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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ASEAN 地域の平和めざす役割・課題② 南シナ海問題 安定確保に一歩前進

2017-08-16 11:25:34 | 国際政治
ASEAN 地域の平和めざす役割・課題② 南シナ海問題 安定確保に一歩前進

東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の外相はマニラでの会議で、長年の課題である南シナ海行動規範(COC)の「枠組み」を正式承認しました。COC本交渉と南シナ海の安定確保に一歩前進しました。
インドネシアのルトノ外相は「建設的関与によって、とうとう枠組みができた。いまの積極的な関与が続き、COC交渉に信頼感ある環境がつくられることを期待している」と語りました。

対話を推進へ
フィリピンで昨年6月、ドゥテルテ大統領が就任すると、同国は中国に対する対立的アプローチを転換。建設的関与政策で中国との対話を推進しました。「COC枠組みは、ドゥテルテ大統領が(南シナ海や対中関係に)安定をもたらし、それが交渉の道を与えたものだ」(カエタノ比外相)との声も出ています。
情勢が落ち着き、フィリピンが議長国を務めるもとで、建設的関与はASEAN全体のアプローチにもなってきています。
他方、外椙会議の共同声明ではフィリピンが用意した草案に対して、加盟国から文言追加の提案が続出しました。
なかでも当初の案ではASEANの原則として国際法と「紛争解決での法的・外交的プロセス」を尊重する文言が欠落。中国が反発する南シナ海仲裁判決をめぐり「法の支配」を支持する文言で、1年前の会議でも焦点となった部分でした。



ASEAN外相会議に参加する中国の王毅外相(中央)とフィリピンのドゥテルテ大統領(右)、力エタノ外相=8月8日、マニラ(ロイター)

結束を示した
非公式会合での折衝やフィリピンの調整努力の結果、共同声明は予定より一日早く合意・発表され、国際法の原則部分も復活。ASEANとして一定の結束を示しました。ルトノ外相は会議後「われわれはすべての国が国際法を尊重すべきだとの確固とした立場を持っている」と強調しました。
中国の王毅外相は会議期間中、ASEANとの協調による「南シナ海の安定、積極的な変化」を強調。一方で11月にCOC本交渉を開始するには、「域外国の大きな妨害がないこと」が条件だと述べるなど、主導権を握ろうとしています。
東南アジア域内には、「COCは(完成した時には)中国の人工島建設と軍事化を合法化するだけでは」(フィリピンの識者)との不信の声も根強くあります。また、採択された枠組みには法的拘束力は盛り込まれておらず、今後の交渉議題とされました。
シンガポールのバラクリシュナン外相は同国メディアに「今後の(COC)交渉の難しさは矮小(わいしょう)化したくない」が「重要なのは、この延び延びになっている問題で進展をつくるという、ASEAN10力国と中国の決意を表していることだ」と語りました。(マニラ=井上歩)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月12日付掲載


南シナ海で強権的な動きをしている中国ですが、ASEANとの対話の場には出てくる。重要なところは、やはり「対話」である。

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