内的自己対話-川の畔のささめごと

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Information とは個体化の自己条件づけである ― ジルベール・シモンドンを読む(133)

2016-10-22 19:53:39 | 哲学

 ILFI の328頁から330頁にかけての段落の冒頭で、個体化研究が一つの存在理論になりうること、個体化は存在との関係で位置づけられることがまず確認された後、個体化は存在に変化をもたらすものとして現れ、その変化から存在が抱える問題性が豊かにされるというテーゼが提示される。このような個体化とは、存在のシステム内に information が現れることだとシモンドンは言う。

Au lieu de traiter l’information comme une grandeur absolue, estimable et quantifiable dans un nombre limité de circonstances techniques, il faut la rattacher à l’individuation : il n’y a d’information que comme échange entre les parties d’un système qui comporte individuation, car pour que l’information existe il faut qu’elle ait un sens, qu’elle soit reçue, c’est-à-dire qu’elle puisse servir à effectuer une certaine opération ; l’information se définit par la manière dont un système individué s’affecte lui-même en se conditionnant : elle est ce par quoi existe un certain mode de conditionnement de l’être par lui-même, mode que l’on peut nommer résonance interne : l’information est individuante et exige un certain degré d’individuation pour pouvoir être reçue ; elle est ce par quoi chemine l’opération d’individuation, ce par quoi cette opération se conditionne elle-même (p. 328).

 Information は、それ自体で計測・計量可能な独立の単位からなっているのではなく、個体化と相関的に成り立っている。Information は、個体化を含んでいるシステムの諸部分の間の交換としてしかありえない。なぜなら、information が存在するためには、それが意味・方向をもっていなくてはならず、それとして受容されなくてはならず、つまり、ある一定の作用を実行するのに役立たなくてはならないからである。Information は、ある個体化されたシステムが己自身を条件づけることで自己作用を実行する仕方として定義される。Information によって、存在の己自身による条件づけのある一定の様態が存在する。その様態を「内的共鳴」と名づけることができる。Information は、個体化をもたらすものであり、己が受容されうるためにある程度の個体化を要求する。Information によって、個体化作用は進展し、自己自身を条件づける。
 個体化のあるところにしか information はないし、information のあるところにしか個体化はない。個体化がある一定の仕方で実行され、その一定の仕方で個体化される個体間に information は成立するが、しかし、それは、個体化が information を産出するからではなく、個体化そのものが己の過程に一定の条件づけを与えることそのことが information を形成していることにほかならない。












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