きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

昆布のレビュー

2023-10-28 15:05:33 | グルメ

真昆布(函館/北海道の下の方)大きくて分厚くて澄んでいる。濃い。大阪の割烹によく使われる。いくら煮ても佃煮にならない。

 

 

利尻(北海道の先端)京都の薄味。真昆布よりも柔らかいので佃煮が作りやすい。ちょっと吸い物に色が付く。しかし黒い器で食べればわからない。

 

 

日高(道の右下)まだ食べてない。ダシ煮物両方。

 

 

棹前(could be anywhere)

 先日、鶏肉を煮ている時に昆布もあったら尚いいのではないかと思い付きで放り込んで、しばらくして鍋のフタを開けたら

 

(きの)「おえ。」

 

 ナニコレ??こんな変な匂い初めて嗅いだ。プラスチックが溶けた?小さい時に同じ地区の友達のお母さんが植えてたゼラニウムのような不快感だ。産地どこ?棹前?棹前地方?これは食べて大丈夫なのだろうか。鶏肉が腐ってた?それにしてはさっき煮てた時はそんな匂いしなかった。疑問だらけでとりあえず飲んでみたら、ものすごく変な匂いのスープだが、そのうち気にならなくなった。どういうことだろう。あの匂いはどこから来てどこへ。

 

 そして、ダシを取っているうちに柔らかくなってホロホロと崩れるようになった。これなら佃煮になるだろうかとは思うが、ズルズルの佃煮て。おでんに入ってるのがこの柔らかさだな。何なんだろうこの昆布は。

 

 どうやら、調べたら初物のような昆布は青臭いのだそうだ。そうなのか!ミントのお茶を飲んだ時にも、うっすら鼻の奥に似たような気配が残った。これが「青臭い」ということなのかー!!こうやって物事を深く知っていく。

 

 もやしの生やジャガイモの火が通っていない所とも違う、芝生を刈ってる途中のモアッとした「草いきれ」という方に近いのかも。けど、個人的にはあの芝刈りの甘いような匂い好きだけどな。でも芝生ドリンクだったら嫌だな。ハッ青汁!青汁は名前がキモチワルイので今まで一度も飲んだことがないが、もしかしてすんごく青臭いのではなかろうか。今までもらった試供品の数々を全部肥料にしてきたが、1個ぐらい味を見てみても良かったのかもしれない。

 

 しかも、棹前は水に入れといて沸騰させないようにするようだ。今回、思い付きでいきなり放り込んで数十分煮込んでしまった。いつものことながらアクも取ってない。棹前とは、棹(さお/長い棒)で絡めとる漁の前に出始めの柔らかいのをちょいとつまんで採ってみたということらしい。パッケージの裏には釧路産と書いてあった。真昆布などの 古い 熟成したものは、青臭さがなくて良いらしい。確かに、最初の昆布との出会いは真昆布だった。

 

 そういえば、記憶の宝庫をたぐると、日本に着いたばかりの頃、実家近くの海岸にワカメを取りに行こうと父の友人が言い出して、行ってみたことがある。大量のワカメが海岸近くに打ち上げられて漂っている中から好きなのを選んで引きずって帰るという、こんなんでいいのか?と思えるほど簡単で豊かなイベントだった。

 

 あの時、ワカメの根元に付いてるゾンビ色したカーネーションのような部分は食べれるのかと聞いたら食べれると言うから茹でてみたら、とんでもない鼻が曲がるような臭気と共にネバネバしたものがかさを増して鍋から飛び出してきて床を転げて逃げ回り、ここの人たちは毎日この緑色モンスターを食べているのだろうか?と恐ろしい気持ちになったことを思い出した。

 

 あの時の匂いに似ているのかもしれない。ワカメではあったが、早春で確かに出始めだった。海藻に匂いがあるなんて知らなかった。でもそうしたら、あの部分を干して熟成した頃に、ダシは取れないのかな。

 

 青臭さの衝撃に恐れをなして、しばらく棹前は食べていない。代わりにとろろ昆布でもと恐る恐るインスタントの吸い物に入れてみた。ほんの少し、あの青臭さがある!今までも、その匂いはしていたのかもしれないが、気付かなかった。気付くようになってしまった。神経質さんの始まりだ。

 

 

 北海道の昆布文化の本に鬼昆布というのが載っていた。羅臼(道の右横)以北産で、黄色く濃厚だそうだ。真昆布が一番大きいと思っていたが、更に上を行くものがあるのか。「鬼」というからには、すごく大きくて立派に違いない。鬼昆布でダシを取ったお雑煮。フフフフ。

 

太平洋に面しているほど厚みが出るのではないだろうか。

 

 

追記:あれから時間が経って、棹前を久しぶりに使ってみようと思った。水に入れといて煮ないで捨てる。もったいない気がするが、これがせいいっぱいの使い道だ。袋から出したら、酢昆布の匂いがした。なんでだろ??沸騰させないようにしてそっとだしを取ってみたら、そんなに目立って変な匂いはしなかった。この白い粉は、アミノ酸かな。ひねてきたのか。カビではないといいが。

 

 

いつか鬼昆布でダシを取って、八角のお吸い物を作るんだっ♪


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