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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

春闘2018 「生活できる賃金」へ たたかいが力

2018-02-12 16:48:30 | 働く権利・賃金・雇用問題について
春闘2018 「生活できる賃金」へ たたかいが力

春闘の中心テーマは一貫して“賃金”です。長らく、財界の言い値で賃金が決まっています。ここ数年、政府主導が目立ち、「官製春闘」とやゆされます。その帰結が「日本の賃金、世界に見劣り」(1月22日付「日経」)という現実です。実質賃金の低下が暮らしを圧迫しています。
賃金は①生活費を基本に②労働市場の動向③直接的には労資の力関係によって決まります。財界・資本の力が強いため①が抜け、生活無視の微小賃上げが続いています。
今春闘では政府が定期昇給込みで3%の賃上げを呼びかけ、これに経団連が応じ、「前向きな検討が望まれる」(経団連の春闘方針「経営労働政策特別委員会報告」)としています。ただし経団連は、ボーナスなど「年収ベース」の賃上げが基本だとしています。
労働側では連合が「定昇込み4%賃上げ」(ベースアップは2%)という自粛要求です。対して全労連は「月2万円以上」を要求しています。




注目すべきは、全労連の労働組合などで広がっている「8時間働けば普通に生活できる賃金を」という考え方です。過労死や長時間労働が社会問題化し、生活も苦しくなる一方です。「8時間労働」と一体の「生活できる賃金」は多くの労働者の共感を呼ぶでしょう。
深めるべきは「生活できる賃金」の意味です。
その「生活」とは家族を含む生活です。「世代を超えた労働力の再生産」が必要だからです。
問題はその場合の“賃金”とは何か、です。それは「直接賃金」(通常の意味の賃金)だけでなく、「間接賃金」(所得再分配としての社会保障など)と「合わせて一本」です。「直接賃金」だけで「家族賃金」を考えれば、「共働き世帯の賃金」などの説明がつきません。未来社会に向けても、一定範囲の「生活費の社会化(公的負担)」には積極的な意義があります。家族構成の違いの考慮などは「間接賃金」で行うべきです。
「8時間働けば普通に暮らせる社会」とは、このような賃金が行き渡った社会のことでしょう。それには、直接賃金、間接賃金とも大幅な改曽が求められます。

経団連の春闘方針は「生産性を上げるための働き方改革」という「資本の論理」一色です。8時間労働の実現どころか、「残業代ゼロ」の制度化に執着しています。「屈用の流動化・多様化」のため、「解雇の金銭解決」の制度化も今度こそはと狙っています。
安倍政権の「世界で一番、企業が活動しやすい国」は、賃金・労働時間・雇用の全域で、大資本に邪魔なものを取り除くことが基本です。フリーランスの働き方を広げ、労働規制や社会保険の事業主負担などからも「自由」になることをたくらんだ「新しい搾取方法」が準備されています。
18春闘は安倍政権の憲法破壊攻撃とも重なり、歴史的なたたかいとなっています。市民との共闘を広げ、国民春闘を大きく発展させ、真の“働き方改革”を実現しましょう。
牧野富夫(まきの・とみお労働総研顧問)

「しんぶん赤旗」日曜版 2018年2月11日付掲載


財界の言うようなボーナスなどの年収ベースの賃上げではなく、毎月の賃上げが大事。生活は、毎月、毎日のことだから…
「生活できる賃金」とは、家族を含む生活。自分のことだけでなく、子育て、教育、親の介護など。

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