KONASUKEの部屋

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三すくみ地蔵~笠間・盛岸院~

2017年07月23日 | 笠間
「三すくみ地蔵」。
笠間市の盛岸院に安置されています。
場所はこの辺↓

盛岸院(せいがんいん)は、曹洞宗のお寺で、創建は1616年とのこと。
江戸の初頭ですね。

普段はこの地蔵堂に収められています。
毎年、7月23日が大祭で、お札を納めたり、焼香したりします。
そうです。
今日が大祭だったんですね。
午前10時から。
ほとんど情報がなかったもので、KONASUKEは、11時に訪れました。
もう、大祭は終わっちゃってましたが、お願いしたら、鍵を開けてくれて・・・

写真も撮らせてくれました。
「石地蔵なので、フラッシュの影響もないでしょう」
と、快く。

平成6年「三百四十七年祭記念」パンフレットより転載。
三すくみ地蔵は、体に蛇が巻き付いており、左肩には蛙が、右肩にはナメクジが乗っているという、世にも変わったお地蔵様です。

「三すくみ地蔵」の「三すくみ」とは・・・
蛇はナメクジに弱い。
ナメクジは蛙に弱い。
蛙は蛇に弱い。
蛇は蛙を食べたいが、食べればナメクジが残ってしまう。
蛙はナメクジを食べたいが、食べれば蛇に食べられてしまう。
ナメクジは、蛇が居なければ蛙に食われてしまう。
そのため、三者が睨み合いとなり、すくんでしまうという図式。

そもそも、どうしてこの様な変わったお地蔵さんが作られたのか?

地蔵堂に掲げられた解説。

「地蔵堂落慶記念碑」。
以下、全文。


 当院安置の三すくみ地蔵菩薩は、今を去る三百二十八年前、現在の東京都港区三田渡辺万蔵が、正保四年(1647年)三月十六日盛岸院の長老、哲如自学上座の霊に対し菩提を慰めるために奉納せられたもので世にもまれな霊験あらたかで、心願成就・利益顕著の地蔵菩薩であります。
 渡辺万蔵の子供がみな早死にし、是非一人の子供欲しさに毎日近くの地蔵堂に参詣し、三、七、二十一日願かけし、満願の日、万蔵の目前に、いとも崇仰なる如来の尊像現われ、お告げには、「この姿を彫刻し、心願する時に於ては、汝の心願成就すべし」と。その尊像は一人の幼児をいだき、一人の幼児は足下にありて哀願の姿を表わし、地蔵尊の体には蛇が巻きついて幼児をのもうとする。それを蛙が身代わりになって幼児の命が助かる。肩の辺には蝸牛がはって蛇に近づこうとしている珍しい三体すくみの石地蔵である。万蔵おゝいに喜び早速名石工に依頼して尊像を彫刻し心願せし処、その後五人の子供を育て無事に成長することを得たりという。
 現在安置の地蔵尊は不思議に何でも願い事が叶うといって心願成就の三すくみじぞう・身代りじぞうとして知られています。
地蔵菩薩真言オン、カ、カー、カビ、サン、マー、エ、ソワ、カ、という事はオン、ニコ、ニコ、ハラ、タテ、マイ、ゾ、ソ、ワ、カといわれ、お地蔵さんを信仰して明るい笑顔を忘れずに子孫繁栄を願い、楽しい家庭をつくりましょう。

    笠間城主 牧野貞喜公の信仰と育児
 公が菩提寺たる盛岸院「この寺もと永井信濃守直勝夫人が元和三年に開基せし寺」に安置する。三すくみ地蔵菩薩を殊の外に信仰せられた。
 当時、農民が租税の取りたてがきびしいので非常に苦しい生活だった。それで農民の間には、いわゆる間引きがはやっていた。それを城主貞喜公が非常に恐れて、このお地蔵さんを信仰して農民の間の間引きを厳重にとめた。それで笠間藩も落着いてきた。
 公は毎月の縁日には使いを遣わして献供せしめ、領内児童の幸福を祈願せられたということで民間に伝えられている。その後の藩主の代々がこのお地蔵さんを信仰し、もって現在に至る。
 地蔵堂落慶記念  昭和五十年十一月二十三日
            盛岸院住職 細川法龍
            総代世話人発起人一同

            笠間市昭和町住 宮本悟石謹書

とある。
なので、このお地蔵さんの別名が「子育延命地蔵菩薩」になるのだな。

改めて、三すくみ地蔵さんを、つぶさに観てみよう。

蛇は、お地蔵様の右足下(向かって左側)に頭があり、体を一回ひねった後、地蔵様の体に巻き付き、左上方(向かって右)に尻尾が伸びている。
蛇の視線の先、地蔵様の左足下(向かって右)には、哀願する幼児。

この幼児の身代わりとなるのが、地蔵様左肩(向かって右)の蛙。
だから、「身代わり地蔵」としての性格もあるんだろうな。
年月が経っているためか、蛙の姿は、よくわからない。
あるいは上からのアングルなら、もう少し分かり易いのかも。

しかし、蛙が蛇に食べられてしまったら、次は、幼児が食べられちゃうだろう。
そこで・・・

右肩(向かって左)のナメクジが、蛇をけん制するのだ。
(文字は蛞蝓(なめくじ)ではなく蝸牛(かたつむり)となっているが)
実によく出来た理屈である。
まぁ、ナメクジもあんまり良くわかんない。
保存状態の問題なのか、アングルが悪いのか?
まさか、足元にある石がナメクジじゃないよね?

以下、三すくみ地蔵正面、パンフの図、斜めからのアングルを載せておきます。
見比べてみてね。



まぁ、このパンフの図も、あんまりアテになんなくて。
抱かれている幼児のポーズとか、全く違うし。

何はともあれ、来年は、大祭に参加できるといいな。

blogramによるブログ分析


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