きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

お屠蘇は漢方か

2024-01-05 19:46:47 | グルメ

 埼玉県の生家では、正月にお屠蘇を飲む習慣はなかった。酒は出ていたが、あの「屠蘇散」という、のし袋のような紙に包まれた何かを入れたりはしていなかったと思う。純粋な日本酒の味しかしなかったし、年少者から飲むようならその直前に何か入れていたら気づくはずだ。関東では入れないような気がするが、どうなんだろう。

 大人になるまで一度も見たことはなかった。それを両親とも居なくなってから西日本の古い家屋の台所でひとり発見した時の衝撃は、かなりのものだった。

 

なにこれ。(きの)「のろいのごふ?」

 

母が買ったのか?開けてもいいの?どうなのか聞く相手もいない。まず字がコワイ。ほふって、よみがえって何だこりゃ。

 

開けてみたら変な焼香の粉みたいなのが入ってて、これ捨てていいんですか!?それとも神社のほら、あの年末年始の大きな箱の中に入れるべき?

 

 

 初めて見た時はショックだったが、京都に来たらいっぱい売ってた。ドラッグストアでも売ってる。昔は薬局でサービスでくれていたらしい。もう怖くないぞ。中身はスパイスのようなものらしい。普通は年末に飲むんだって。うちは年明けに飲んでたから、じゃあ知らなくても無理はない。

 酒に入れるしか使い道はなさそうだから、特に飲まない自分に縁がないかなと思っていたが、ふと、あれをサイダーに入れてみたらどうだろうという魔が差したようなことを思いついた。

 

 さっそく買い求めてきて入れてみる。原材料は主原料が陳皮(ミカンの皮)、桂皮(シナモン)、丁子(クローブ)、山椒、桔梗(咳止)、ボウフウ(せり科)、オケラ・・・オケラ?えぇ?昆虫の?

いやだなぁ。イナゴの黒焼きみたいなのが入ってたらと思って調べてみたらキク科の植物だそうな。よかった。養命酒も原材料をじっくり見てからはどうも。

 袋を開けたらティーパックが出てきたので、破って下鴨神社で買った土器に注いだサイダーに御香煎のように浮かせて飲んでみたが、漬け込んでないのでゴミだらけの飲料を飲んでいる気分だ。和風のチャイのようなものか。確かに健康にはいいだろう。今年は年末年始にそこらじゅうの神社に行ったし、正月を存分に味わった。

(写真はリキュールグラスに注いだ時のもの)

 

 さて、健康にはいいだろうが異物感満載である。サイダーだから煮出すことはできない。最初から煮だしたエキスで漢方っぽいものはないかな。あのマムシ酒はいやだ。結局コーディアルということになるのか。もっとこう、カッコイイのないかな。薬局で売ってるのじゃないやつで、体に良さそうなもの(無理がある)。

 カクテルなどの酒を割る色とりどりのシロップの中に、1個だけ他と毛色が違ったアンゴスチュラ・ビターズという苦みを出す目的のハーブやスパイスを煮詰めた液があるが、あれなどどうだろうか。三ツ矢サイダーで割ったらさぞおいしかろう。アンゴスチュラは、あれもミカン科だそうだ。

 

 あと、1年に1回ぐらい冬にブランデーの入ったチョコが食べたくなるが、あれをビターズで作ったらどうだろうか!ブルーキュラソーでもいい(これも洋風陳皮エキス)。なんとオシャレな。しかも体に良い。

 イタリア料理のレモンチェッロは酒に漬けたレモンの皮エキスで、条件はほぼ同じだが酸っぱいのではないか。チョコレートに酸味は合わないように思う。養命酒チョコは審美的な観点から見て嫌。漢方やスパイスの力を借りて、今年は人一倍健康になってやる。

 

2022年1月追記:

 今年も買ってみた。去年はスーパーで買ったので、今年はドラッグストアで探してみた。だってあれ漢方だしね。大阪の立石春洋堂という殺虫剤の薬局が作ったやつ。あったはいいが、裏に古語みたいな用法が墨で書いてある。(きの)「・・・読めない」

 なんとか天皇の時代に中国から来たということがわかった。今年はこれを煮出してみよう。というか、水で抽出だ。どうやら解読したところによると、酒に1昼夜浸してから飲むらしい。コップに少量の水を入れて袋を開け、冷蔵庫で2日ほど染み出るのを待とう。そもそも水溶性だろうか。まぁいいや。

 そして元旦に三ツ矢サイダーで割って飲んでみた。ちょっと黄色い炭酸。おぉこれは効きそうな。そして、よく見たら紙袋になんとパックが2コ入っていた。あと1つどうしよう。

 

(きの)「そうだ!」

 

 またよからぬことを思いついた。桂皮(シナモン)、大茴香(八角/スターアニス)、丁子(クローブ)などの成分はチャイとほぼ同じなのではないのか。牛乳に入れておいしくいただこう。舶来の飲み物担当者がシブい顔をしながら見ている。

(娘)「ギギッ」ぎこちない仕草で淹れてくれたので飲んでみたが、味は普通のチャイだった。ス〇ーバックスで売り出せばいいのに。ホイップを乗せて「冬のアンシェント・スパイスでヘルシーな午後をどうぞ」とかいって。

 屠蘇の意味は、鬼を屠絶(とぜつ)させ、自分達人類は蘇るということらしい。どこにいるかも知れない鬼を退治できたのか定かではないが、漢方である以上、何らかの身体的な蘇りがあったものと期待される。

 

 

 

後記:

 2022年。四国にも売っていた。どうやら西日本一帯に広まっているようだ。アンゴスチュラの他に、シカの絵が描いた何とかいう薬草の酒もあるそうだ。確か進撃の巨人の登場人物の名前だった。エルヴィン・マイスターだっけ??すごい生真面目っぽい。なんかそんなの。

 

イェーガー・マイスターだった。おしい。

 

 

2023年12月追記:

 シュトーレンがおいしい。Jupiterでドイツ輸入のがあったので買ってきてさっそく食べてみる。(きの)「やっぱホールだよ。この色、この形。王蟲みたいだ。キシシシシ。この緑色のなんだろ?アンジェリカ?まぁいいや。むしゃむしゃ」

 

 しばらく見ていて(きの)「これの進化版を作れないだろうか。」レーズンとオレンジの皮の砂糖漬けをブランデーに浸けて戻すらしいが、ツムラの薬養酒では?だんだんお屠蘇から離れていく。漢方薬ではあるのだが。

 

 一応予備知識として、汎用の集合知を利用してあらましを把握しよう。そこら辺のなんちゃって簡単シュトーレンはいやだ。もっとクラシックで王道のレシピがいい。それを教えてくれるグランマでもいればよかったが、生憎いないので家庭料理の大御所マーサ・スチュワートの動画を見てみる。なぜドイツ料理でアメリカ人?とは思うが、ドイツ人にドイツ語で言われてもわからないからだ。

 

 温かで落ち着いたメロディーと魅力的な低い声で、クリスマスシーズンにぴったりなレシピをご紹介・・・とかなんとか言って始まる。30年ぐらい前からこの短髪の清楚な人が大好きだ。

 その番組の中で、普通のものを普通に作るのではつまらないと思ったのか、なんとマーサはオレンジピール達の切る前の姿を持って来た。巨大なグリーンの固まりを見せ(カリスマ)「これはシトロンです」えぇ!?そうだったのか。知らなかった。さすが元トレーダー、演出の仕方が秀逸。あの緑はシトロンか。毎年知らずに食べていた。

 

 輸入のやつには原材料にレモンの皮と書いてあったが、シトロンと書いても日本の消費者には伝わらないと考えたのか。ふぅん、じゃあこちらは柑橘3原種のうちのもう一つ、文旦で行こう。今年は庭のバンペイユが豊作だ。作り方は大体パンと同じ。ちょっとバターが多い気がするが。

 

滋養強壮。

 

 それを合言葉に黙々と作ってみる。薬養酒の小瓶1本で漬けた文旦ピールとカボスのピール、レーズンはなかったのでそこらに転がっていたブルーベリーと、そうだ、ジンジャーの砂糖漬けと、業務スーパーで売っていたサンザシの固めたようなのも角切りにして入れてみよう。非常に豪華な内容物だ。きっと体にいいに違いない。いつかもらった香典返しのパン焼き器があるので、すべての材料を入れて(きの)「ぴっ」

 

 

 数時間後、紫色のおいしいフルーツパンができあがった。ちがう。おいしいけど、全然シュトーレンではないし、薬養酒の匂いもしない。くやしいので砂糖を塗りたくって食べてしまった。

 

これは失敗ではない。今回の情報を次につなげるのだ。

まだまだ、漢方のあくなき探求は続く。

コメント

昆布のレビュー

2023-10-28 15:05:33 | グルメ

真昆布(函館/北海道の下の方)大きくて分厚くて澄んでいる。濃い。大阪の割烹によく使われる。いくら煮ても佃煮にならない。

 

 

利尻(北海道の先端)京都の薄味。真昆布よりも柔らかいので佃煮が作りやすい。ちょっと吸い物に色が付く。しかし黒い器で食べればわからない。

 

 

日高(道の右下)まだ食べてない。ダシ煮物両方。

 

 

棹前(could be anywhere)

 先日、鶏肉を煮ている時に昆布もあったら尚いいのではないかと思い付きで放り込んで、しばらくして鍋のフタを開けたら

 

(きの)「おえ。」

 

 ナニコレ??こんな変な匂い初めて嗅いだ。プラスチックが溶けた?小さい時に同じ地区の友達のお母さんが植えてたゼラニウムのような不快感だ。産地どこ?棹前?棹前地方?これは食べて大丈夫なのだろうか。鶏肉が腐ってた?それにしてはさっき煮てた時はそんな匂いしなかった。疑問だらけでとりあえず飲んでみたら、ものすごく変な匂いのスープだが、そのうち気にならなくなった。どういうことだろう。あの匂いはどこから来てどこへ。

 

 そして、ダシを取っているうちに柔らかくなってホロホロと崩れるようになった。これなら佃煮になるだろうかとは思うが、ズルズルの佃煮て。おでんに入ってるのがこの柔らかさだな。何なんだろうこの昆布は。

 

 どうやら、調べたら初物のような昆布は青臭いのだそうだ。そうなのか!ミントのお茶を飲んだ時にも、うっすら鼻の奥に似たような気配が残った。これが「青臭い」ということなのかー!!こうやって物事を深く知っていく。

 

 もやしの生やジャガイモの火が通っていない所とも違う、芝生を刈ってる途中のモアッとした「草いきれ」という方に近いのかも。けど、個人的にはあの芝刈りの甘いような匂い好きだけどな。でも芝生ドリンクだったら嫌だな。ハッ青汁!青汁は名前がキモチワルイので今まで一度も飲んだことがないが、もしかしてすんごく青臭いのではなかろうか。今までもらった試供品の数々を全部肥料にしてきたが、1個ぐらい味を見てみても良かったのかもしれない。

 

 しかも、棹前は水に入れといて沸騰させないようにするようだ。今回、思い付きでいきなり放り込んで数十分煮込んでしまった。いつものことながらアクも取ってない。棹前とは、棹(さお/長い棒)で絡めとる漁の前に出始めの柔らかいのをちょいとつまんで採ってみたということらしい。パッケージの裏には釧路産と書いてあった。真昆布などの 古い 熟成したものは、青臭さがなくて良いらしい。確かに、最初の昆布との出会いは真昆布だった。

 

 そういえば、記憶の宝庫をたぐると、日本に着いたばかりの頃、実家近くの海岸にワカメを取りに行こうと父の友人が言い出して、行ってみたことがある。大量のワカメが海岸近くに打ち上げられて漂っている中から好きなのを選んで引きずって帰るという、こんなんでいいのか?と思えるほど簡単で豊かなイベントだった。

 

 あの時、ワカメの根元に付いてるゾンビ色したカーネーションのような部分は食べれるのかと聞いたら食べれると言うから茹でてみたら、とんでもない鼻が曲がるような臭気と共にネバネバしたものがかさを増して鍋から飛び出してきて床を転げて逃げ回り、ここの人たちは毎日この緑色モンスターを食べているのだろうか?と恐ろしい気持ちになったことを思い出した。

 

 あの時の匂いに似ているのかもしれない。ワカメではあったが、早春で確かに出始めだった。海藻に匂いがあるなんて知らなかった。でもそうしたら、あの部分を干して熟成した頃に、ダシは取れないのかな。

 

 青臭さの衝撃に恐れをなして、しばらく棹前は食べていない。代わりにとろろ昆布でもと恐る恐るインスタントの吸い物に入れてみた。ほんの少し、あの青臭さがある!今までも、その匂いはしていたのかもしれないが、気付かなかった。気付くようになってしまった。神経質さんの始まりだ。

 

 

 北海道の昆布文化の本に鬼昆布というのが載っていた。羅臼(道の右横)以北産で、黄色く濃厚だそうだ。真昆布が一番大きいと思っていたが、更に上を行くものがあるのか。「鬼」というからには、すごく大きくて立派に違いない。鬼昆布でダシを取ったお雑煮。フフフフ。

 

太平洋に面しているほど厚みが出るのではないだろうか。

 

 

追記:あれから時間が経って、棹前を久しぶりに使ってみようと思った。水に入れといて煮ないで捨てる。もったいない気がするが、これがせいいっぱいの使い道だ。袋から出したら、酢昆布の匂いがした。なんでだろ??沸騰させないようにしてそっとだしを取ってみたら、そんなに目立って変な匂いはしなかった。この白い粉は、アミノ酸かな。ひねてきたのか。カビではないといいが。

 

 

いつか鬼昆布でダシを取って、八角のお吸い物を作るんだっ♪

コメント

洋梨&ぶどう食べ比べ Part III

2023-08-19 15:39:59 | グルメ

プレコース(梨)

 名前だけ聞いたことはあったが、売ってるのは初めて見たので早速買ってきた。青森県産。早生だそうだ。味はさっぱりとして特にこれといった匂いもなく、シャリシャリしている。

 

ポートランド(ぶどう)

 おもしろい。中粒で青い品種だが、巨峰の匂いとキャンベルやスチューベンのような野性味のある味。

ラブルスカ種(皮がスルっとむける)で、フォクシー臭(巨峰のむせるような匂い)がする。

そして、特筆すべきは色。この色がキレイだ。売ってる時から透明感のある青みがかった灰緑が目を惹いた。

マスカットのベタッとした人工的な黄緑とは違って、これぞ大自然が生み出した神秘の深淵といった風貌だ。森の奥の湖を思わせる。

むしろ「翡翠」という名前がいいのではないだろうか。

 

 味は・・・味は、一口食べて皮は甘かったが実の酸っぱさが気になって全部握りつぶして三ツ矢サイダーで割って飲んでしまったので、よくわからない。おいしかった。

 

 最近久しぶりに思ったが、庭にこれがなったらいいな、という希望を胸に種をそこらに植えてみた。これがなったらこの強烈に甘い匂いでカメムシが大量にやってきそうだ。

 

 

9/30/2023 追記

スター・クリムゾン

 前にどこかで売ってるのを見たが、今買ってどうする?という時だったので買わなかった。Crymson(赤)という名の小ぶりな細長い洋梨。スターの意味は何だろう?早生。これが一番早いのかな。

 姿かたちは非常に美しいのだが、細長い梨というものは剝きにくい。ナイフで軸の方からぐるぐるやっていくと、手でつかんだところがグニャグニャになる。できればフルーツはスパッと切れていてほしい。

 では、上の方のくびれている所で切り分けてから、落ち着いて皮を剥いたらどうか。なんかチューリップハットみたいな切れ端ができあがった。やはりあの「く」の字に切れたのが並んでないと。

 

 

マルゲリット・マリーラ再び:

 マーガレット・マリラと書いて売っていたが、ちが~う。フランス発祥だからフランス語読みだ。パッケージに「増毛」と書いてあるのだが、なんだろう??食べると生えるのか?地名?

 大きい。普通500g前後だが、これは580gもあった。まだ熟していなかったので机の上に置いておいたら、すごい存在感だ。

 安定の甘みと酸味のバランスの良さ。軸がU字に曲がって下を向いたペンギンのように見えるのがなんとも可愛らしい。早生。

 

 

追記10/7/2023

 コクワ、千両梨、バートレット、ゼネラルクラーク、シークワーサー、高知のブシュ柑が出かけた先の道の駅の市場のような所に売っていた。見た瞬間ノドから手が出てわしづかみにし、カゴに詰めて大慌てで買ってきてホテルのテーブルに並べてみる。

 余市産ナイアガラも売っていたが、1箱に何個も入っていたら持って帰れない。ただでさえ梨を何個も抱えているのに。天然のミツバチの巣が枝からぶら下がってTの字になった時のような見た目だ。いいなぁと眺めまわしつつ断念した。くそっ無念!

 

コクワ:

いつか食べたいと思っていた。ドリカムの歌で聞いた時からえもいわれぬ常世の食べ物のような気がしていたが、実際は小さいキウイだ。

さるなし。

 ちっともおいしそうでない。動物の名前が付くと食用に向いてないらしいが、普通に食べれるぞ。というか、品種改良もしてないのに野生の状態でここまで甘かったら上等ではないのか。ちなみにキウイは中国のおおさるなしの変種だそうだ。大猿て。あの毛は猿の体毛を模しているのか。

 和名は意外にもシブイ時があるので静かに注目している。ヘーゼルナッツははしばみ。ブラック・カラントはくろふさすぐり。ジャンボタニシはスクミリンゴガイだ

 そういえば高校の時に、夏に軽井沢に行くという話をしていたら、急に聞きつけたクラスメートの女子がにじり寄ってきて「もしも長野の方に行くのなら、つるこけもものジャムを買ってきてくだされ~」とナウシカの老婆のような姿勢で頼んできたので、(きの)「え?けもの?」その気持ちの悪いものはなんだろうと思いながらも探したらあったので買ってきたが、クランベリーだった。そうならそうと言ってくれればいいのに。

 

バートレット:

 名前が書いてなかったからお店の人に聞いたら、在庫の箱を見てパートレットと答えてくれたが、こういうのは伝言ゲーム的な変遷なのか、それともフランス語読みとかなのか。BとPは明確に違うと思うが。

 ほんの少し赤みがある小ぶりな梨。熟すと黄色。見たら熟していたので切ってみる。(きの)「??」なんか、こう・・・手ごたえがある。弾力というのか、確かに熟しているのに個体を切っているという感触がすごくする。

 何に似ているかというと、カマボコ?あのむにっと包丁に吸いついてくるような切れ心地。なるほど、缶詰によく使われていたのか。煮崩れたら困るもんね。酸味と甘みのバランスも良し。

 

ゼネラル・クラーク Again:

 この見事なサビ色!山積みの中から一番サビているのを選んだ。味は変わらないが、茶色い梨って(ウホホ)どっしりとしていて味は普通。前はシンナーのような匂いがしたと思ったが、これではなかったか。

 

千両梨:

 さて、これは何だろう。マルゲリット・マリーラも大きいが、その比ではない。800gもあった。この巨大な洋梨はどうやって枝にぶらさがっているのだろう。

 北海道で昔はよく生産されていたそうな。中国の鴨梨(ヤーリー)の変種らしいから、和梨の味かな。ということは追熟もしないのか。やたらに安かったが、豊産ならジェラートとかジュース、加工品にすればいいのに。

 

シークワーサー(再):

 味は知っているがビタミンの補給に買ってきた。それにしてもこの匂いのなさはいかんともしがたい。あれだけ有名で、いろんな加工品が発売されてて、それでこの無臭はなぜなのかと思う。

 中身はうっすらオレンジがかって橘と似ているが、身の剥けやすさや底の部分のくぼみもないし、部屋も狭く多め。

 

高知のブシュ柑:

 普通のカボスのような見た目で、そして、何か独特な匂いがするのだが、微妙。いい香りとも思えないけれど、利用の仕方次第でなくてはならない調味料となるのかもしれない。

 そして特筆すべきはこの変な形の種。今までこんなの見たことない。果実に対して大きすぎる。扁平で、そしてシワのない鯛のような太ったしずく型の種の中身は緑色。まれに下半分だけ色が違うのは、レモンの種に似ている。きっとこれは原始のみかんの流れを汲んでいるんだ。場所柄、牧野富太郎先生が注目しなかったのだろうか。

じゃばらに続く町おこしの起爆剤となるのか。

 

 

ナイアガラ:

 心残りで家に帰ってきたら、近所のセイコーマートでバラで売ってた。このワインの品種はコンビニで買えるものなのか!?

 

ブランデーワイン(余市産):

 フルーツは腐り落ちる前が一番おいしいというが、これは真に腐っていた。2つセットで売っていて、もうすでにうちには洋梨がたくさんあったので、2つとも同時に熟れてしまっては困るから、1つ黄色っぽくなっていて片方が固そうな緑のパックを買ってきて大事に飾っておいたら、なんか茶色い。

 裏返したら全体が茶色かったので、ショックを受けつつも頑張って腐ってないとこだけを切り取って食べたら非常に濃厚で芳香が強く、今にも崩れそうな小片からはジューシーな蜜がしたたってきて、それをすすればいかにも禁断の果実という風味がした。

 確かにおいしかったが、リスクを負ってまでデザートを食べたくないので、普通の腐ってないやつがいい。そういえば、なぜブランデーワインという名前なのだろう。前から食べたいと思っていたが、匂いが良いならアロマなんちゃらとかにすればいいし。濃厚だから?腐敗と何か関係あるのだろうか。酒って要するに腐ったものを煮詰めた汁だからな。崩れていく果肉に対して皮だけが妙にしっかりとしていたが、水分を閉じ込めておく役割なのかもしれない。

いずれにしても、食べている姿も剝いている姿も汚らしい。

 

 先日マルゲリット・マリーラが件のコンビニで売っていた。るもい産と書いてあった。るもいって何だろう。地名?そこにはでかい洋梨がたわわに実っているのだろうか。うっとり。増毛は産地だった。しかも「ましけ」と読むらしい。ふぅん。

 

ランブータン(1/13/2024)

 生協で売っていた。(娘)「ナムルを作るのでホウレン草とモヤシを見てきて」と言われたのに薬味セクションをうろつき(きの)「ほぅ、山椒か。」見ていたら隣の南国フルーツの棚に突如毛だらけの妖怪のような姿が。あわわわ。

 興奮のあまり取って返して(きの)「(小声)←あそこにランブータンが」あと1パックしかなかった。(娘)「ほうれん草とモヤシは?」さぁ?

 

(娘)「これが食べたいの??」とにかく急いで買ってきて食べてみる。嗚呼!本でしか見たことがなかった。グァテマラ産と書いてある。(きの)「食べてみる?大丈夫、ライチの仲間だから」(娘)「・・・。」なぜ嫌そうなのか。

 味は、水気のないライチ。そしてライチより肉厚だ。中に大粒の種が入っていた。ウィキペディアの説明では熱帯で街路樹として日本のイチョウのような扱い。い~な~。うっとり。10℃以下で枯死する、か。

そして、なになに?追熟は効かない。じゃあどうやって地球の裏側から運んできたのか。

 

ランブートは「毛」、アンは「もの」。

 

遠い所から来た、毛のものよ。

ここで芽を出してみるかい?

 

プレコース

 前に食べたことをすっかり忘れ、近所のスーパーで8月上旬にまたウホウホ買ってきた。やはり青森県産と書いてある。そして適度に長くゴツゴツしている。先も尖って座りも悪く、痩せたラ・フランス?といった見た目。

 味も特に。ただ、こんなに早く食べれるね、というだけで11月ごろの洋梨のねっとりとした濃厚さはない。ただ採っただけではないのか?どうせこんな固そうなの熟すわけがないと思ってテーブルの上に置いておいたら2、3日でうっすら黄色くなった。ほのかに匂いもする。ほう。やるじゃないか。

あとはデュワイエンヌ・デュ・コミスだけだ。

コメント

チーズの覚え書きII 

2023-05-27 13:22:43 | グルメ

 

 カルボナーラに合うチーズを探そうと思い、珍しいものがあれば買ってきて食べてみる。今回は新しくオープンしたオシャレなスーパーでチーズ売り場があったので見てみた。柔らかいの多め。

 

 

フロマジェ・ダフィノワ・カンパニエ(d’Affinois)フランス

白カビでウォッシュタイプ(作ってる途中で何度か洗った)だそうだ。

見た目は表面がオレンジ色で線が入ってレアチーズケーキのようで甘そう。

特に古い歴史はなくて、近代的な手法で最初から水を抜いて作ったらしい。ブリーやカマンベールのような感じだ。削るにはやわらかすぎる。パヴェ(石畳/ペーヴ)という四角いものが有名。

 

 フロマージュはチーズで、後は発祥の地と熟成という言葉からの造語らしい。カンパーニュというと、パンでもそうだが白でないやつ。田園風は無印良品のような未ざらしで生成りの自然な感じ。「ダ」は of なんだろうな。

 

 食べてみた。しょっぱい。うん、これはロッテのチョコパイが合いそうだ。チョコレートが家になかったので麦チョコと一緒に食べてみたらおいしかった。それか、桃?という気がしたので桃と一緒に食べてみたが、水分多すぎでそんなに驚くほどでもなかった。水分の少ないネクタリンか洋梨が良いだろう。ふむふむ。

 

 

 

 

タレッジオ(イタリア)これも白カビで洗ったやつ。

こちらは伝統ある種類らしい。(説明)「このオレンジ色は皮を洗った後に表面に繁殖するリネンス菌の粘液が・・・」聞かなきゃよかった。

 

 確かにこれは開けると(きの)「・・・くさってる?」という匂いがした。皮の部分に青いポツポツが。あんなオシャレな店で腐ってるものを売ってるわけないから、これでいいのだろうけど。気になる場合は取ってくれと書いてあった。切って中だけ食べてみよう。

 

 と思ったら、しまった。全部切ったつもりが厚揚げには残りの2辺があった。口に放り込んだ後で気づいたが、もういいや食べてしまえ。普通のプロセスチーズの柔らかいのという味しかしないと思うのだが、味覚が繊細でない人は何を食べてもいまいちだ。

 

 1日の内にいろんなチーズを食べたので、その夜に面白い夢でも見ないかと思って手ぐすね引いて待っていたけれど、特に何も見なかった。ただ、なぜ急に桃?と思ったのか疑問だ。白カビを嗅ぎまくってしまった。結核の人が腐葉土のような匂いがすると聞いてから気になってしょうがない。

 

 

 小さい頃引っ越す前に通っていた最初の幼稚園で、担任の先生を心の中で「しめじの人」と呼んでいた。見た目も髪が短くて色が薄くて寸胴で全体がエリンギに似ていたが、実際マッシュルームのような匂いがする人で、大人になって、あれは何だったのだろう??といつまでも覚えていた。

 

 その先生の上司?にあたる年上の先生と大人になってから会ったので、あのマッシュルームの先生はいかがですかと聞いたら結婚して早々に退職されたらしい。それにしてもなぜ年少の2か月しか通ってないのにそんなことを覚えているのかと驚かれた。へーそこは2か月しか通わなかったのか。今知った。

 

 だって、キノコ類の人間なんて珍しいじゃないか。その先生の健康状態が気になったのだよ。その後自分が肺炎になって幼稚園に通えなくなったのは偶然なのか。それとも化粧品の匂いとかだったのかな。

 その上司の先生のことも覚えていた。こちらが座っていて向こうから母に連れられて一緒に現れた時に見上げて、その先生の鼻からアゴにかけての線を確かに自分は下から見上げていたことをしみじみと思い出した。一瞬視界がぶれたような感覚がしてすぐに元に戻った。変わってない。30年以上経っても変わらないってどういうことなんだろ。魔術師か何か?

 そういえば厳しいマグゴナガル先生のような人で、ちょっとトイレなどと言って抜け出そうとしようものならすぐに見透かされてつかまって怒られ、やれ制服の上着をマントのように着るなとかちゃんと並べとかとにかく訳もなく注意されて嫌だった。それに比べたらマッシュルームの方がちょっと優しくてマシだった。

 

 

 

コンテ(ハードタイプでこれぞカルボ向き)

 カルボナーラに使う固めのチーズは、本当にパルメジャーノかペコリーノ・ロマーノもしくはグラナ・パダーノの3つしかないのか。エダムでやったら削るのが大変だった。穴あきエメンタールは苦いし、グリュイエールはザリザリ。

 コンテはどうなのか。官能的な味だそうだ。 ?? コーヒーとかのナッティーフレーバー(ナッツのような風味)やフラワリー・テイスト(花のような)もわからないのに。腐ってそうかどうかならわかる。

 

 フチが黒っぽい。熟成してくると黒っぽくなるらしい。黒くなる過程はわかったが黒の成分が気になったので、切り取って分けた。黄色い部分だけを銅鐸のようなグレイターで削ってみたら、ちょっと柔らかかった。パルメザンみたいに超硬質ではなさそう。別にフツーの味。普通のカルボナーラで、普通の混ざり具合。人々はパルメザン以外の可能性をもっと探ってみるべきだ。

 

 

 

 

花畑牧場のカマンベール

 コンビニで最近売っているので買ってみた。固い。柔らかいとおいしいと思うのだが。そこらへんで売ってる雪印とかが作ったのの方が柔らかくておいしい。そんなに柔らかいのがいいのならブリーでも食べればいいのではという気がする。

 

ロルフ(バイキングじるし)

これも固いが出しといて室温に戻したら真ん中辺ちょっと柔らかい。けどまあいいや。むしゃむしゃ。もうどれでもいい。そんなんじゃあ何のレビューでもない。

 

 

 

東九フェリーで食べた:

 なにしろかの船にはレストランがない。全部近未来的な自販機でどうにかしろとのことだ。なにか、こう、もっとオシャレな朝食が食べたい。別にカレーやカップラーメンに文句があるわけではないが、鮮やかな徳島港あたりの景色を見ながら、すがすがしい朝の気配を醸し出すには、やはりコーヒーとフルーツとチーズだろう。ということでキウイとオレンジと何かよくわからないフレッシュタイプの高そうなチーズをしこたま買い込んで、いざ!となったが、さてこれを何の器具でカットするのだろう??

 

 船にナイフを持ち込んでもいいものか。飛行機は絶対ダメだろうが、船をジャックする人はあまりいないな。なぜだろう。せかく乗っ取っても目的地に着くまで何十時間もかかったらいやなのか。それとも、みんな一斉に瀬戸内海に飛び込んで全方位に逃げて行かれたらどうしようという心細さがあるからなのか。

 

 規制は厳しくないが、さすがに木屋の割り込み包丁を持って乗るのはいかがなものか。しかしテーブルナイフではせっかくのキウイがグズグズになる。では、キャンピング用品ならということで、わざわざカラビナの付いたペナペナしたものを買って紙皿とコーヒーセットと一緒に包む。優雅な朝食にはごく自然にナイフとフォークが必要だ。船の売店で買ったきよみのストレート果汁をクリアなグラスに注ぐ。こんな人物が怪しい訳がない。はーっはっはっは。

 

 

ラングル

(牛/ウオッシュタイプ/フランス・シャンパーニュ地方)

 真ん中にフォンテーヌという泉のような窪みがあると説明にはあるが、どちらかというと見た目は火山のカルデラだ。大昔に担当者がひっくり返し忘れたことが由来らしい。円柱。非常に柔らかくおいしい。外皮のオレンジ色はアナトー色素だそうだ。よかった。ネットの評によるとウニのような味わい?これが今のところ今まで食べた中で一番おいしかったと思うが、結局柔らかければいいのか。うに?

 

コスナール(羊)普通の固さ。白でふちが古そうな灰かい色。四角。

 

チーズがもう1種類ほどあった気もするが、気のせいか。それがコンテだったのかな?

 

 

メンブリージョ(カリンのパテ)

 これもチーズと一緒に売ってたから買ってみたが、なんとも不思議な食べ物だ。スペインかどこかのおやつなのか、よくわからないが、要はカリンの煮凝り?もしくは羊羹みたいな、カリンのジャムを煮詰めて固めたもの。それをスライスしてチーズと合わせて食べてみる。おいしいし、きっと体にもいいだろうけど、だから何だろうという感じ。

 

 あれに似てる。あの、Thanksgivingで出てくるクランベリーソースの簡易版というか、便宜上固めてある缶詰のをスライスしたやつ。他のフレーバーはなく、ただカリンだけなのも不思議だ。次に見ても買うだろうという程にはおいしかった。日本独自に、桜のメンブリージョというのを作ってもいいと思う。

 

 

スピッチコ・アフミカート(イタリア)

 数か月後、またあのチーズ屋に寄って、お気に入りのダ・フィノワと一緒に今度は丸いチーズを買ってみた。なぜ丸くなるのだろう。しかもこの薄いオレンジと網目の模様は・・・と思いながら食べてみたら、モツァレラだった。

 

 なるほど、モツァレラならゴネゴネするからいろんな形にもできる。これは生で食べてもいいけど加熱してみよう。レンジで10秒ほどチンしたら、普通のモツァレラだった。

 

 

ついにブルーチーズ

 モゴモゴ食べながら(きの)「これは、もしやロックフォール」(娘)「は?ドッグフード?」ドッグフードじゃない!

コメント

いろんなチーズでカルボナーラが食べてみたいという野望

2020-06-08 10:33:41 | グルメ
 スカイツリーの下にチーズ専門店のレストランがあった。
日本はチーズが少ない上に高いので、
気軽にいろいろ変な味を試してみるのが難しい。
だからこういう店があればいいと思っていたので、入ってみることにした。
 
てっきり、世界のチーズが選べると思ったのだが、
予想とは違って、その那須だかの牧場で作ってるチーズを数種売ってるだけだった。
5種のチーズケーキとやらも、どうせなら一番極端な種類で作ってほしかった。
 
ブルーと白カビ、原料も水牛と羊や、工程の途中に○○の助けを借りて作るアレなど(いやがらせの罰ゲームみたいだ)。
 
そうすれば、違いがわかって面白いのに。納得がいかない。
1個、カップに入った泡のようなものがあったが、何だろう。
 
シチューと生の雑草のようなものが入ったランチを2人分と、件の5種のチーズケーキを1人分頼んで半分つにしてみることにした。
(きの)「早く切ってよ」(娘)「角度にもよる。3角形を正確に2等分するには・・・」計算を始めた。理系はこれだから。
 
 
 大学の寮にあった台所で、スイスから来たという女の子にカルボナーラの作り方を教わった。
必要なものは最初から一つのボウルに入れておくと、
麺が茹で上がってから慌てて量ったりしているうちに、
炒り卵スパゲティーになってしまう失敗を防げるのだそうだ。
 
それ以来、かたくなにその教えを守ってツヤツヤのカルボナーラを食べている。
 
最近、ふと「なぜパルメザン?」という疑問が湧き出てきた。
 
どうせあれは釜玉スパゲティーにチーズが入ってしまったというような代物だから、
丸亀製麺みたいな店でパスタだけ茹でておいて、
次々と来た客に、「ハイ、こちらエダム一丁!」とかいって
何十種類もある削ったチーズの桶の中から選んで、
適当にオタマでかけて出せばいいではないか。
 
なんで硬質チーズだけなのだろう?マズいからか。
しかし、チェダーをマカロニにかけただけのMacaroni-n-cheeseという料理はあるが、
別に不味くはない。
むしろ、何であれをパルメザンで作らないのか。
 
削れないから?
大皿で作るマカロニ&チーズの分の硬質チーズを、
誰がゴリゴリ削るのかという問題なのかな。
 
ヒマな時にやってみよう。
 
そうだ!そうだ!思いついてしまったからにはやってみないといけない。
これが知的好奇心なのか、
世にもくだらない考えなのか今のところまだ不明だが。
 
 
 
 入れるとしたら、何がいいのだろう。
プロセスチーズではないということだけは、わかる気がする。
せめて食べたことのある、味がよくわかってるものの中から選ぼう。
 
固そう系
パルメザン、レッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノ:
どれも同じ。
最近紹介されてるなにやらグアダラハラのような名前のも、どうせ同じ。
 
グリュイェール:ザリザリしている。
何かの結晶のような。
いつかの寒い冬の夜に、溶かしてパンにかけて食ってやろうとひらめいてフライパンの上で延々温めたが、
いつまでたっても姿かたちが変わらない。
 
ラクレット:溶かしてパンや野菜にからめて食べるチーズ・フォンデュの素。チーズ・ウィールなどと名付けて炙って溶かして、
そのタイヤのようなものの上でパスタをからめたりしているが、
溶けるまでに時間がかかる。
しかし、これでできるのなら、他でもできるのではないか。
 
スイス・チーズ(エメンタール):穴が開いている。
味は別に普通。スライスしてパンにはさむことが多い。
固そうだが、しかし上のグリュイエールをスライスしてパンに挟みたいとは思わない。
この辺が生で食べれる限界なのかもしれない。
 
ゴーダ:普通のチーズ。白。
チェダー:オレンジ色。
 
モントレー・ジャック:アメリカ産。
名前がカッコよくて好きだったが、よく考えたら苦い。
コルビー:トラ柄
サムソー、マリボー:どれも同じ。
 
 
柔らか系
ブリー:そのまま砂糖を足したらチーズケーキになるのではないか。
 
カマンベール:腐葉土のにおいがする。白カビだ。
白カビだ!と言いながらこれを嗅ぎ続けていると、
菌の感染症になるのではないかといつも恐れている。
重たいお菓子の中でなぜか唯一食べれるロッテのチョコパイと、
合わせるとおいしい。
 
ゴルゴンゾーラ:青カビはどうしても食べれない。
大好きという人もいるが無理だ。これは腐ってると思う。
しかし、アメリカのPizza Hutのバッファローウィングスという辛い手羽についてたブルーチーズドレッシングは食べれた。
しかも非常においしいとさえ思った。
四角く切った固まりがゴロゴロ入っていたので、
雰囲気だけを楽しんだわけではなさそうだ。
辛さで舌がマヒしていただけかもしれない。
 
モツァレラ:白くて丸くてツルツルしてる。
おつまみの「さけるチーズ」のアイデアの元になった繊維質のチーズ。
夜中に(どうして常に夜中)ピザが食べたい時、
市販のピザにコンビニで売ってるさけるチーズを大量にかけて焼くと、
満足いくピザができあがる。
 
フェタ:水牛。変なガラス容器に浸かっている。
これが入ったキッシュはおいしいと思った。
 
カッテージチーズ:今さっき急いで分離させて作ったばかりという風情。
ぶつぶつしてる。
レモン汁を牛乳に入れても同じようなものが即席で作れるらしい。
友人はサラダにかけて大量に食べていた。
マズそう。
 
マスカルポーネ、リコッタ:クリームチーズより軽い。
軽くてなんだか手ごたえがないような。
これがオシャレなティラミスの元かーと思いながら、
クラッカーにつけて全部食べてしまった。
デザート向き。
 
サワークリーム:厳密にはチーズではなく生クリームで作ったヨーグルト。
ビーフ・ストロガノフやタコスにスプーン1杯足すともうやめられない。
恐ろしい食べ物だ。
カルボナーラには全く向かないだろう。
 
こうして並べてみると、
なんとなく固そうな方が味が濃そうで、だからなのかな。
それか、粉じゃないとすぐ溶けないとか。
なぜかわからないけど、白ければ白いほどマズそうだ。
 
 
 
 では、固いのはオレンジのミモレットか、
赤いふちどりのエダムが良さそう。
柔らかいのはブリーが好きだが、
実際はカマンベールを切ってパカッと開けてすくい取って
黄身とまぜるぐらいしかできないだろうなと思う。
ゴルゴンはぜったい無理。
 
 
 
結果
ミモレット:固まりを細目のチーズ・シュレッダーで全部すりおろし投入。
溶けにくかったが気合いで混ぜ続け、オレンジ色のカルボナーラが出来上がった。
味も悪くないが、何かこう・・・特有のニガさが。
苦いカルボナーラってどうなのか。
 
ここに来て、そういえば自分以外が作ったカルボナーラを食べたことがないという事実に思い至った。
日本に来て最初の頃、レトルトで出ていたカルボナーラを食べて、
気持ちが悪い味だと思って以来、外で食べたことがない。
 
果たして合っているのか。
 
それとも明治時代の海軍料理長が、
また聞きで作ったビーフシチュー(肉じゃが)
のようになってしまっているのか。
不安にかられて、実家の近くの生パスタと書いたスパゲティー専門店に入ってみた。
 
つるしたベーコンがオススメのようだが、
ここはひとつオーソドックスな「なんたらの光」という
卵の黄身が乗った一品を注文してみる。
 
「粉チーズが必要な方は、言ってくれれば持ってくる」
というようなことがメニュー表に書かれていたので、頼んでみる。
パスタと共に小皿に乗ったチーズが出てきたので、
おもむろに全部ふりかけヨード卵と共に混ぜてみる。
コショウが足りないので、
そこら辺にあった調味料入れの中からガリガリ・・って、
これでは夢にまで見たセルフサービスの店ではないのか。
 
 
食べてみたら結局(娘)「これきのたんが作るのと一緒の味だ」 
そりゃそうだ。後半ほとんど手を下したのはこっちだ。
格調高い生麺がどうのと看板に出ているが、
ゆでた麺に生卵を乗せて出してきただけではないのか??
 
足してちょうどいいなら、出てきた時点ではチーズ少なめだったのか。
まず味見をしてからにすればよかった。
 
 
ブリー
気品のあるようなたたずまいが好きだっただけで、
どうせ合わないだろうと思う。
買ってきて、食べてみる。
 
どうみてもカマンベールと同じ味だ。
ちぎってピザに乗せて焼いてみる。
みるみる中身だけが溶けて、ティッシュのような白い皮が
意味ありげに数か所に残った。
おいしいが、何だろうと思いながら食べる。
カルボナーラには美的な観点から、向いていない。
 
 
京都の家の近くの薬膳の店が、
ラクレットがどうのと看板を出しているので行ってみたら、
野菜にかけるだけらしく、
パスタにからめるわけではなさそうだ。
 
しかし入ってしまったので何か頼まなくてはと思い、
季節のパスタを注文。
どうせきどった少量のかたまりが皿の中央にあるだけだろうと思っていたら、
予想外の薬膳鍋に入って出てきた。
開けると濃厚なスープパスタの中央に温泉卵が。
チーズも入っているようだ。
 
結局カルボナーラなのか?と思って食べてみると
熱い上に掘っても掘っても壷の中から店主自慢の自家製季節の野菜やベーコンがどんどん出てきて、
良心的でおいしいのだがものすごく熱い。
これは鍋なのか、フォンデュなのか。
 
店主オススメのエルダーフラワーの炭酸もなくなり、
ちらっと見ると壁に(カード)「濃厚手作りアイス」 
(きの)「すいません。アイス下さい!」 真冬にねぇ。
出てきた黄色い地鶏卵アイスが、これまたボウルに
(アイス)「たっぷり」 
(きの)「うっ!!」 
味もわからず急いで胃に放り込んで、
ほうほうの体で逃げ帰る。
 
後で冷静になって考えてみると鍋の最後の方、
一瞬気持ち悪くなったような気がした。
やはりチーズよりホワイトソースが多いと気持ち悪くなるようだ。
レトルトもそうだったのではないか。
ただ単に食べ過ぎただけだったのか。
 
もう今となってはわからない。
 
スイス風はこれでもかという程チーズどっさりだった(粉チーズ筒の半分)。
日本のレシピは大さじ2杯など。
そのせいで余計にソースを足す必要があるのではないか。
ソースが多いとキモチワルイ。
悪循環だ。
 
 
エダム:赤い皮が特徴の粉チーズにもなる半硬質。
坂をゴロゴロ転がしたり、ソリのような板に乗せて運ぶやつ。
もうこれでいまいちだったらやめよう。
しかも、チーズダニを使って作ったとか書いてある。
ダニがついているのだろうか。
 
どこに?
 
できれば表面についたのを、赤いワックスと共によけてチーズだけを食べたい。
中にもいるのかと考えると全然おいしくないので、
極力考えないようにする。 
調べたら、ミモレットもすでにダニ熟成だった・・・。
食べてしまった。
苦いのはダニの味か。 
 
輸入食料品店に買いに行って、
なぜか売り切れで大騒ぎして探し回って買ってきて、
リンゴでいえば1/8ぐらいのものを全部すりおろしてみた。
なんとなく皿に広げて干してみる。
どうも匂いが強いというかくさい。
 
ダニの匂いか。
 
もうダニについて考えるのは一切やめよう。
乾いたところを半分ぐらい投入し作ってみたが、
特に何も変わりはなかった。
できるじゃないか。
なぜ誰もやろうとしないのか。
というか、あまりにも普通過ぎてわざわざやる意味があるのかとさえ思う。
 
おいしかった。ただそれだけだった。
 
 
恐怖のブルーチーズ:一度買って食べてみたが、
どうもあの鼻がギスギスするような深緑のにおい(それがカビではないのか)が非常に苦手で、
今後自分から買って食べることはないだろうと思っていた。
 
 いつかお供で行った下関のパン屋で、
伯母がうきうきゴルゴンゾーラのパンを買っていた。
(きの)「なぜ!!」 まず名前が悪者っぽい。
(伯母)「あら?おいしいじゃない。クセがあって」 
 
強者だ。
 
カビてますよ?
それともペニシリンが必要なのかな。
 
その蛮勇を称え店内で充分な距離を取ったところ
(伯母)「今度遊びに来たらブルーチーズのスパゲティーを作ってあげようか。うふふふ」 
などと恐ろしいことを言い出すので、
絶対いやだと断っておいた。
食べれませんとなった時の、気まずい雰囲気を想像するだけで嫌だ。
 
 先日、京都の三条あたりをさまよっていた時のこと。
コロナで通りはガラガラで、
ガラス張りのコロッケ屋さんがあったので、
疲れていたから入っていって座ってしまった。
 
コロッケは好きではないし、
その前に東寺の骨董市で大阪名物・ドテ焼きを食べたので、
お腹も空いていない。
他のメニューもあるだろうと思ったら、コロッケしかなかった。
 
それも得体の知れない組み合わせの5種のみ。
 
もう破れかぶれになり、一番ささくれだったようなメニューを選んでしまった。
なんたら海賊タコみたいなやつと、ブルーチーズ。
空腹時にこんな日替わり定食が来たら、
キレて大暴れするようなチョイスだが、
どうせコロッケ一個分なら食べれるだろう。
 
・・・思ったのと違う感じだった。
どうも生の状態でギュウギュウ入ってくると思って身構えてしまったが、
よく考えたらコロッケって揚げるんだった。
 
奴らは力なく溶けていた。
 
最初は確かに「うわっブルーチーズだ!」という匂いがしたが、
そのうち気にならなくなった。
しいて言えば、カ~ルの匂い。
 
なんでだろう。
前にそういえば、ゴーダとブルーチーズとチェダーか何かの3種で
味付けしたとかいう期間限定カールを食べたことがあるが、その記憶か。
食べてしまった。
加熱すれば平気なのか。
美味しかったとまでは言わないが、食べれた。
明治よ、カールをスティルトン(希少ブルーチーズ)で作ってくれないだろうか。
 
 Wikipediaのスティルトン英語版のところに、
チーズと夢の関係の研究結果が乗っていたので読んでみたら、
食べる種類によって見る夢のタイプが違うらしい。
きっと、チーズは長いこと胃腸に留まるから、
栄養を供給し続ければ、睡眠中にお腹が空いて起きてくることもなく、
安眠して見る夢は自然と穏やかなものになるのではないか。
 
腸は第二の脳というからのう。 
 
それか、まさか!脳を菌に乗っ取られているのではないのか??
加熱して食べた方が・・・ヒィィ!!
先述のダニにすでに寄生されてるかも(大パニック)。
だってね、たまに思いついてライ麦のパン食べたいとかいって捏ねだすと
イースト菌に感染するのか、どうにも鼻が痛くてしょうがない。
 
雑誌に出てくるパン職人がみんな同じようなほっぺの丸い優しい顔をしているのは、
奴らに乗っ取られているからではないかと前から疑っていた。
(伯母)「ブルーチーズのスパゲッティー」 
それはブルーチーズのカルボナーラのことなのか?
うぅ・・いやだ。
絶対に食べないからな。 
 
発酵食品は実に奥が深い。
 
最近知った、へんなジロールとかいう器具でぐるぐる回転させて削ぐチーズや、炭をかぶせたチーズはどうだろう。
 
 
予定:大阪の難波パークスのチーズレストラン。
まだこっちの方がチーズの種類ごとに分けられていて、望みに近い。
しかし、ゴーダとラクレットとなんちゃらと、なぜまぜる?
そのものの味が楽しみたいんだ!
チーズケーキだけは1種類で作られているようなのでいいのだが、
あまり何個も大量には食べれない。
 
 
追記:先日、アムステルダムというチーズをそこら辺のスーパーで売っていたので買ってみた。
名前も適度にあやしく、いわくありげだ。
と思ったら、ゴーダをもっと古くしたやつだそうだ。
 
熟成とも言う。
 
固そうだったのでいけると思い、すりおろして入れてみた。
生協で買った桜という卵は黄身の色が薄く、全体が白っぽくなってマズそう。
控えめに大さじ山盛り2杯ほど入れてみたチーズは、
 
えぇい、入れてしまえ。
 
結局、全部入れてしまった。
本格的には生クリームは入れないそうだが、粉でもないので混ぜにくいだろうから
スプーン1さじ程入れて、強引にグルグルかきまぜてみる。
 
苦い。またしても苦いカルボナーラが出来上がった。
もうやめればいいのか。
しかし、この先にまだ見ぬ境地が待っているような気がして、探求がやめられない。
 
いつか伊勢丹の地下で土産物を見ていて、混雑した人の流れに乗ってチーズブースの前に躍り出てしまい、
ついでだからとジロジロ見ていたら、
そこでまさに今買ったばかりという風情の、シャレた着こなしの見知らぬ紳士が、
買った紙袋片手に話しかけて来て、興奮気味に
「このね、水牛のがおいしいんですよ(耳打ち)」と言って、立ち去って行った。
 
あれが、通の到達点だろうか。
その憑りつかれたような、うかれた様子が未だに記憶に残っている。
 
決め手は乳化だ!!
2021年も明けて、新たな境地に迷い込んだ。
 
youtubeで見るイタリアのマフィアのようなオジさんの動画では、
すごい勢いでいつまでも混ぜ続けている。
 
そんなにしたら冷めるんじゃないかというくらい混ぜる。
 
彼曰く、油が大切だとか。
ファミリーにだけこっそり重要な秘密を教えてくれるような口調で
料理を作ってくれる。
気のせいかと思っていたら、
コメント欄で「ゴッドファーザーIVにはいつ出るのか」というのがあって
笑った(原作は3まで)。やはりそう思うか。
 
ベーコンをいつまでも炒め続けて、
身を食べたいのではなく、脂が引き出したいのだな。
 
油と水(ゆでたお湯少々)を、黄身のレシチン(触媒)を使って、
ひとつにまとめ上げ、すっぱくないマヨネーズのようなものを
フライパン上で作り上げるんだな。
生クリームなんかいらないんだ。
なるほど。
 
やってみた。
渾身の力でグルグルかきまぜてみたが、
なめらかになっただけで、そんなに劇的なことにはならなかった。
そしたら、何のためにあんなに混ぜているのだろう??
 
 
先日、ふと悪魔のささやきのようなアイデアが降ってわいた。
サラミで作ったらどうなるんだろう。
サラミは脂のかたまりだ。
旨みとコショウの熟成した風味が凝縮した、
あの完成されたフォルム。
 
う~ん。おいしいんだったら他にもやってる人がいるのでは。
それとも未知の世界か。
う~む。
う~む。
 
やってみたら、普通にサラミとカルボナーラの味がした。合わない。
 
 
ジュガス(Djiugas):
リトアニアの放し飼いの硬質チーズだそうな。12,18,24,36カ月熟成がある。
買ってきたのは12カ月のやつだったが、賞味期限が1カ月先って、そうしたら今度は18カ月の商品になるだけではないのか?
黒い2等辺3角形の包装紙に描かれているバイキングのような人物がチーズを勧めてきていると思っていたが、よく見たらハイジ風の優しそうなお爺さんだった。
 
ついでに、酒屋でパンチェッタがあったので買ってきた。珍しい。日本には売ってないからいつもベーコンのかたまりを切って使っていた。だってカルボナーラを教えてくれたスイスの人がベーコンのかたまりを使えと言うもんだから。
 
本当はパンチェッタを使うんだと知った時、あぁこれがベーコンのかたまりか!とわかった。
今回はジュガスとパンチェッタと、未知の要素が2つもあるから楽しみだ。
 
まず、パンチェッタは・・・しょっぱい豚肉?確かにおいしいが、これは味的にはただのしょっぱい豚肉だ。これ生の豚肉買ってきて塩まぶしたら?と思うのだが。しかし、加熱しても茶色くならないでピンクのままなところを見ると、やはり加工食品なのだろうな。
 
それにプラスしてチーズをすりおろしてみる。ふちの固そうなところが器具の刃を跳ね返し、削れない。結晶だと思われるが、もしかしてゴーダみたいなリンド(赤い皮)?
ワックスだったら取った方がいいような。
この光っているのはビニール?ビニールをすりおろして食べたら良くないだろう。
さんざん爪で「ここだ!」と思う隙間につっこんで剥がそうとしたが、何も剥がれずボロボロ崩れるだけ。
 
どうやら何もないらしいということがわかった。引き続き削っていき、パスタとからめて食べてみた。少々酸味があるような気がした。気のせいかな。サワークリームみたいな。あとはパンチェッタの塩分が(きの)「しょっぱいな。うん、しょっぱい」気になるだけ。塩は入れなくてもいいようだ。
 
 
 そういえば、ギンモンドの下のレストランではピンクの肉の長い固まりを前菜だと言って出してきて、「あなたには多いだろう」というようなことを控えめな口調で伝えてくれたが、何このしょっぱい肉?鮭?と思いながら食べてしまった。きっとパンチェッタかグアンチャーレというものだろうなという予想はついたが、いかんせん食べたことがなかったので、なんとも断言できずにいた。しかし、今わかった。あれはこれだった。
 
 
フォル・エピ(Fol Epi):
フランス。パンドカンパーニュみたいな半月球を削ったらしく、ふちに茶色い部分がある。超薄切りだから、これをパスタの上にパラっと広げたら溶けるのではないかと思って、買ってきてサンドイッチに挟んだりしてうっかり食べてしまった。未達成。
 
ブリー薄切り:
これも食べてしまった!ブリーを薄く切るなんて、どんなカッターだろうと思って開けて見てみたら、まずはお味はどうなんだろとか言って食べてしまった。gone.  it's gone.
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント