京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

最古の壁画写真展

2017年05月01日 | 展覧会
先日、千日回峰行の写真展を拝見してから同行の友人とランチを共にしたあと、もう一つ、京都文化博物館(別館)で開催中の写真展に向かうことにした。15日から京都市内一帯で「KYOTOGRAPHY 京都国際写真展2017」が繰り広げられている。16あるプログラムの中の一つで、人類最古とされる壁画が残る世界遺産のフランス・ショーヴェ洞窟を写真で表現する「ラファエル・ダルポルタ展 ショーヴェ洞窟」が目的だった。


新聞紙上でこの太古の神秘世界が紹介されていたが、それによると――。
〈フランス南部にあるショーヴェ洞窟が発見されたのは1994年。2001年になって、ラスコー洞窟(およそ2万年前)をはるかにさかのぼる3万6千年前の壁画だと認定された。現在は非公開だが、ダルポルタ氏は6時間だけ立ち入りが許され、全方位360度を独自の技術で撮影した。会場には高さ3.9m、長さ11.8mの円弧状の4K超高度画質モニターが設置され、45分の動画映像で見ることができる。〉


線刻画で牛や馬、ライオン、サイなどが描かれいる。よくわからない動物の絵もあるが、すでに絶滅した動物らしい。岩の凹凸を利用した立体感ある群れ。輪郭線をずらして動きを感じさせる、アニメーションのような感覚。3万年以上前の人類によるものかと感嘆。


友人が漏らした一言から、ふっと思い出すことがあった。3年ほど前、「ことばと出会う 文学と出会う」と題したフォーラムに参加した折、芥川賞受賞作家・玄月氏のお話の後、俳人・坪内稔典氏との対談があった。その中で、玄月氏が「言葉より絵を描く方が先だったと思う」と発言されたのに対して、坪内氏は「私は、言葉が潜在していてイメージを絵にすると思うから言葉が先ではないかと思う」と応えられる経過があったのだ。

想像力は言語の発達と関係があるという。3歳ぐらいになると「顔」を想像して絵を完成させることができる。目、口、鼻などを書き込んでいけるのだ。でも、チンパンジーは輪郭をなぞっているが書き込むことができない。人間にだけ備わっている想像力の賜物か。そんなことも考えながらだが、太古の人類の、情報や意思の伝達手段はどのような形だったのかしら、とは不勉強ですか…。

コメント (4)
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