きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

とち餅はマロニエだ

2018-10-29 19:44:52 | グルメ
 よく大学の街路樹として植えられてたから、
学校帰りにトゲトゲの実を拾って、
小枝ちゃんにお土産に持って帰って部屋に転がしておくと、
夜にゴロゴロとサッカーが始まる。
 
 大きな栗に似て中にいっぱい実が詰まっていそうで、
食えないかと思って煮てみたが、包丁では硬くて切れなかった。
後で知ったが毒があるらしい。
食べなくてよかった。
 
あのマロニエが何と!餅になっているというではないか。
近所の和菓子屋で売っていたので、早速買ってきて食べてみたが、
べつに普通。
 
 まずくもなく、ちょっと茶色いがそこら辺の大福と変わりない味。
もっとこう、昔なつかしい玄米蒸しパンのように、
独特の風味があるのかと思った。
 
 そうまでして食べるからには、ものすごい栄養があるのか。
あく抜きのために川の水にさらすこと1か月以上って、
それもう何の栄養もなくなっているのでは?
救荒食なのに準備するのに時間がかかるとはね。
 
まあ、なにはともあれ、あれって食べれるんだ(ニヤリ)。
 
 
 
昔からの希望: あぁどんぐりが食べてみたい。
しかも、そこらへんの山の中でクマと争って拾ってきたやつがいい。
いっぱいあるんだから、今でも食べればいいじゃないか、人類!
どうしてやめてしまったんだ。
10万年の伝統を国を挙げて守ったらどうか。
 
ドングリのクレープにドングリのチョコ。
ドングリの八つ橋やハニー・ロースト・ドングリ。
品種改良にドングリ農園に、解禁!秋のドングリ収穫祭。
 
専門店から高級ドングリを買ってきて、
縄文時代に思いをはせながら、
へんなエプロンしてゴリゴリ秘伝の石臼で挽きたい。
 
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とうとう近松門左衛門を読むまでになった

2018-10-22 09:09:19 | 書評
 といっても現代語訳だが。
つい先日横を通った曽根崎心中で有名なお初天神の話だそうで、
読んでみたが、案の定「金が足りなく行き詰まって心中」の話だった。
 
 あれで、もし足りてたらどうなるんだろう。
めでたしめでたしで終わるのかな。
それとも、また予期せぬ困難が2人を襲ってきて、
絶対幸せにはならないようになっているのか。
 
 一番最初の飛脚の話の現代語訳の人すごい。
訳しても5,7,5調とは。
訳者は全部、本当に江戸時代の人たちが喋るのを聞いていた時代の人だ。
って、これ現代語訳でこれなんだから、浄瑠璃の舞台などのほんとの話は、
ほぼ何言ってるか、現代人にはわからないのだろうね。
本当に江戸時代の人たちは、こんな表現でちゃんと内容理解できていたの??
ていうか、これらはそれまでの歴史ものとは違って、
世話物(せわもの)と呼ばれて、現代風の話という意味だそうだ。
これで現代風!?
もうはっきりいって意味不明なんだよ。そこかしこが。
 
 大阪の話だというが、そんなに会話の部分が大阪弁ぽくなかったけど、
なんでだろ。
「返す金はない」「なんでやねん!」では、緊張感がないからか。
 
 文化の交流がなくて伝播しなかったとしても、
洋の東西を問わず、結局人は誰かを舞台に上げ、
何かを演じさせて、それを見て楽しむ行為を自然に発明するものなのだろうか。
 
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あおい祭り不参加

2018-10-16 09:12:37 | シリーズ:あれは何だったのか
 京都3大祭りの一つに数えられる葵祭(あおいまつり)とは、
どういうものなのか。
近くの上賀茂神社でやるらしいという話を聞きつけてきて、
引っ越したばかりで5月の新緑がまぶしい季節に、いそいそと見に行ってみた。
 
 祭りは、斎王代と呼ばれるお姫様が川の水でみそぎを行うところが
メインらしいが、
葵の枝を挿した平安装束の集団が、
牛車で公道を練り歩くところの方が見てみたかった。
 
きっと、かぐや姫が月へ帰るように幻想的だろう。
 
 ちょうど良い時間を見計らって家から出て、
有名な堀川という大通りの歩道に突き当たった。
バスが着いて、観光客らしき人たちがどんどん降りてくる。
等間隔に配置された警備員の持つトランシーバーからは、
「いま北大路を通過した」だの、臨場感たっぷりのやりとりが聞こえてくる。
 
 しばらくすると、それまでスムーズに流れていた車の量が減り、
あたりが急に静かになった。
パトカーも何台か、おごそかな様子で走って行った。
そういえば通行止めにすると言っていたな。そろそろか。
 
 準備万端。期待もみなぎり、ビデオカメラをかまえて、
そのまま小一時間待っていたが、行列はついに・・・
 
 
現れなかった!!
 
 
 どうも、道が一本違っていたらしい。
パレードといったら派手に大通りでやるものだと思っていたが、
横の昔ながらの鴨川沿いの地味な旧道を、静かに通り過ぎて行ったようだ。
 
 警備員と思っていたのは、バス会社の社員で、
バスの運行を円滑にするため、等間隔にバス停の横に立っていただけだった。
 
そんな!
 
 あまりのことにショックで、日射しと徒労感に打ちのめされて
しばし呆然とし、そのまま祭りも見ないで家に帰ってきてしまった。
 
 お姫様は!?京都警察騎馬隊は!?
結局どんなお祭りだったのだろう。
牛車の牛さんに、ほがらかに手を振るなどしたかった。
 
 
 他にもつい先日は、上賀茂神社で前から楽しみにしていたパン祭りにも不参加。
京都じゅうのパン屋さんが出店してパンを奉納(?)するというから、
行ってみたかったのに、
そろそろ日にちが近づいてきた頃だなと思って、
ある日の夕方に予定表を見てみたら、その日が当日だったという憂き目にあった。
あそこの雷神様に嫌われているんじゃないのか?
 
 
注意:よく確かめてから行こう。
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ここがいやだと思った暗い夕方

2018-10-15 11:46:38 | いつかの思い出
 アメリカから引っ越して来てしばらくして、
娘と西日本の地方の、古いショッピングモールに行った。
 
 細長いフロアの両側に店があり、
通路の真ん中にプラスチックとクッションでできた
こぎれいな城みたいなものが並んでいた。
 
 子供を遊ばせるものだろうなとは思ったが、
大きい子たちが奥でヒソヒソやっているだけで、
自分が入って行って、どうやって遊ぶかやって見せるわけにもいかず、
行って来れば?とは言ってみたものの、
初めて見た娘は何をするものかわからなかったようで
(もしかしたら建設中の人んちかもしれないし)、
いまいち遠巻きにして遊ばなかった。
 
アメリカで住んでた町は田舎すぎて、モールにそんなものなかった。
 
 側にいた、いかにも良い人そうなおばさんが、
「お友達と一緒に遊びたかったのに、やっぱりできなかったねー。
かわいそうに。」というような、
余計なことを言ってきたので、さりげなく娘を遠ざけ、
「ああいう、周りの見当違いの共感が変な暗示をかけるんだ。
よし次週、リベンジだ!」とばかりに次の週に、同じ場所へ行って遊んだ。
 
 余計なことを言う人どころか、夕方で幸い誰も人がいなかったので、
心ゆくまでクッションの手触りを楽しんで、
自分は脇のベンチにぼ~っと座ってそれを見ていると、
 
館内のアナウンスで「先程、専門店でめだかカレーをご注文の〇〇様~
めだかカレーを・・・」と聞こえてきて、
 
そうか、この地では食べるのだな。
 
ウエっっ。
 
 
 しかし自分が食べないからといって、否定するのは良くない。
ニボシのようなものかもしれないし、などと考えているうちに
余計に気持ち悪くなり、
こんな所には住めないんじゃないのか?!と、うすら寒い心もちになったが、
 
後で聞いたら、目高カレイのお造りの注文だったし、
その後10数年住んだ。
 
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幻の萩の夏みかんカステラ

2018-10-11 12:21:50 | グルメ
 甘いものが苦手なくせに、毎回果敢に挑戦しようとする。
 
おいしいと思うのだがたくさん食べれない。
特にぱさぱさの小麦粉製品とアンコ。
 
折角買うのなら、そこら辺の観光客向けの抹茶サブレより、いわれのある品が好きだ。
「これは100年も前から武士の間で・・・うんぬん」
説明ばかりしてなかなか箸をつけようとしないが。
 
 
 
 小さい頃、普段からケーキを食べる習慣がなかったので
生クリームが食べれなかった。
あれって、冷えた油のかたまりではないのか。
友達の誕生日会に呼ばれて、空きっ腹に唐揚げなどのしょっぱいものの前に
いきなりケーキだけを食べると胃がびっくりするらしく、よく吐いていた。
 
あんまり吐くので、幼馴染の友人の母上が
チョコケーキにしてみたらどうだろうかと思ったらしく、
用意してくれたがダメだった(誰の誕生日だろう)。
 
次の年は作戦を変えて、きのちゃんにはチーズケーキね、と
みんなの分のケーキを切り分けている横で、一切れだけ小さな箱から取り出されて、
「でも、ホラ!フルーツ乗せてあげるから、ねっねっ」と言われても、
容易には納得しない。そういうんじゃないんだ。
みんなと同じ物が食べたいだけなんだ!
 
 
 中学生の時は、あまりに勉強しないので家庭教師を呼ばれてしまった。
大妻女子大の髪の長い清楚なお姉さんだ。
そのお姉さんが来るという日に、2階の自分の部屋でチョコレートを食べすぎた。
その頃、工藤静香がVIPというチョコのCMをやっていて、
流行にさとい友人に勧められて食べてみたらおいしかったので、
学校帰りに買ってきて、小さい頃の生クリーム・ボマーの悪夢も忘れ
分厚い板を1枚一気に食べたら、気持ち悪くなり倒れこんだ。
 
もう下に大妻女子大も到着し、なんとか挨拶をしに行こうと思うのだが
血糖値が上がりすぎたのか、返事もまともにできない。
これで鼻血でも出していたら、変に期待しすぎだと思われ、
母に不愉快な紹介の仕方をされていたことだろう。
しかも銀紙は食後すぐに丸めてゴミ箱に捨て、自ら証拠隠滅してしまった。
 
 
 父も甘いものが苦手だったが、昭和の団塊の世代の父親像というのは、
そもそもあまり甘いものなど食べないという風潮だった。
高校の時、実家に帰って萩に一緒に行き、
何を思ったのか夏ミカンのカステラを1本買ってきて、
誰が食べるのだろうという疑問がわいたが、
一口食べてみたら、柑橘系のさっぱりとした口あたりで
水分不足に苦しむこともなく、父も珍しくおいしいと言って食べていた。
結局、親戚のおばと3人で1本まるごと食べてしまった。
 
最近土産物屋の人に聞いたら、昔たしかにそういうものを作っていた会社があったが、
今はやめてしまったらしいとのこと。
ぜひ復活してほしい。
 
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