きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

エマーソンが読めない

2017-07-30 09:28:29 | 書評
 Hitch your wagon to a star. という言葉は、有名な詩?の引用らしい。
おまえのワゴンを星につなげ、という意味だろうけど、
実に素晴らしい。
 
娘に届いた甲南大学の入試案内の裏表紙の中央にババーンと載ってた。
 
本来、馬につなぐはずの荷馬車の金具を、天高く光る遠い星に引っかけて、そっちに向かって躍進しろということだな。
カタカナでワゴンというと、新幹線の弁当売りのゴロゴロカートのイメージがするが、
この人は、たぶんアメリカ人だろうから、西部開拓時代の、全財産が入って移動していた人生そのものといった感じの幌馬車だろう、きっと。
 
他の詩も読めるかもしれないと思って、近所の図書館の書庫3層から呼び寄せてきて読もうとしたら、ものすごい難しそうで、
語尾が全部「〇〇なり。」となっていて、〇〇曰くとか、詩の内容がどうのというより、漢文書き下し文みたいで、日本語自体が読めなかった。
 
見たら、明治44年初版て。表紙も「集文論 ンソーマエ」だし。
しかも、どうしたことか、中身がほぼ全編にわたって傍点 ′ ′ ′ ′ がついてて、
1項がびっしり黒い。
ついでに黒丸と白丸もついて賑やか。
あれって重要なとこにつけるのではなかったか?
全部重要ということか。結局、いろんな意味で読めなかった。
 
 
 昔から、いまいち詩というものがわからなくて、金子みすずや中原中也記念館なども行ったが、何一つ理解できたとは思えない。
共感するとか、感動するとかしないと、ただ書いてある内容がわかったとしても、
それは標識を理解したような状態であって、真に詩を楽しんだことにはならないんだろうなと思うから、
今回のこの詩は、一瞬でわかって、おお!スゴイ!と思ったということは、
よっぽど言いたいことの背景なども含めて全部理解した上で、心に直接届いたんだろう。
よかった、よかった。
 
 
 そういえば、素晴らしいことは、素晴らしいのだが、
何でいわば関係のない赤の他人が言ったことを、パンフレットの裏に堂々と書くんだろう。
確かにエマーソンはそう言ってるかもしれないが、ではお前はどう「言う」のだ?と聞かれたら、当の甲南大学は、何と答えるのか。
 
偉い人の引用を自身の結論の補強に使ってはいけないというのは、
オリジナリティーにこだわるアメリカ人だけなのかな。
 
 
しかし、そこに書いてあったから、自分は今回幸運にもその詩に巡り合って、感動できたのだけれども。
 
 
 
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ダーティーペア

2017-07-23 10:25:54 | 書評
 どうして最近80年代の本ばかり読む気になったのか。
読書メーターつけてて思い出したのだから、しょうがない。
 
しょうがないから読んでみたけど、「あたし」や「およし!」などの口調が気になって全然読み進めない。
物語自体は面白いのだけれども。
 
誰か、現代風に書き直してくれたらいいのに。
 
 
ムギちゃんがね、いいなぁ(またはじまった)。
でっかい黒ヒョウみたいだけど、実は何とかっていう宇宙最強生物ですって。
都合よく自分にだけ懐いてくれないかなぁ(真っ先に食われそうだ)。
 
小さい動物を連れてるジャンルってないものか。
にゃんこせんせいとか。
鬼太郎はじつは親子連れだ。
 
最初ポケモン見た時は
「そんな!小さい動物たち同士で戦わせるなんてヒドイ。
オイ飼い主!お前が自分でやれよ!」と思ったから、
戦わないやつがいい。
肩に乗ってるだけ。
で、たまに大きくなったり。
 
実は強いので心配ありません。って言ってくれれば尚よし。
そうするとやはりシャモンちゃんか。
 
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『闇狩り師』を久しぶりに読んでみた

2017-07-15 13:15:38 | 書評
 身長2mのアグレッシブな陰陽師みたいな話。
拳法もできる上に霊感もあって、それで仙人なんだって(どんな人間だよ)。
表紙の絵が・・・ちょっと目が光ってるお姉ちゃんとか、
唇からキバが生えてたりする人いるけど、まぁ気にしない。
 
80年代に読んだけど、楽しかった。
 
たまに道徳が、この話どうなってるの?みたいなところもあったけど、
これはこれでいいのかな??
 
例えば:
①冒頭から、金持ちジジィの依頼で調べているうちに、
そいつら親子は実は極悪人だったということが判明。
主人公の大男が「そいつは俺がコロス」と言い出し、えぇ!?依頼人では?
 
②企業を脅していた奴がいて、よく聞いてみたら、
知人が自然を愛して環境省に入ったところ、
政治的な圧力で自然を壊す算段ばかりさせられたという話を聞き、
義憤にかられて開発中止を要請する脅迫をしていたと判明。
それじゃ仕方ないね、ということで、主人公みずから企業に出向き、
ぶんどってきた口止め料を依頼人とみんなで山分け。
開発も中止でめでたし、めでたし。
 
全編この流れなのか。
個人的にはこれでいいと思うが、最後羅生門みたいになってるゾ。
 
 
 それと、一番肝心?なのが小さい黒の猫又を飼っているということだ。いいなぁ。
そのネコちゃんの好物は魑魅魍魎的なものなんだってさ。
いつも一緒に連れ歩いて食べさせてる。
ちょっと黒っぽいけど、今で言ったらポケモンみたいなものかな。
夜も一緒に眠るんだろうね、その猫ちゃんと。ひたすらうらやましい。
 
主人公も、闇の中にあっては朗らかないい奴だし。良い話だ。うんうん。
 
ただね、いくら急いで依頼人の女の人を助けに駆けつけて来たからって、
2mの大男が、夜に上半身裸で猫連れて都会の公園に現れたら、
怪しいと思う。
 
 
次は、ダーティー・ペアを読もうっと。ムギちゃん❤
 
 
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日曜の夜に不思議な間違い電話がかかってきた

2017-07-08 12:52:37 | シリーズ:あれは何だったのか
 昔、実家にて、
固定電話に携帯からの知らない番号でかかってきたので、
出たら、男の声で「もしもし、もしも~し。(笑い声)ガヤガヤ」 居酒屋のような雑音。
「どーもー今日の何とかは何とかでした~!!〇✕△$%&うははは・・・」
 
「え?」
 
「ゴホン、俺は・・・俺はよぅ、その、じつは俺は(ヒソヒソ)コーチなんだよ。わははは」 はぁそうですか。何が?
酔っ払いか?2軒隣のバーで確か今日は社会人野球の打ち上げがあったはず。
 
「おい、やっさん居るか?やっさん」 やっさん?ヤス・・・やすし?
「そういう人はいませんけど」
「おかしいな、〇〇さんだろ?居るはずだ。出してくれ」 やけに断定的。
「じゃあ、帰ったら言っといて」 誰に?何を?
「ガチャン」 切られた!
 
子機を持って台所に走り「変なオジさんから電話があった。」 
(母)「変なおじさん?」 
(きの)「監督がやっさんを出せって」 
(母)「??」
 
後で聞いたら、父が家の壁塗りや修理を頼んでいる個人の職人さんで、
河内という名前の人だった。
一度父に頼まれてアイスコーヒーを運んだことがあるが、
壁塗りのおじさんと呼んでて、名前を知らなかった。
 
それが親父さんを出せって。
 
あんなもったいぶった言い方しなくても。英語かと思ったじゃないか!
こっちが悪いのか?
 
注意:はっきり名乗ろう。
 
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『竜の柩』って続編出てたの!?

2017-07-01 09:47:22 | 書評
  大昔に読んで、荒唐無稽で面白い話だと思い、覚えていた。
まるで月刊ムーの怪しさにMMRの決断力を足したような。
 
『霊の柩』という続編が出ていたことをつい最近知り、さっそく数ページ読んでみた。
主人公の名前は憶えていたが、内容が・・・いまいちよくわからない。
え?縄文時代に行ってたっけ?確かトルコのアララト山でノアの箱舟だとか、そっちの方の外国の話ではなかったか??
 
調べてみたら『竜の柩』と『霊の柩』の間に、『新・竜の柩』というのが出ていた。
そうすると、28年ぐらい前に第1巻を読み、2巻を飛ばして、いきなり今3巻を読んだことになる。そりゃわからないはずだ。
まぎらわしい。
 
『霊の柩』は、最初、ええと、どんな話だったっけかな~そうそう、などとパラパラめくり、気が付いたら数ページ読みだしてしまったが、
そこに出てくるジイ様の、「タイムトラベルで4千年後にその洞窟を通る人たちのことを考えて脱出用具を置いた上で、岩にメッセージを掘って洞窟を閉じて死ぬ」という気遣いにもう感激してしまい、本を閉じて考えだしてしまった。
 
4千年後のことを考えるなんて!その間、宅地開発などで荒らされないか非常に心配。
準備だけして、後は祈って死ぬしかないとは。そんな!積み重なった時間が無情すぎる!!
 
もしかして、今ある洞窟の模様は古代人からの書き置きでは?
自分もやってみたい。何て書こうかな。
「私達サル系!あなたは?」とか、「遅い~もうパーティー終わったよ」とか。
けど、果たして4千年後に人類いるのか?という暗澹たる気持ちになり、
太陽滅亡の方へと思考は移り変わっていった。
 
 
 そもそも本棚を所持しないと決めてから、めっきり本を読む機会が減った。
中学、高校と、ベッドのサイドテーブルに推理小説を積み上げて、休日の早朝に目を血走らせながら次の本に手を伸ばしたり、
アメリカに引っ越したことで本から逃れられるかと思いきや、シアトルに行く度に紀伊国屋に決死の覚悟で入って行き、
少し前の中国人旅行者のような気迫で買いあさって、同じ本を何度も読んだりしてろくなことがない。
 
ある日、知り合った年下の日本人女子に寝室の本棚を見られた。
「きのさん、何で殺人事件の本ばっかりいっぱい持ってるんですか。これヤバいですよ」と言われ、
 
「そうだったのか!」
 
と気づいて以来、少しは他人の目で見てみようと思うようになった。
それまで、人は本を読むといったら、自然に推理小説を読むものだとばかり思っていた。
殺人のないミステリーなど、肉のないベジタブルピザのようで味気ないものだと。
よく考えたら、生意気な茶色い髪の言ってることの方がまともだった。
 
その後、面白がって、これ読んでみてと言って恋愛の少女マンガを渡してきたが、全面に顔と気持ちばかりが書いてあり、英語の本より難解だった。
いまだに何を読んだか題名も覚えていない。
 
引っ越す度に本を人にあげていき、日本に帰っても本棚は持たないと宣言し、買った本は売るか、図書館で借りて返してしまう。
この繰り返しで読む量は確実に減って行き、今度こそ呪縛から解き放たれる予感がした。
そこに来て、今回の「読書メーター」だ。これなら知り合いに知られずに本棚を所持できる。
困ったものだ。
 
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