニュース、悪いけど150ドルの罰金だ!

グットニュース、支払いに2週間の猶予があるぞ!

だと、

ごら~! 全然グッドニュースじゃねーだろ!(笑)

 

などと話をして、さあっー行くか!って時に。

あれ? エンジンがかからん!!!

計器を見るとバッテリーの電圧が下がっている。

 

ポリスに、お-い!ケーブル貸してくれー!

だめだ、パトカーのボンネットは開けれん、(決まりがあるみたい)

分かった、家に帰って携帯バッテリー持って来るから、5分待っていてくれ!

ファイブ ミニッツ

と言い残して去って行った。

 

不安...僅か10分でバッテリーがあがるか???

...どこかおかしいのかも知れん???

 

実際に5分でポリスは帰って来た。

バッテリーを繋いで、取りあえずエンジンは始動、

ほっ...とした。

 

ポリス曰く、この道(君が今行こうとしている道)は古い車では険しいぞ、あっちの方がいいぞ!と別の道を教えてくれる。

では、あなたに従ってあちらの道を行く事にします。

 

Thank you!

Good Luck!

 

...

 

しばらく走り始めて、電圧計の針の示す数値がだんだんと少なくなってきている事に気付く。

 

やばい!

 

充電されていない、おそらくオルタネーターの故障?だな。

 

どうしょ、

どうしょ、

どうしょ、(汗)

 

一度止まろうか?

止まる所もないな...。

次の町まで持つかな?

...一度止まったらもうエンジンはかからないだろうな、

つまり、終わり!(汗)

 

...悩んでいる内に道は険しい渓谷の中に入る。

やべーっっっ!

 

電圧計の針が確実にバッテリーの電圧の無さを示している。

 

止まろうかどうしょうか?ではなくて、

いつ止まるかだ!

絶対にヤバーイ

...

 

下り坂になって、幾つかの渓谷のコーナーを曲がる。

バッテリーが完全にゼロ!

 

走りながらエンジンが止まる...パワステが機能を失う。

終った... 

 

とにかく止まろうと、何とか最後のコーナーを惰性で曲がると、

な、な、な、なにー!

目先にガスステーションが、

そのまま突っ込む...。

 

ガスステーションを横切ってロクマルは完全に止まった

エンジンは掛からない、ウンともスンとも言わない。

時間は夕方の8時を回ったところ。

 

なんと、横にはコンビにが...

不幸中の幸い!とはこの事だな。

 

 広大なコロラドロッキー山脈の山中でロクマルが故障して完全に動かなくなって止まってしまった。しかしコンビの前で、このラッキーさに背筋がぞっとした。

 あの時ポリスに捕まらなければこの道は走っていなかった...今頃は別のところで立ち往生中か?そう思うと導かれた運命か、と思った。

 

 スタンドに来ていた2人の客が道の端の安全な所までロクマルを押しくれた。

...Thank you!

 

 グロッサリーで山中のトーイングと修理屋のインフォメーションを聞き出す。

今日はもう寝るしかない(遅い)、全ては明日の朝だな...。

お湯を沸かしてカップ麺を食べて、日の入りと共に寝る。(しかない)

グロッサリーは9時に閉まり、あたりは急に静かになる。

 

10時半頃、地元のポリスが来る。

何してんだ?

寝てんだよ!

車が壊れて今日は寝るしかないんだ、

酒はダメだぞ!

では、グッドナイト!...だと。

 

朝方は寒かったなぁ...。

 

 

翌日の朝、10時40分になって、やっとトーイングカーがやって来る。

えらい待たせるじゃないか?

いやっー、今日は特別忙しくてね。これでも早い方なんだよ。

 

 

...どうなるのだこの旅は?

なるようにしかならない?

忘れられない旅となったな。

 

5マイル程走って丘の上のオマリー(O'Malley)オートサービスへ、

アイルランド系の名前だな...。

周りには森しかないが背後の一つ山が印象的。

 

 やはりオルタネーター(発電機)の故障。

早速、部品を注文してその到着を待つ。

 

オマリー氏、

20年間ここで修理屋をやっているんだ、この建物自分で立てたんだぞ。

 僕はアイダホ南部の出身でね、先の大戦中に日本人移民の強制収用所が近くにあった影響で、僕が育った街の学校には100人程の日本人の生徒がいたんだ、日本人は賢くてクリエイティブ(創造的)な人が多かったなあ...などと話してくれた。

 また、オマリー氏の姉が住むニュージャージー州のチェリーヒルと言う街、そしてこのロクマルを購入したのがそのチェリーヒルという同じ街に住む大工(カーペンター)だ、などという話題で盛り上がる。

 

新しいパーツ(オルタネーター)が届けられたのは4時過ぎ、

ロッキー山脈の山中という環境にあっては仕方ないな。

早速取りつけて頂く。

時刻は既に夕方の5時、取りあえずこれで今から2000マイルを走らなければならない。

これでもう途中で止まることは(たぶん)ないと思った(願った)。

 

雨が降り出した、

オマリーの修理工場を出発したロクマルは雨のロッキーを越えて東のニューヨークを目指す。

次の宿泊地である自宅を目指して。

 

 振り返ってみると今回のロクマルの故障は道中何処かで起こったはずだ。勿論事前に故障を予想する事が出来ればそれに越した事はない。起こってしまったトラブルは災いだがその中でも最善の境地に導かれたと思った。

 

 もしも...

南周りの帰路を選択していたら...砂漠の真ん中で故障していただろう。

あの時ポリスに捕まらなければ...異常に気が付かなかった。別の山道を走っていたな。

 しかも広大なコロラドロッキー山中の中にあってでガソリンスタンドの前で止まった。

 そして...

 ロクマルは再び走り出す(旅を続ける)事が出来た。

 これって、奇跡!だと思っている。

 

 即ちロクマルが示してくれた奇跡、ロクマルは最悪の状況の中でも最善に主人を守ってくれたのだと思っている。

やはり、どんな状況の中でもランドクルーザーなら必ず帰ってこれる。というのは、

本当だった。

 

コメント (3)
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